2024/6/29(土)  01:09

 

 

 

『晩酌の流儀3』初回放送を観てみたが、かなり良かった。そして、いろいろと考えさせられた。

 

というのも、塩梅が絶妙だったからだ。たとえば『孤独のグルメ』など、何度もシーズンを重ねているドラマであれば、大変化を生むというのは難しい。既に固定視聴者が少なくないだけでなく、過去に放送した様々と大きく外れるのがむしろ否と見做されてしまう。一方でシーズンが2つ目とか3つ目とかの場合では、まだいろいろと冒険できるだけでなく、どこかそんな挑戦をも期待してしまうものだ。記事冒頭からだいぶ主観強い気もするがさておき、ゲスト出演者の多さや主役とは異なる語り手を設けて変化を見せつつ、職場やスーパー店員や室内様相などはさほど変化無く、上手く残している。

 

あと忘れてはいけないのが、ドラマのコンセプトがブレず、主役が安定しているのが良い。最高の晩酌を迎えるために仕事、そして退勤後の時間の有効活用、そして晩酌のこだわりなど、良く一貫している。それもそこまでクセが強いわけでもない。美形ながらも貪欲な姿勢というギャップも良い。そんなわけで、主役の在り方というのもまた、視聴者を離さないためのポイントだろう。

 

 

 

こういった議論をアイドルのプロデュースで考えてみれば、また一つ、趣が見えてくるというものだ。

 

新シーズンというのは、代表的な置換としては新体制が挙げられるだろう。わかりやすく言えば、乃木坂46での5期生加入とか、欅坂46が櫻坂46へ改名するなどである。地上グループ、と一口にまとめるのは雑であって、というのも、人数に着目したい。坂道グループほどに全体人数が多い集団、新メンバーの加入が1人や2人では、超スター級な逸材でない限りは、どうしても埋もれてしまうものだ。だからこそ、ある程度まとまった人数が一気に入ってくる、ぐらいの変化でなければ、今回の置換に並ぶものではないだろう。その一方でグループ改名などはかなり大きい変化だ。名前が変わる故に当然と言えば当然だろう。

 

一方で、ライブアイドルや地下アイドルに関しては、一般的には5人や6人で1グループを成すために、1人卒業や加入などだけでも十分、新体制、と銘打つには十分だと筆者は考える。当事者意識で考えれば、歌割りやフォーメーション、その他諸々の雑務の担当などで、自然と負荷が変わってくるものだ。ただ、たとえば特定のグループに焦点を当てたとして、メンバーの卒業や加入というのは、決して低頻度とは限らないものだ。極端な話でもなく、3ヶ月に1人程度の頻度というのもそう珍しくは無い。なので、その毎度で新体制と謳っては、さすがにこちら側も飽きてくるというものだ。無駄に慣れてしまう。なので、メンバーの様子を見て卒業や補充を求めていなさそうなタイミングで、新体制、と掲げるのがベターだと考える。

 

そして、話を戻せば、地上地下問わず、こうした大変化にあたって今回肝心だと主張したいのは、その変化自体に縋ること無く、何かまた別の挑戦を設けること、そして逆に継続して行うことを設けること、この両者が大切なのではないかと考えたい。かといって、前者は決して安直に決めるべきではなく挑戦した結果プラスとなるものを選定すべきで、後者はつい楽なものを選びがちだが変化に伴って喪いたくはない強みを据えるべきだ。一般企業に就いて組織の歯車として生かされるならむしろこうした問題提起というのは疎まれそうだが、アイドル業界においては、自由度が高く、発想力や行動力が求められる。だからこそ、何かしら軸を設けることで、空中分散すること無く、同じ方向でアイドル活動に専念できるのでは、と考えてみた。

 

 

 

あとは、今回挙げたドラマに倣ってプラスアルファで議論するなら、わかりやすさと独自性が挙げられるだろう。

 

明瞭で共感持てるコンセプト、これはアイドルをプロデュースする立場としては真似したいものだ。グループ全体としては、コンセプトもそうだがグループ名自体も無駄に長過ぎないようにしたい。万が一長くしてしまった場合は4文字前後で被り無い略称を創るべきである。そしてメンバー単位で考えれば、誰が何担当なのか、別にこれは業務の押し付け合いではなく、それぞれが強みや個性を活かして伸ばすのための施策である。こうしたわかりやすさがあれば、ファン側としても覚えやすくて有難い。

 

独自性に関しては、上記とは相反するものなので説明しなくても大丈夫そうだが、念のため、たとえばコンセプトについては薄くし過ぎないことだ。こればかりはセンスが求められるので非常に難しいが、一旦仮で雑に設けてしまってはずるずると長引いてしまう懸念もあるので、ここは慎重に遂行したい。そしてメンバー単位では、個性が飛び抜けていれば言うこと無しだが、そうでなければベースとなる人間味で等身大に勝負してもいいだろう。それが果たして独自性なのかは議論の余地があるが、超個性の持ち主であれば地下の範疇で踏み止まるものでもないだろう。今日、地上も必死だ、優秀な人財であれば躊躇わないものだ。なのであとは、当人がどちらの世界で生きたいのかだが、本線と外れるので割愛しよう。

 

結局のところ、なんだかんだでアイドルについて考えてしまうぐらいには、今日の筆者もやはり、アイドルが底知れず好きなのだと再認識させられる。まあ確かに、未だに櫻坂46ツアーファイナル配信視聴での各楽曲パフォーマンスが眩しく浮かぶし、透色ドロップのワンマンでのだけど夏やっぱ夏で完全に理想が叶ったという瞬間も過るし、そういった数々の奇跡を思い出すたびに改めてではあるが、今日、明日、そしてこれから先も、まだ生きていたいと思えてくるものだ。

 

このところ、先輩後輩関係無く、飲み会に行くことが増え、そのたびに筆者の働きぶりが心配されてしまう。課内状況も依然として殺伐としているし、コミュニケーションの基礎が欠落している。それだけでなく、人生いろいろ俯瞰したら絶望が溜まってくるものだが、それらを全てチャラにできるほどに、今、こうして、ドルヲタを専念できているというのは、本当に有難いことだとつくづく思うのである。人生を賭けて進んだ道だ。これからも精一杯、楽しく応援していこうじゃないか。(2557字)