「あまちゃん」第39回~ゼロか10か、17歳の春子の決意 | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「あまちゃん」 第39回(完全版)
第7週 「おらのママに歴史あり」
ゼロか10か、17歳の春子の決意


<天野家>
(テープをカセットデッキに入れる春子)
春子) いくよ

日々のダダ漏れ

ラジカセの声) 「天野春子、
 高校2年生17歳です。
 聴いてください。『初恋』」。
春子) 恥ずかしい…。
カセット) ♪(「初恋」)
春子) すごい音だよね。
 これね、ここで録ったの。
アキ) どうやって?
春子) 8トラのカラオケの機械を、漁協で
 借りて持ち込んで。本当は聖子ちゃん
 の曲が歌いたかったんだけど、カセット
 に入ってなかったのよ。

(回想)

 ♪(「初恋」)
(マイクを手に、カセットデッキの前に
 立つ高校生の春子)

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春子) ♪「さ…」
夏) おい春子! 塩ラーメンと
 みそラーメン、どっちにする?
春子) もう、入ってこないでよ勝手に!
夏) あ~ごめんごめん。
春子) 見えないのこれ! 
 ねえ! 録音中!
夏) あ~はいはい分かった分かった。
春子) もう!
夏子) おい! 塩とみそどっちだ?
春子) 塩!
夏) 塩! 塩!
春子) もう!
夏) 塩!


**********
 
<スナック梨明日>
(ラジカセを聴いている大吉たち)
カセット) ♪「五月雨は緑色 
 悲しくさせたよ 一人の午後は
 恋をして寂しくて 
 届かぬ想いを暖めていた」


日々のダダ漏れ

菅原) 懐かしいな…。
 これ聴くの何年ぶりだべ。
大吉) おら、しょっちゅう聴いてる。
菅原) えっ今でも?
ヒロシ) テープ、伸びないですか?
大吉) 冷蔵庫で冷やしてる。
吉田) 駅長はな、春子さんからこの
 テープを受け取ったのは自分だけ
 だと勘違いして、すっかり舞い上が
 っちゃったんだよ。
菅原) デモテープの意味が、
 分がんねかったんですよね。
吉田) モジモジ~してる感じです
 もんね。「でも…」みたいな。
大吉) しかも中身が「初恋」だべ?
 俺に惚れてると思うべ。
吉田) そう思い込んで24年間、
 駅長は独身を貫いてんだ。
正宗) あれ? 
 でも奥さんいましたよね?

(回想)
安部) 私なんか、校庭の片隅で
 ひっそりと干からびている、
 セミの死骸ですもの。
 
大吉) 俺の話は、どうでもいいべ。
 とにかく春ちゃんがテープ送って、
 しばらくたって、たまたま、漁協で
 会ったんだよ。

**********

回想・1984年(昭和59年)
大吉) ごめんください。
かつ枝) はい、ご苦労さん。
春子) おお大吉っつあん!
 見て見て見て見て見て見て…!
大吉) 何だ?
春子) 受かった! 「君スタ」の
 テープ審査! 受かった!
大吉) じぇじぇ!
春子) ちょっと見て見て見て見て…。
 7月7日土曜日朝9時、東京NYBS
 テレビスタジオに集合して下さいって!
大吉) すんげえ! すんげえ!
 夏ばっば知ってんのか?




春子) いや…。
大吉) 黙って応募したのか?




**********
 
<天野家>
春子) 夏さんには一切相談しなかったの。
 まあ、うすうす感づいてるとは思うけどね。
 いつか、熱も冷めるって思ってたんじゃな
 いかな。

(回想)

日々のダダ漏れ

(夏の前に正座し、合格通知を見せる春子)
(不機嫌な顔で通知を投げる夏)
夏) くっだらねえ!
春子) お願い!二度とないチャンス
 だから行かせて下さい!
夏) 駄目だ。芸能人なんておめえ水物だ。
 何の保証もねえし…。第一おめえ、土曜
 でねえか。学校どうすんだ?
春子) もともとその日は休む事になって
 ます。学校さぼって海女の手伝いするの
 はよくても、オーディションは駄目なのか!?
夏) 受かったらどうすんだ?
 この町さ捨てて、東京で暮らすのか?
春子) 次の週も行ぐ。
夏) …何?
春子) 10週勝ち抜かないとデビュー出来
 ないの!落ちたらその時点で終りだけど、
 受がったらその次の週も行ぐ。
夏) 毎週土曜日さ、東京へ、通うのか?
春子) 大丈夫だよ。10週なんて無理
 だから。もちろん1週か2週は勝ちた
 いけど、10週なんて無理。
夏) だったら行ぐな。
春子) え?
夏) 途中で負けるって分かってて、
 大騒ぎして東京さ行ぐのか? 恥ずかし
 いっ!寝言語ってんでねえ! バカこの!
春子) 母ちゃん…。
夏) 何だこの!
春子) 母ちゃん!
夏) 本気だと思って真面目に聞いたら…
 ええ!? 「10週なんて無理」だ? 
 遊びさ行くのか? 違うべ! アイドル
 歌手になりたくて行ぐんだべ!
春子) (頷く)
夏) だったらなれ! 勝で! 
 負けた時の事考えてるぐれえなら、
 最初から、行ぐな! バカこの!
春子) ごめんなさい!
夏) 「ごめんなさい」でねえ! 本気か、
 遊びか聞いてんだ。1回2回勝って
 どうすんだ。ゼロか10しかねえ! 
 どっちだ!? ゼロか! 10か!
春子) …10です。



夏) 分かった。ほんなら、行ってよし。
春子) …ほんとに?
夏) 組合長には、
 おらがちゃんと説得してやる。
かつ枝の声) 夏さ~ん!
夏) はい。はいはいはい。
 あっ、組合長。
長内) こちら、北三陸市の市長さん。
 知ってるべ?
 
**********
 
<スナック梨明日>
正宗) えっ!? 
 市長がじきじきに来たんですか?
長内) んだ。それだけ春ちゃんが
 期待されてたって事だ!
弥生) じぇじぇ! いつの間に。




**********

(回想・24年前)

あまちゃん(39)

市長) 明日、北三陸鉄道が開通すれば、
 観光客も増える。東京からも人が来る。
長内) 新聞や、テレビの取材も来る。 
 ちょうど海開きで、袖が浜の海女も
 注目される。こんなチャンス、
 滅多にねえべ!
弥生) おめえしか、いねえんだ!  
 春子! 頼む!
かつ枝) 袖ヶ浜の、未来のためだ!
 頼む! 潜ってけろ!
夏) あとは、おらが、話してきかせっ
 から、悪いようにはしねえがら。
 
春子) 手のひら返したのよ、夏さん。
 ひどいでしょ? さっき説得するって言
 ったのに、全然話違うじゃんって、内
 心もう腹が立って仕方がなかったの。
アキ) それで、話し合ったの?

(回想)
夏) 明日も早え。そろそろ寝るべ。
春子) ちょっと母ちゃん? 母ちゃん!
 やっぱり海女やりだぐね。
 東京さ行ぎでえ。
 
春子) いっつもそう。最終的には自分で
 決めろって突き放すのよ。…っていうか
 もう、出て行けって事だと思ったよね、
 そん時は。

(回想)
春子) もうどいてよ!
大吉) ああ…ああすいません!
弥生) 春子、なすて乗ってんだ?
 春子! なしす乗ってんの?




大吉) 出発進行~!



弥生) 春子! 春子! 春子! 春子!
(ホイッスルの音)

大吉) 春ちゃん、東京さ行ぐのが?
 どうしても行ぐのが?
春子) こんなド田舎さもういたぐね。




大吉) 母ちゃんの後継いで、
 海女になんのがそんなに嫌が?
 これから地方の時代だべ。
 北鉄も通って、この町もますます
 活性化するべえ。もったいねえべ。
春子) うるせえ!
 一人で生きていくって決めたんだ。
 どいて。



大吉) 春ちゃん…。



**********
 
<スナック梨明日>
大吉) あん時あそこで引き下がらずに
 連れて帰ってれば、こったらしょうもね
 え男に、つかまんねえで済んだのに!
正宗) 駅長また
ウーロンハイ
 飲んでます。
大吉) 今夜は確信犯だ! この野郎!
 おい! 表出ろこの野郎! おい!
(連れ出される大吉)
ヒロシ) すいません、
 何か、結局絡んじゃって…。
正宗) いや、僕も初めて聞く話
 ばかりだったんで。
ヒロシ) あ…そうなんだ。
正宗) 家内は、自分の事
 話したがらないんですよ。
大吉) 「家内」って何だ!
 この野郎バカ野郎お前!
 おいこっち来い! 
 この野郎バカ野郎おい!

**********
 
<天野家>
 春子) 見送りにも来てくれなかった
 しさ。結局夏さんが、あの時どんな
 気持ちだったのか、いまだにわかん
 ない。応援する気持ちがあったのか、
 それとも、この町に残ってほしかっ
 たのか。
アキ) どっちもじゃない?
春子) どっちも?
アキ) うん。もちろん、寂しいって思う
 気持ちもあっただろうけど、頑張れ
 って気持ちもあったんだよ。
春子) どうしてそう思うの?
アキ) わがんねえ。
春子) 都合悪くなると、訛るよね、あんた。
アキ) だって、ママが東京行かなかったら、
 パパと知り合ってないし、私も生まれて
 なかったし…。えっ? 生まれないほうが
 よかった?
春子) 何言ってんの?
アキ) 私が生まれたから、
 アイドルあきらめたの?
春子) そんな訳ないでしょ。
 バカなこと言わないの。
アキ) じゃあ何であきらめたの?
春子) ああ…。
 まあ、いろいろ、あったのよね。
 でも、あの…
 全然アキのせいじゃないからね。
 だってあんた産んだの25の時だもん。
 …つうか、親ってほんとに難しい
アキ) えっ、何で?
春子) だって、アキが「海女やりたい」
 って言いだした時やさ、「南部もぐり
 やりたい」って言いだした時にさ、
 まひとつこう…強く出れないのよね、
 ママね。だって、アイドルになりたか
 ったんだよ? なれると思って、高校
 やめて、勝手に東京行っちゃったん
 だよ。ねっ? あ~もう何かいっぱい
 しゃべったらおなかすいちゃった! 
 フフッ。



アキ) アハハハッ。
 
**********
 
<居間>
忠兵衛) それはねえべ夏ちゃん!
アキ) あれ、どうしたの?
忠兵衛) アキ、いいとこさ来た。
 ここさ座れ。
アキ) えっ、何何?
春子) おなかすいた。何か作ってよ
忠兵衛) あ~いいから春子も。
夏) ラーメンでも作るべ。
春子) ああラーメンいいね。何何?


日々のダダ漏れ

 忠兵衛) アキ、おじいちゃんな…
 漁師やめるじゃ。
アキ) じぇじぇ!
忠兵衛) 日曜の船さ乗って沖さ出る
 予定だったけどな、やめた。
春子) えっ、どういう事?
忠兵衛) もう、年だべ。無理して船さ
 乗んなくてもいいがと思って…。
 夏ちゃんも心配みてえだし。
 アキもいる、。春子もな。だから、
 陸(おか)で、第二の人生、
 楽しむがってな。
春子) そっか。そうなんだ。
忠兵衛) 明日漁協さ行って、引退宣言
 してくるじゃ。ついでに、仕事紹介して
 もらうべと思って。
春子) うん。長い間、ご苦労様でした。
 ビール飲む?
忠兵衛) おお、もらうべ!
春子) よし。
アキ) えっ? じゃあ、じいちゃん、
 ここで一緒に暮らすのか?
忠兵衛) あたりめえだおめえ!
 ここはおらのうちだど。
アキ) やった~! ばっば、いがったね!
夏) へへへへッ、まあな。
忠兵衛) アキほら、飲むか?
アキ) 飲めないよ。
 

日々のダダ漏れ

夏) 定期検診の結果、
 あまりよぐねがったみでえだ。
春子) えっ…。
忠兵衛) あっ、漬物あったべ。
 持ってこい。
夏) あ~はいはい、はいはい。
 
一度は死んだと思い込んでいた父、
忠兵衛。幸い元気に暮らしていますが、
67歳のおじいちゃんなのです。

忠兵衛) あっ、春子も来い。

**********

春子がオーディションのために作ったデモテープ。
歌ったのは、村下孝蔵の「初恋」でした。懐かし~。
キョンキョンの可愛い歌声が、やっと聞けました!
春子が東京に行くというか、家出するまでの事情、
前夜の事情がやっと明かされたという感じ。長っ!

てか・・・ちゃんと相談してるし、夏ばっばも、ちゃん
と話聞いてるじゃないかーーー! まあ、最後の決
断は確かに本人に委ねたかもしれないけれど、そ
の前に春子の決意は聞いているわけだし。ゼロか
10かで10と答えたのだから、本気だと夏も思った
だろうしね。アキが言ったように、行けとも行くなと
も言えなかったのかもしれない。だって、親として、
両方の気持ちがあるのは当然だと思うから。親の
心子知らず。子の心親知らず。互いに、相手次第
と結果を委ねていたのかもしれないね、この親子。

過去を後悔されてしまうと、困るのはその過去ゆえ
に今いる自分の存在・・・と思ってしまうアキの困惑
もよーくわかる。否定も肯定も、何とも言いがたい。
そして、春子の「親ってムズカシイ」と思う気持ちも。
自分の若気の至りを思えば、何も言えなくなってし
まうというか・・・子供の立場もわかるけど、大人の
立場もあるわけで。そういうの・・・ホント困るよねえ。

今おばあちゃん、おばちゃんになっていても、誰も
が皆若い頃はあって、人に歴史あり、なのですよ。

それにしても・・・カセットテープを冷蔵庫で冷やす
っていうのを聞いても、わかんないよねえ・・・ww
時代の進歩っていうか、機械の進歩ってスゴイ!


2015年の再放送時の感想はこちら↓
あまちゃん日記(39)~第7週「おらのママに歴史あり」

2023年の再放送時の感想はこちら↓
第39回~第7週「おらのママに歴史あり」

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