ヌーhiron
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■アジャリンポチェ回想録

集広舎新刊「アジャ・リンポチェ回想録」

書名:アジャ・リンポチェ回想録
副題:モンゴル人チベット仏教指導者による中国支配下四十八年の記録
著者:アジャ・ロサン・トゥプテン(アジャ・リンポチェ八世)
序文:ダライ・ラマ十四世
監訳:三浦順子
訳 :馬場裕之
定価:3,000円(本体2,778円+税) ISBN978-4-904213-51-3 C0022
判型:A5判
頁数:514ページ
サイズ:21×14.8×3.5 cm
 
【キャッチ】
チベットにおける幼少での即位から覚悟の亡命までを語る波乱の半生記
 
【本書『ダライ・ラマ法王の序』より】
言論の自由、報道の自由のない国で、恐怖と懐疑の状態下で生活する人々の本当の様子を理解するには、個人の記録に頼る必要がある。アジャ・リンポチェが腹蔵なく、ありのままに、彼のチベットにおける見聞と体験を書いたことは、その間の歴史にとって貴重な貢献である。
 
【本書『日本語版まえがき』より】
私の自伝は六十年来の中国とチベット、モンゴルの間の埋もれた過去を描いている。例えば中国がクンブム寺で行った宗教改革、文化大革命などの一連の政治運動、九〇年代のいわゆる「金瓶掣籤」、そして私の亡命などである。その中の一部の事件は中国当局によって広く宣伝されているが、どれも正確でないばかりか、むしろ入念に歪曲されている。歴史を尊重する立場から、私は自伝の中でできるだけ史実を復元したいと考えた。私は真相こそが時間の検証に耐えられると信じている。
 
目次
──────────────────────────
ダライ・ラマ法王の序
『アジャ・リンポチェ回想録』日本語版まえがき
 
第一章 幼年時代
  願いに乗って誕生 ギャヤ・リンポチェおじさん セルドク・リンポチェ 前世と今生
  法座継承 ラブラン寺 ゲゲン・ツルティム・ラクサム 寺主の駕籠 私の生まれたゲル
 
第二章 「宗教改革」の災難
  反革命の巣窟 私のジャマガ 犬殺しのペマ・タシ クンブム寺から関帝廟へ
  僧侶が恋歌を歌う 「大躍進」の逸話
 
第三章 寺院の半開放
  シェラプ・ギャツォ大師が来た パンチェン大師の座談会 活仏小組
  強制移住させられたモンゴル人の部族
 
第四章 タシルンポ寺にて
  パンチェン大師の行宮 トゥルナン寺で発願 緑ターラー菩薩のふところ 白ほら貝を吹く
  リンポチェの下肥汲み 流れ去らない死体
 
第五章 パンチェン大師が「反革命」になる
  私生児 政治の嵐の下でホームシックに 再びクンブム寺を見る 大字報で覆われたヤク毛テント
 
第六章 文化大革命の災難
  仏像破壊 大金瓦殿前の紅衛兵 反面教材 毒水を飲む 本物と偽物の活仏
  臨終の秘めたる教え 僧院を「大寨式畑」に変えよ タマリクス刈り 蘭州に行く
 
第七章 災難の後の再生
  「神」は死んだ 逆さまに書かれた名前 「四類分子」のレッテルが取れる
  労働改造農場のオーセルおじさん 胸につかえた悔しさを吐き出す
 
第八章 落ち着かない獅子法座
  馬小屋から獅子法座へ パンチェン大師と彭徳懐 東総布胡同五十七号
  パンチェン大師の結婚 青海民族学院の研究生
 
第九章 鄧小平の政策
  精神安定剤 ダライ・ラマの代表団 地下化身 私は入党しなかった 張学義の清浄の水
 
第十章 クンブム寺の修復その他
  北京で中華全国青年連合会に参加 趙樸初さんと知り合う 菩提塔を修復する
  カーラチャクラ立体マンダラを作る パンチェン大師に随行してブッダの故郷に巡礼する
  パンチェン大師に随行して南米に行く
 
第十一章 政治と秘密
  北京チベット語系高級仏学院 伍精華の手中のオリジナルビデオテープ パンチェン大師の秘めた思い
  タシ・ナムギャル・ラカンの落成式 パンチェン大師の突然の入寂 「六四」民主化運動を目撃
 
第十二章 前世の因縁
  クンブム寺の住持になる 肉を食べなくなった ギャヤ・リンポチェも母も逝ってしまった
  逆縁が順縁に 解決できない事件 ブッダの歯の仏教国訪問 江沢民の題字
  ヨンジン・リンポチェの授戒 雪中ジェクンドの被災者支援に行く
 
第十三章 偽のパンチェン
  李鉄映の「加持」 ダライ・ラマの発表後 九・一一緊急会議 夜中の「金瓶掣籤」
  葉小文が漏らした驚くべき秘密 私は署名していない また「運動」が始まった
 
第十四章 秘密里に亡命
  亡命前の計画 税関での取り越し苦労 グアテマラでの日々
 
第十五章 彼岸での修行
  四十年ぶりにダライ・ラマに拝謁 言葉の通じない友人 江沢民の返信
  再びカーラチャクラ立体マンダラを作る 弟子入り修行 『菩提道次第大論』を講義
  インドの聖地巡礼
 
後記 恨みのためではなく予防のために
  英文自伝の執筆 クンブム寺からクンブム寺へ
 
歴代アジャ・リンポチェの事跡
アジャ・リンポチェ年表
編者の言葉─ツェリン・オーセル
索引(巻末逆丁)
 
【著者プロフィール】
アジャ・ロサン・トゥプテン(アジャ・リンポチェ八世)。一九五〇年、チベット東北部オロンノール草原(現中国青海省)のモンゴル遊牧民の家に生まれ、二歳でチベット仏教ゲルク派創始者ツォンカパ大師の父の転生者と認定される。クンブム寺で寺主としての教育を受け、ダライ・ラマ十四世やパンチェン・ラマ十世からも直接教えを授かった。文化大革命を経験しながらも、仏典研究や寺院改革に取り組む。地域の災害対策、伝統医学の継承、初等教育の充実などにも尽力し、モンゴル人、チベット人を問わず広く信仰を集める。一九九八年、米国に亡命し「慈悲と智慧のチベットセンター」を創設。また、ダライ・ラマ法王の長兄タクツェル・リンポチェが創設した「チベット・モンゴル仏教文化センター」センター長も務める。

















 

■アジャ・リンポチェ来日講演

チベット仏教のモンゴル人高僧、アジャ・リンポチェ

2歳で「ツォンカパ大師の父」の転生者と認定される。

クンブム寺で僧院長としての教育を受け、ダライ・ラマ14世やパンチェン・ラマ10世からも

直接教えを授かったアジャ・リンポチェ。

この10月 来日され 法話会 講演会が行われます。

 

▼10/9(祝) 【大阪 黄檗宗 自敬寺】

来日記念 法話会

FBイベントページ→ https://goo.gl/qTAE9L

 

▼10/15(日) 【大阪 清風学園 ラカンホール】

日本での自伝出版にあたり、法話会ならびに出版記念講演を開催。

FBイベントページ→ https://goo.gl/wmwPnk

 

 

 

 

 

 

◆1959.3.10チベット・ラサ蜂起

1959年3月10日 

祖国チベットとダライラマ法王を守るため,  

ラサ蜂起した


当時のチベットは、中国支配が本格化する一方、反中国のゲリラも活発化し、東チベット、カムとアムド全地域は戦争状態と なり、ゴンポ・タシたちゲリラの襲撃は大胆さを強めていった。中国軍も容赦なく反撃し、爆撃、砲撃によって広い地域が廃墟と化し、1959年には、数千に のぼる難民がラサに逃げ込み、市外にキャンプを張った。ラサ市民は6万人。駐屯する中国人民解放軍4万人、食料を要求されるラサは窮乏していた。

珍しくダライラマ14世に、人民解放軍から「軍司令部での観劇の誘い」が来る。310日に決まったその招待、中国側は「形式ばったことは省きたいので、お供は連れずお一人で」チベット兵は連れてくるな、どうしても必要なら、丸腰の護衛だけにしろと主張し、すべてを極秘で運びたいとも言った。何もかもが胡散臭く思われたが、法王側は事を荒立てないよう一握りのお供だけで行くことに同意する。

市民たちは「もしや法王が誘拐されるのでは」と大きな不安を抱いた。中国から法王を守ろうと3万もの人たちが、ノルブリンカ離宮を取り囲んだ「チベットはチベット人に返せ」と要求し始める者もいた。一触即発、激情に駆られた民衆が中国軍を襲うかもしれない。

もはや観劇どころではない。群衆を落ち着かせるため「法王は決して司令部へは行かない」と二度も確約し、リーダーの大半は市内に戻り新たなデモを組織しはじめたが、依然、離宮の外には多勢の群衆が立ち去ろうとせず心配げに残っていた。それは非常に危険なことだった。
 

 
 hiron

 

人民解放軍の大砲はダライラマの離宮"ノルブリンカ"を射程に収めていた。一週間後の3月17日、2発の大砲が発射され離宮近くに着弾した。ダライラマ及び政府閣僚は、これ以上とどまるのは危険だとの結論に至り、変装し夜陰に紛れて極秘にラサを脱出した。

3月19日には最悪の事態が起こった。中国軍はノルブリンカ宮殿に一斉砲撃を始め、それは3日間続き、貧弱な軍備のチベット軍はあっけなく敗北。宮殿周辺は足の踏み場のないほどチベット人の死体で溢れかえった。3日間で1万人以上が殺戮され、10カ月間に、中央チベットだけで87,000人のチベット人が殺された。

もし法王が中国軍に拘束されたり、身に危険があれば、ラサ市民、いや国民のすべてが中国軍に対し攻撃を仕掛け玉砕しただろう。法王は、至る所に中国軍が配備されているなか、勇敢なカンパゲリラたちに守られ3月31日、インドに到着した。その年、法王とともに生きたいと、約2万の人がインドへ亡命した。法王にお会いしたい、仏教の修行をしたい、チベット人としての教育を受けたいと、58年たった今も亡命は続いている。
 

 hiron-カムパの護衛で

 

 

 

 

 

 

 

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