最近、本当に土日の人出が多くなったと感じる。アイドルファンに限らず、やはりアフターコロナという感覚が強いのだろうか。賛否両論あるとは思うが、個人的には、やっぱり人が多い方が楽しい。ライブ後の帰宅電車なども、若干人が多い方が心地いい。

 

外出自粛の解放というのを狙ったのかただの偶然だったのかは不明だが、筆者が参戦した10月9日というのは、大型対バンが各地で行われていた。

 

・大手町三井ホール(TOKYO GIRLS GIRLS)

・品川インターシティホール(IDOL CONTENT EXPO)

・豊洲PIT(Girl’s Bomb)

 

あとは一応、イコノイフェスも、対バンへの動員影響としては含めることができる。

 

 

 

といった感じで、もはや、対決バンド、の意味をも為す対バンは、ライブアイドルの場合では、その一イベントに限らず、同日の他のイベントをも、もしプロデュースの観点からすれば、厳密には考える必要が出てくるほどに、もはや、参戦レベルでのアイドルファンの復活、DDという言葉が死語になるほどの応援するアイドルの事務所依存性の低下、そしてアイドルファン自体の層の多様化など、筆者個人の感覚としては、アイドル戦国時代、と何かとちやほやされていた時代以上に、ライブアイドル含め、アイドルが切磋琢磨し合わなければならない時代に突入しつつあるのではと考えている。

 

 

 

小難しい議論はさておき、筆者がなぜ今回、豊洲を参戦対象に選んだかというと、理由は至極単純だ。豊洲PITの会場が好きだからだ。

 

コロナをきっかけにホール系会場でアイドル対バンが行われるようになる前、キャパが四桁の会場というのは限られており、たとえば渋谷O-EAST、Zepp Tokyo、Zepp DiverCity Tokyoなどがあって、ギリギリ渋谷DUOや東京キネマ倶楽部なども入ってくるかなといった感じだが、そこで豊洲PITは衝撃的なキャパの多さだった。

 

出演するアイドルというのは、ステージの広さ、フロアの広さの双方から、精神的に潰えること無く、ちゃんとライブで勝負する覚悟のあるアイドル、というのが中心だった。

しかし、コロナの影響で、豊洲PITもまた、ライブハウスとして息を潜めていた。

 

 

 

過去にも参戦したことがあるからこそ、コロナという危機を越えて、感動の再会といった感じなのだ。ただ、前述の通り、アイドル側からすれば、何もコロナ禍で出演する会場の中で格段に広いわけではない。その感覚が違ってくるのである。

 

もっとも、アイドルに限らず、コロナ禍からアイドルファンになった、語弊の無いように丁寧に言えば、コロナが流行し始めた後にアイドルのライブに行くようになった者もまた、ホール系会場が中心である場合だと、豊洲PITで対バン、キャパ検索、で出てくる数字にそれほど衝撃を受けないわけである。それは当然のことだと思う。

 

 

 

実際、全体的な動員としては、知名度の高いアイドルに関しても、それほど目立った動員様相ではなく、かなり控えめな感じではあった。

結局、前述の通り、イベントによって動員がばらけた結果であって、上述をまとめて、最終的に豊洲PIT参戦を決めた者というのは、推しが出るかどうか、これもまた厳密に言えば、ライブを観たいアイドルが(多く)出るかどうか、という判断材料かと。

 

故に、もう先に書いてしまうが、今回の豊洲PITでのガルボム対バン、本当に、各グループで動員差が如実に表れた。推されているアイドルに関しては納得の動員の多さだったし、そうではないアイドル、中にはかつて知名度の高かったアイドルもいるのだが、に関しては、どこかフロアが寂しく思えてしまうような動員様相であった。

 

 

 

すっかり前置きが長くなってしまったので、そろそろ各アイドルについて書き始めるが、ざっくり参戦データをまとめておこう。

出演組数は25組、そのうち実際にライブ観たのは23組。物販回収は計4組。

開演から居たものの、訳あって途中離脱して、会場に居たのは20時5分頃まで。

ということで、会場に居て、かつライブ観てたのは、物販回収なども込みで8時間20分という耐久。そんな久々の体力勝負な対バンの参戦備忘録になる。

 

 

 

 

 

 

 

「01」あげもん!「先に出ておくというのも一つの戦術」11:45~12:05「07」

最終参戦:2021/9/23:『純化爽紡:奇跡的に辿り着いた一つの結論

普通の戦術、いわゆる「定石」ならば、ある程度知名度が上がってから、豊洲PITなどのキャパの大きい会場に出るべきなのだが、前述の通り、もはや今の時代、ライブアイドルは特に苦労せずとも、もとい、知名度を上げずとも、キャパの大きい会場でライブをすることを強いられる。そのため、一言コメントは厳密には改める必要があるのだが、タイテを見てトップバッターで出演することを知った時や、実際にライブして動員が御世辞にも多かったとは言えない現状を痛感した時に、嗚呼やっぱり先を急いでキャパの大きい会場に出るとどうしてもこうなっちゃうよね、と感じてしまうのであった。

ただ、前述の通り、この固定概念は棄てるべきな今日のライブアイドル事情であって、ただ後述のじーくらむに関しては、豊洲PITに出るべくして出た、という印象を受けたので、何も他のホール系会場と全く同一に捉えるのもまた違う気がする。では、どういった位置付けとして豊洲PITというライブ会場を考えるべきなのかというと、個人的には、椅子がフロア全体に無いことによる、昔のようなカオスな活気、たとえばスペースを存分に消費する振りコピやヲタ芸、さらにはピンチケによる戯れなどが実現しやすい、というのがあるが、結局は出演者依存なのであって、やはり知名度が上がってこそ、豊洲PITというライブ会場の真価を活かすためには必要なのだと、改めての議論といった感じだ。

ただ、たとえば両親や友達など、果たして旧来のアイドル現場の活気が一つの存在価値であるライブをこなすアイドルというのは、世間体的な観点で、未だに受け入れられ得るものなのだろうか、というのは今一度考える必要がある。となってくると、哀しいことに、豊洲PITというライブ会場の意義というものが薄まってしまうのである。

とはいえ、今回のような同日に複数の対バンイベントがあるような場合で、かつアフターコロナでアイドルイベント以外にもホール系会場を使いたい業界が無視できないとなると、かつて名の知れていた巨大ライブハウス、として名前が上がってくるはずだ。まあ、前述で挙げたカオス性が無かったとしても、現場の特徴という、より抽象的な議論としては確かに喪われることは無いし、そんなに昔の現場を重ね合わせるべきではないとも思う。

話を戻すと、今回の本アイドルのライブに関してだが、前回も称賛したように、それほど実力の低いものではなく、むしろ疲労感一切無くこなす姿が、今冷静に考えれば、トップバッターにしては実力高過ぎたのでは感すらある。後述ではあるが、実際、持ち時間後半でへばってしまって見苦しい、聴き苦しいライブと化してしまったアイドルはいた。

推し選定としては、前回参戦では赤担当の宮坂を回収したものの、それほど有益な会話ができなかったことから、もしまた物販回収するとしたら別のメンバーになると思う。今のところ、それが決まっていないので、今回は物販はパスという運びとなった。

 

 

 

「02」アイドールBRAVE「振りコピ回避の代表例」12:05~12:25「04」

最終参戦:2020/3/3:『燃酔献身:応援とは支え合うこと

当時はコロナ前ということで、ライブを観る機会もそれなりに多かった気がするのだが、そんな当時でも、前回参戦時だけかもしれないが、かなりキツめの酷評になっている。

今回も正直、そこまで痛烈な言葉を使うつもりはないが、振りコピしててそれほど新鮮味を感じなかったし、純粋に全身久々に音楽に乗せて動かすことが楽しかったぐらいで、何も本アイドルに拘れるポイントは無かった。相変わらずの界隈の存在感で、壇上も共に時代に取り残された感が否めないものの、しかし、仮に彼ら、アイドルファンでなかったとしても時代についてこれていたかというと、果たして断言できるだろうか。

共に時代に抗い、過去の時代特有の趣を表現する存在、と称すれば聞こえは良いだろうか。

 

 

 

「03」蓋然性オルトイズム「特別視無く淡々と振りコピ」12:25~12:45「09」

最終参戦:2021/7/10:該当参戦レポ無し

参戦レポ無いのは、執筆当時、仕事に追われていて、参戦レポを書く暇があるなら自主残業して仕事進めないと、という、かなりダークな理由である。本当に読者には薦めない休日の過ごし方である。ただ、冷静にここ最近の参戦レポ執筆時の背景を思い返してみると、どんなに忙しくても、ブログとして形に残すべきだと感じたライブに関しては、どうにかして時間を作って、もしくは本来の休日の過ごし方として、レポ執筆を行っている。

ということでまとめると、前回参戦した対バンというのは、それほど記録的な価値が無かった、ということになるのかもしれないが、本アイドルに関しては、あの対バンを鮮明に憶えている。落ちで誰も歌わない事態が発生し、これはプロ意識の低さの露呈だと判断して、対バンを途中離脱する立ち回りとなっていた。なんとも冷酷だが。

さすがに今回はそういったことは無く、特に問題の無いままライブが始まって終わった記憶である。ただ、それだけではなく、楽しかったなどの感覚もまま、特別感の無いまま終わってしまったので、観客へのアイドルとしての印象付け、というところが難しいものではあるが、一応課題としては挙げられるだろうか。

ここで「一応」と付け加えているのは、本アイドル、そういった努力は必要無いのではと考えているからだ。ONE to ONE Agency所属、ライブ出演本数は群を抜く多さであって、正直日々のライブをこなすだけでも精一杯だ。かつ、事務所内外含めて既存ファンは十分いるので、新たに工夫するとかの余力やメリットなど合算して、普通に現状維持で戦い続ける、ステージに立ち続ける方がプロデュースとして良い選択なのではと筆者は考える。

 

 

 

「04」純真アムレット「出番順を逆順に活かす秀逸さ」12:50~13:10「05」

最終観賞:2021/10/3:『主体成長:夜明けを告げる人間的な魅力

序盤3組で振りコピ中心に沸いて、さすがに久々の前身を存分に回した振りコピ、プラス秋とは思えない暑さの中会場まで歩いたことも含めて、一旦休憩をと。かつ、フロア後方が地蔵とかはさておき人が増えてきたので、フロア前方で観賞するのも悪くないなと思い、前方に目を凝らすと、なんと一般エリアの最前が端とはいえ空いているじゃないか、と内心歓喜しつつ、出番開始まで埋まらないことをちゃんと確認して移動した。なぜ待ったのかというと、豊洲PITという晴れ晴れしいライブらしいライブ会場、昨今の事務所自体の注目度の上昇もあって、駆け込みで専ヲタの方がそこで観るのではないかと可能性を考えていたからだ。ただ、実際は埋まることが無かったので、移動した次第である。

((まだ出番前でこの分量って正気ですか感。ただ、対バンのこのあたりから観賞の側面でもライブ対峙し始めたってことで今回は特別に書き残した次第))

本事務所の中でも、実力高いメンバーが揃っており、かつ最近女子ファンも動員できるぐらいに層幅広く推されていることから、それほど動員面は嘆くべき状況ではなかったものの、別に豊洲PITじゃなくてもよかったのでは、と思ってしまうようなステージングではあった。一番に勿体ないと感じたのは、ステージを広く使えていないことだった。

もっとも、構成人数が、このライブ時点では実際にステージ立っていたのは五名で、それほど大人数ではないため、仮に幅広くステージ使った場合、間隔がかなり開けてしまい、視覚的な一体感という側面が弱まってしまう。あくまで、フィギュア感のような可愛さで魅せたいというのなら、あれはあれで良かったとは思うものの、やはり前述の通りではある。

ただ、一言コメントでは最終的に称賛に結論づいたことが窺えるが、これは出番順の結果である。調整で分けて同じ組にいたのが、他だとArcJewelの期待の星であるGran☆Ciel、そしてグループとしては比較的息の長いbob up.である。この3組だと、事務所知名度や過去の参戦経験などから考えれば、Ciel称賛一択だったのだが、これが観賞という立ち回りの面白いところか、コロナの影響で各アイドルや事務所工夫を凝らしている結果なのかは定かではないが、予想とは裏腹に、純アムとbob up.の2組が称賛という結果となった。

では、なぜ称賛に結論づいたかというと、「アイドルとは何が求められる職業なのか」というのを、ライブで一つ証明してくれたのが、この2組だと感じたからだ。それは人間味である。個々人に注目した際に、もっと知りたい、もっと会いたい、もっと話したい、と何かしら、観客に関心を持たせられるような、ステージでの存在感、アイドル的なオーラがあるか否かということである。本グループに関しては、歌唱力の高い儚川、要所で魅せてくる白浜など、技術力の高さプラス個々人のオーラを考えて、プロデュースとして、かつ一つのアイドルグループとしての、一つの完成形だと、筆者は考えている。

 

 

 

「05」Gran☆Ciel「見苦しさは同情を誘わない」13:10~13:30「05」

最終参戦:2021/4/4:『戦之覚悟:他78組を差し置いて魅せたメインステージ:弐

前回は新木場参戦、しかも振りコピでの立ち回りということで、何も考えずにひたすら動きを真似して、楽しんだといった感じだ。ただ、振りコピするのなら、豊洲PITとはいえ後方がもっと過疎になった状況でやりたい。Cielのダンスは躍動感強いので、相応なスペースがなければ不完全燃焼に終わるだけだ、という想いもあって観賞継続。

ただ、もう一つの理由としては、ArcJewelという名立たるアイドル事務所、きっとガチの観賞でも実力高く、直前に出たアイドルがどこであれ無条件で魅せてくれると、そしてそこで得るであろう新たな議論観点とは、という期待も込められてのことであった。

しかし、その期待は、ものの数分で打ち砕かれることになった。わずか一分だったかもしれない。それは一曲目、Aメロでの歌い出しのところだ。多々、アイドルのライブを観賞してきたからこそ主張するが、メロディーの開始数秒同様に、歌唱開始数秒も、その持ち時間全体の印象を決定づける肝心な箇所になってくる。今回のライブでは、歌唱初めがあまりにも声量不足で、一気に期待感が消え失せたのを、一晩経った今でも覚えている。

そこから、続く歌唱担当も、Bメロも不十分なままサビへといった感じで、嗚呼、もはや事務所単位で実力議論するのは違うことなのだと再認識させられたのであった。同時に、さて残りの持ち時間どうしようかと悩みながら、正面の音響機材を見つめてみたり、傍目にフロアスタッフの様子を覗いてみたり、など、割と退屈だった。

筆者に限らず、そんなフロアの期待感の低下を感じ取ったのか、二曲目、三曲目と歌唱に若干の力強さが出てきたものの、それは声量として増加した、という意味合いではなく、どこか歌唱に筋が出てきたかのような感じで、簡単に言えば、焦りが表れていた。

トリの楽曲では、その焦燥や緊張がピークに達し、もはや見苦しいステージングであった。そんなライブを終えての簡潔なMCで初めて知ったのだが、なんと前週も同じ豊洲PITに立っていたとのことだ。こうした実力のアイドルが二週連続で豊洲PITという会場に出ること、やはり事務所力あってこそ、今回の巨大ライブハウスへの出演、ガルボムという知名度の高いアイドルイベントへの出演なのだと、決して抗えない力というものを突き付けられたような感覚で、一層と他の幾多の日の目を見ないアイドルへの同情心が強まった。

そもそも、いくら若いとはいえ、長袖衣装でダンスの激しい楽曲を続けるというのは、ライブアイドルの類いでなければまず無理だ、持ち時間フルでスタミナ尽きること無くライブをこなすというのは。故に、もし筆者がプロデュースする立場であれば、衣装を刷新してレッスンを徹底的に積ませてArcJewelとしてのダンス武闘派で売り出すか、それとも楽曲を刷新してダンスの少ない、かつ清楚な女の子らしさで魅せるような楽曲やダンスでイメージ刷新を図りたい。少なくとも、現状維持で明るい未来は見えてこない。

 

 

 

「06」bob up.「巧みなストーリー展開」13:30~13:50「03」

最終参戦:2021/9/12:『蒼録室町:活力を送り返してこそ現場たる所以

前回の参戦では、振りコピ回避というなんとも本アイドルの真価が見えていなかったか、な嘆かわしい感想となってしまっている。これは深くお詫び申し上げたい。

今回のライブでやっと本グループの真価が見えて、結果、本対バン前半12組に限れば、間違い無くMVPに挙げるべきアイドルグループだと強く称賛したい。

何が良かったのかというと、対面ライブ、集客ライブならではの魅力の一つである、現場で魅せてきたのだ。もっとも、古来の観点、たとえば界隈で一体感強く応援できているか、という観点だとしたら、大宮姉妹や蓋然性など、いわゆる昔ながらのアイドルファンが残存している現場であれば、こうした要素は残っている。しかし、ここで「魅力」ではなく「要素」と著しているのは、それが今日のライブアイドル現場の強みだとは考えないからだ。

アフターコロナ、と世間では外出自粛の解放で、どこか陽気なムードが漂っているが、当然かもしれないが、ライブで様々な制限が敷かれていることには変わり無く、決してコロナ前に戻ったわけではない。現場面で、その大きな要素の一つが声援禁止であって、だからこそ仮に一体感強く界隈が応援していたとしても、目を向けなければ気付き得ないし、極端な話、フロアで勝手になんかやっているね、ぐらいで済まされかねない。

ある意味、コロナのおかげでといったら失礼かもしれないが、一体感に拘らずともアイドルのライブを楽しめる時代になったと考えるべきで、その一つの証明が、まさしくbob up.だと筆者は考えている。本現場は、仮に手を振るなど楽曲で観客が反応できるものがあったとしても、決してそれを強いること無く、観ている側に選択を委ねている。かつ、激しい動きを伴う応援無くしても、それが演者にとってマイナスに働いていない様子であった。

ツイートでも残しているが、本現場での最前中央の少年が、強く感動を誘う存在であった。ただ、ライブを見つめる。強く何か物理的に応援無くとも、一番近くでライブを見つめていたいと、その関心の強さをまず称賛すべきであって、加えて、本アイドルの方向性、等身大な少女たちの、過度な王道感無く良い意味で飾らない魅せ方、さらには個々に注目した際に見えてくる実力の高さ、赤担当の谷野は歌詞が明瞭な歌唱で楽曲の筋を為し、ピンク担当の桃瀬は一段と肩の力が抜けたステージング様相でかつ歌唱も遜色なくグループ全体に柔らかな雰囲気を創ってくる、そして水色担当の森宮。彼女の歌唱は別格だった。

出番前半では、それほど歌唱の魅力を前面に出すこと無く、しかし雰囲気で歌えるという、アイドルじゃなくて歌い手でも通用する、観客を惹き付ける歌い方というものが成っていた。さらに、出番後半では声量含め歌唱力強く攻め立てる。あの展開はずるい。

物販回収は、内輪感あって邪魔しちゃいけないと思い断念したものの、逆に、そうした界隈がちゃんとあって推されている。その推されように安心できた点では良かった。

 

 

 

「07」キミのガールフレンド「黄色の海越しに振りコピ突破」13:55~14:15「04」

最終参戦:2020/3/22:『over 1o'clock(): 地下に潜む逸材の行方

物販回収での当時の筆者の稚拙さが思い出されて多少苦々しいが、今回の立ち回りとしては最後方で振りコピ突破。界隈の存在感の強さも含めて、筆者が積極的に参入すべきアイドルではないと感じた。これに関連する議論としては、ヒロインズ所属アイドルのライブを白金高輪SELENEで観た際に、フロアからも感じられた「聖域」の感覚である。

今回は広いフロアだったためにそんな感覚は得られなかったものの、もしかしたら狭い会場であれば同様に感じ得たのかもしれない。参戦レポの執筆一つとっても、やはり深く議論すべきではないと考えるため、短いながらもこの程度で留めることにしよう。

 

 

 

「08」Milky*Sphene「整った高速ダンス展開に驚愕」14:15~14:35「07」NEW!!

普遍的に続いて行く王道アイドルを目指していく、とはまた面白いコンセプトじゃないか。

こういう説明的なコンセプトを打ち出すライブアイドルは稀な記憶だ。

継続、となるとまあ、どういったプロデュース展開、ライブアイドルの観点からすればやはりライブにどの程度出すか、というところになってくるとは思うが、やはりある程度の頻度は欲しい。かつ、ファンを離さないためにも、SHOWROOMなどの恒常的な配信も欲しい。

あとは、何らかの特徴付けがあれば、対初見においても憶えてもらいやすいのだが、まあそれは活動を続けて各個性が解ってきたところで後付けすればいいはずだ。少なくとも、実力面では一言コメントの通りなので、そこは問題無いと結論づけておきたい。

 

 

 

「09」藍色アステリズム「カラフルなフロア展開」14:35~14:55「06」

最終参戦:2021/9/4:『想世原宿:散り際のアスフォデルスの美しさを嘆いて

物販1「ピンク」愛野琴都恵「サインあり2shot」1,500円

どちらかというと実力派よりもライブ活気派、なライブ、というかフロア様相だと思っていたので、純アム以外で藍アスを出演選定したのは本当に強く同意できる。

新規を中心としたファンの多さ、そしてサイリウム率高い現場故に、豊洲PITという会場を上手く活かしてきた印象だ。ステージも広く使えていて素晴らしかった。

当初、純アムで物販回収しようと思っていたものの箱で推せるので唯一選定ができなかったこと、bob up.は素晴らしかったものの物販ブースの雰囲気を阻害せぬように回収断念だったので、この日の物販回収は、開演して既に三時間弱とはいえ、ここが最初であった。

他のアイドルには無いような抜群のアイドル性。推し補正ながらも、今回も回収して正解だったと思える逸材であった。今後もぜひ頑張っていただきたい。

 

 

 

「10」アルテミスの翼「今後の戦術や如何に」15:00~15:20「07」

最終参戦:2021/5/8:該当参戦レポ無し

物販2「ピンク」スーパーゼウス・カレン「サインあり2shot」2,000円

先に言っておこう。話が長くなる。頑張って短く済むように収めたい。

既に対バンも折り返し、多少疲れを感じ始めた頃に、後方に強烈なヲタクが現れた。Tシャツには雷の漢字がかろうじて見えて、サイリウムは陽色系が多かった。

やっと、わかりやすく沸いてくれるヲタクが出てきたか!と半ば歓喜しながら、筆者も安心してサイリウムを燃やすことができた。サイリウムヲタクな立ち回りの初手が偶然、本アイドルの出番だっただけで、メンバーは強いて、交換移籍となった小泉花恋だけ解った。

彼女に関しては、かつてソロアイドルを専念しており、上野を中心にパンダをイメージキャラクター的な感じで細々とこなしていた所感だ。正直、あのままでよかったと思うのだが、彼女は何らかの形でグループアイドルというか、もっと広くアイドル界に貢献したいと思ったのか、今現在、本グループでプレイングマネージャーとして活動するに至っている。

しかし、どうなのだろうか。ソロアイドルとして活動してきた者が、グループ形式のアイドル、しかも方向性が異なるアイドルに、果たして本当に貢献できるのだろうか。むしろ、内輪でわいわいライブするには邪魔な存在となり得ないのだろうか。

と表現するように、前回参戦で感じたが、本アイドルは沸きを誘う楽曲、そしてダンス展開が中心だ。そのため、前回出たのは横浜ランドマークホールだったが、ホール系会場との相性は悪く、スタンディングな筆者も不憫に感じてしまうぐらいだった。

そのため、今回の豊洲PIT出演は大いに納得できるし、今後も可能であれば、フロアに椅子など無いいわゆるライブ会場を中心にライブ出演してほしいのだが、この声に限らず、彼女がプレイングマネージャーとして何か意見を持ったところで、本事務所は本当に意見反映とまではいかなかったとしても、検討してくれるのだろうか。

事務所名で検索してもまともな情報が無かったので周辺事実から探っていくが、キラフォレとの交換移籍からトイプラとは交流が深そうだ。そして、事務所名検索で出てこなかったところから、デジタル的管理面では疎か、もはやブラックな状況とも言える。

となると、過去の悪しきアイドル事務所文化が残存してしまっているように思えてならず、彼女一人、真面目にアイドルとして生きてきた者を台無しにしてしまうのかと、遣り切れない想いで満ちるのであった。撮影待機列の最後尾を示すアー写も画質粗く古いままだったし、床に置かれているほどには物販動員も多くなかったし、未来が見えてこないアイドルグループに対して二千円も払ってチェキを撮った自分が本当に恥ずかしくなってくる。

他のメンバーに関しても、特に推しがいるわけでも、気になるメンバーがいるわけでもないし、現時点では、物販回収を再び行う日が来るとも到底思えないものだ。

 

 

 

「11」Asterisk*zero「記憶が無い…」15:20~15:40「06」

最終参戦:2021/4/4:『戦之覚悟:他78組を差し置いて魅せたメインステージ:壱

前回の参戦レポを見ても、その分量の少なさはどこか納得できてしまう。

確かにダンスは上手かった。観ていて素晴らしいとは思った。

しかし、どう素晴らしかったかというのが、残念ながら思い出せない。

観客の記憶に残るライブを届けるためには、たとえば前述のbob up.のような、何か他に無い、衝撃に近い魅せ方、特徴付けというのが必要になってくるのだろう。

あとは、それほどTLで見掛けることも無いし、グループ名が特異性の低いものであることなど、一応、多々改善すべきポイントは挙げられるものの、そんなに活動の浅いグループではなかったはずなので、今更スタンスを変えるというのもまた難しいと思われる。

 

 

 

「12」大宮I☆DOLL「過去の遺産として」15:40~16:00「04」

最終参戦:2020/3/13:『透白紗雪:返冬前日に舞い降りた天使

昔のように、フロアで熱く沸ける、というのは、どうしても専ヲタと近く応援できる、物理的制限が緩和されてやっと可能だと思うので、豊洲PITというフロアが物理的に一体になり難いライブ会場、そしてアフターコロナとはいえ相変わらず制限の多い今日、変わらぬ方向性で活動を続けること自体も、どこか時代錯誤感が否めない。前述のアイドールBRAVEと同様の議論なので、前述同様、一応需要としてはあるとも言っておきたい。

 

 

 

「13」PinkySpice「こちらも振りコピ突破」16:10~16:30「06」

最終参戦:2021/9/4:『想世原宿:散り際のアスフォデルスの美しさを嘆いて

CDCの中でも、一番ライブ出演が積極的な印象。筆者もこれで三度目の参戦になる。

ダンス志向なアイドルなので、豊洲PITという広い会場で存分に振りコピできたのは本当に楽しかった。かつ、こちらもステージを広く使えていて好印象だ。

それにしても、今回の対バンが重要ライブと言っていたかどうかは不明だが、わかりやすいほどに動員の多さ、しかも各専ヲタが士気高く参戦されていたのは素晴らしかった。

かつ、旧い感じも無く、今の時代に合っていながらも、使命感を以て推しを応援する。その融合というのが、なんとも奇跡的のように感じる。今後もっとライブで観るようになれば、そろそろ推しメンを決めないとと、良い意味で焦りを感じる筆者であった。

 

 

 

「14」じーくらむ!「再参戦の欲求の原点とは」16:30~16:50「06」

最終参戦:2021/9/12:『蒼録室町:活力を送り返してこそ現場たる所以

物販3「紫」紫吹あや「サインあり2shot」1,500円

そりゃあ一ヶ月も経たないうちに再参戦したら、何も新鮮味とかあるわけじゃないし、マンネリと対峙せざるを得ないのは当たり前じゃないか、と思ったのだが、じゃあ前述のbob up.に関してはどう説明すればいいんだと反論できてしまう。

これが本当に、ライブアイドルの難しいところで、上には上がいるのだ、どんなに頑張ったとしても。それは歌唱力やダンス力などの実力面、個性やスター性などアイドルという芸能面、さらには自己プロデュース力などの戦術面もあって、これらは複雑に絡み合ってどうしても全てで完璧なアイドルというのは、根本が人間であるために存在し得ないのだが、今回言いたいのはこれとは違って、またライブを観たい、参戦したい、と思わせるようなライブや現場が創れているか、という、もっと根本的な話である。

ただ、これに早々に異を唱えたいのは、何も全てのアイドルファンが、ライブや現場を再参戦の理由に据えているとは限らないことである。要は、昔AKB48が銘打っていたような、会いに行けるアイドルで、頻度高く対バンに出演するというものだ。なお、ここでONE to ONE Agencyが真っ先に挙げられるかもしれないが、あそこはレッスンではなくライブ本番で場数を重ねることでステージングの経験を積むというライブ主体の戦術を組んでいるので、接触重視としてはFreeKを挙げるべきだ。なぜなら、こちらは大半の内輪イベントが無銭だからだ。しかしこちらも考えを改めるべきで、ステージング改善に舵を切っているようなメンバー様相なので、少なくともライブを度外視しているわけではない。

そんなことを言ったら、本アイドルだってライブを建前なんぞに据えているわけではないのだが、口先に限らず、ライブで証明してほしい。少なくとも今回のライブ、豊洲PITという会場に出るにあたっての本気度が感じられなかった。

まあ、本記事冒頭で議論したように、もはや豊洲PITの会場はキャパ的には大きくもなんともないし、他のアイドル対バンと同様に出るというのも別に悪くはないのだが、ただ、このライブ会場に何らかの特別感を抱き、イベントに出させてもらえることに深く悦びを抱き、本気でぶつかってくるアイドルは、本対バンに限っても確かに存在した。

と記してしまうような筆者なので、端的に言えば、筆者と本アイドルの相性は良くないのだと客観視する。まだ物販回収も数回程度だし、物販の観点での推しから外すことはそう問題無いことなのでは、と改めて今回のライブを振り返って思うところだ。

 

 

 

「15」アフィシャナドゥ「完全に予想外の開拓」16:50~17:10「07」NEW!!

物販4「白」大川莉央「サインあり2shot」2,000円

初めに大事なことなので書いておくと、本グループに関しては、全くの初見だった。グループ名すら聞いたことが無かった。にも関わらず、奇跡的な物販開拓。

そのきっかけの一つとして、ライブを初めに説明する必要がある。タイテ的には、じーくらむで一応推しいるし全力で沸いたし休もうと思って最前に移動して観賞、したのだが、それを後悔したくなるほどに、ダンスが綺麗に揃っていたのだ。しかもそれほどスローテンポでもなく。これ絶対振りコピしたら楽しそうだなとも思いながら、初見だし情報収集に努めようと専念していると、ふと気になったメンバーとして青担当が映った。青担当らしい落ち着いた美しさがあって、過去にシスあにで強く推したメンバーに近い感覚を覚えていた。

ライブは続いて、グループ全体としては、配色に見合ったかつスタイルの良い綺麗なメンバーが多いと思いつつ、ダンスを追っていると、ふと、白担当のメンバーが目に入った。顔は小さいしスタイルも申し分ないし、それに白配色と合致する髪型や良い意味で力みないパフォーマンス展開、これはまさにラストアイドルの阿部菜々実さんを彷彿とさせるステージングじゃないか、と深く感動し、せっかくだし、すごい似てると思って来ちゃいました!的な感じで開拓するのも悪くないな、総合的に素晴らしいパフォーマンスだったし、ということで、急遽物販ブースに足を運んだのであった。

購入前に急いでTwitterを確認して、名前ぐらいは覚えておこう、ということで検索すると、大川莉央…、いや待てよ、どこかで聞いたことあるな、と思いつつチェキ券購入して待機列へ。待っている間にGoogle検索かけてみると、元AKB48、15期生ということで、金槌で頭を殴られたような感覚に陥った。マジか、なんて懐かしいアイドルなんだ、と感慨深く思いながら、待てよそれってキラフォレでも真姫宝が、ということでツイート見てみると、偶然なのかこの前日に一緒に撮影していた。えぇー待ってマジで何話そう、と完全にはまとまらない中、順番が来たので撮影へ。

元かよよん推しでした!という入りから話し始めて、今日はどこを見に来たんですか?と訊かれて、特に無いです!豊洲PITが好きなので!と嘘偽り無く返したところ、会場が好きなパターンもあるのね、といった感じで良いリアクションいただけました。感謝。

あとは、15期生で懸念していた、現在メンバーが散り散りになった状況で、あの仲の良さが続いているのかなと訊いたところ、最近でもマメに連絡とっているみたいで一安心。ぐぐたすでよく確認してました、で、ぐぐたすとか懐かしいなという返し。これも感謝。

最後に、今はライブアイドルとしてどうですか、という質問には、「楽しい」と第一声に聞けて、これも本当に安心した。よかった。場数多く重ねたいアイドルが、場所を変えたとしてもアイドルとして生き続けられている。これ以上の幸せは無い。

 

 

 

「16」欲バリセンセーション「過去の輝きを胸に刻んで」17:15~17:35「04」NEW!!

本当に、強がりセンセーションの現場が好きだった。

当時、ある程度ライブアイドルに知見が深まってきて、目に映るライブ、そして現場が多く真新しく映っていた。その中でも、強センは印象的で、ライブは激しく陽なイメージの楽曲を中心にエモく、そして現場は活気強くありながらも、多少カオス性があって、初めは正直危険な感じもしたけど、慣れてくると、対バンセトリを見ただけでもワクワクするような、気付けば推しているとも言えるほどには好きなアイドルグループだった。

しかし、人気の強いメンバーの卒業などから次第に活動規模を狭めていき、解散という運びになった。スキャンダルというわけではなかったがどこか悲劇的にすら思える終わり方で、もうあの楽曲は聴けないものかと、そう諦めていた矢先。

「後半戦も盛り上がっていきましょう!続いて、聴いてください。『#夢の続き』」

歓喜を意味する高らかな手拍子は、気付けば虚しく一人だった。

もう、当時のように沸く者は、決して本現場には存在しないのだと。淡々と応援をこなす者たちを見つつ、しかしなぜだか負の感情は湧いてこなかった。

そうだよね、もうとっくに昔のことだよね、ああいった現場が許されていたのは。

懐かしく振り返りながらも、そう想いを馳せて応援するのは、きっとこれが最後になるだろう、と覚悟して、全力で対峙を終えて、トリ曲を待たずしてフロアを去っていた。

「夢みる乙女の妄想だっていいじゃない 信じた道を自分なりに駆け抜けよう

 迷子になったら遠回りでいいよね いま踏み出すよ 私ならできるから」

 

 

 

「17」YURiMental「何度目の振りコピ突破か」17:35~17:55「05」

最終参戦:2021/9/12:『蒼録室町:活力を送り返してこそ現場たる所以

前述のPinkySpice同様、ダンスが難しいことは参戦前からわかっていたので、豊洲PITという会場を活かしたいという想いから、振りコピに集中するスタイル。

かつ、物販回収は回避。ライブ中に振りコピなどと常軌を逸した立ち回りをする者は好まれない様子だと、前回の回収時に感じたので。そんなこと言ったら、大半のアイドル運営はそうなのかもしれない。そりゃあ、現場で広々と踊っている荒くれ者よりかは、静かに黙ってたくさん金落としてくれるヲタクの方が喜ばれるのは当然だろう。

愛されるアイドルとは何ぞや。最近、愛がなんだとかわからなくなっている筆者なので、仮に議論したところで不毛だろう。いずれにしろ、各運営、それぞれのスタンスで戦術展開して、アイドル界全体が繁栄していけば、それに越したことはない。

 

 

 

「18」シークレットシャノワール「研究観点での振りコピ」17:55~18:15「03」NEW!!

なかなかに異質な一言コメントに化しているが、まあ、額面通りだ。

たとえば、拳を時計方向に大きく一回転させる、という振りにしても、物理的に言えば、開始位置、スピード、描く円は正円か楕円か、そして終点で拳を維持させるか一気に開くかカノン的に開くか、などなど、これだけでも数多いが、そこにステージの場合だと、下半身や表情なども勘案する必要があって、その一つの正解を決めるにあたって、曲調や衣装などが材料になってくるわけだ。もはやこの日に限っても、様々な方向性のアイドルを振りコピしていたので、純粋に動きを真似るのは造作もないことで、それだけだと退屈だったので、研究という観点で、アレンジや一旦振り返って真似し直すなどで楽しんでいた。

なお、所属事務所に関しては、ガールズプロジェクトと銘打っているのはJuliaHouseになるが、株式会社としてはライム・ライトになる。公式サイトを見て驚愕したのだが、肉フェスやガルボムなどのイベント主催だけでなく、ツイボやDAIAなどのライブハウスもいくつか自社運営しているようだ。当然、プロデュースの各種要素や寮などのケアも完備であって、まあ、確かに素晴らしいは素晴らしいが、もし結婚して子供ができて、子供がアイドルになりたい!と言ってこちらの事務所を提示してきても、二つ返事でOKとはしたくない。

純粋に場数重ねたいのなら別の事務所を薦めたいし、とはいえアイドルらしい偶像感とか最低限の活動が担保されているのは否めない事実なので、そういったアイドルになりたいとか、あとは強く憧れを抱くメンバーがいたら、とかで折り合うことになるかと。

 

 

 

「19」放課後プリンセス「懐かしいのは楽曲に限らず」18:20~18:40「07」

最終参戦:2020/8/1:『堕落的勝算:静に表れる活気を以て

前回参戦したのは、やっと集客ライブが再開し始めて、大型イベントもどうにか開催でき始めた頃であって、ある意味、兆しを象徴する対バンだった。

そして今回、もはや偶然と呼んでも過言でないほどに、コロナの新規感染者数が減少し、世間レベルでの安堵が生まれ始めた、いわゆるアフターコロナ一発目の参戦であって、これも時代の転換を象徴する、参戦タイミングだったと、感慨深く感じられる。

ただ、それはあくまで、執筆現在、前回の参戦レポを見返した結果の感想であって、この参戦時点では、ガルボムならではの懐かしい顔ぶれの一組である、放プリのライブ、音楽で、しかもホール系ではなくライブハウスな会場で沸けたこと、本当に昔、現場で沸いていたあの輝きが蘇ったかのような感覚を抱いた。決して、筆者一人に限らず。

フロア全体としても、明らかにアイドルファンとして玄人な者が多く、特にフロア後方は文句なしの少数精鋭なレベル高い活気であった。もはや筆者が沸き目立ちするぐらいに思わずはしゃいでしまったものの、いつだって若々しい筆者を暖かく包んでくれるような、そんな器の大きさもまた、本現場の一魅力として変わらない様子だったと、改めて称賛したい。

 

 

 

「20」Chu-Z「極限:鬼の追い込み」18:40~19:00「06」

最終参戦:2019/9/7:『不屈王道:高スキル呪文の明唱

参戦レポは既に二年以上前のものだが、筆者個人の感覚としては、コロナで息を潜めていたアイドルグループである。待ちに待って、やっと復活の日が来た、のか事実なのかは置いといて、ガルボムで久々に沸けたのは、本当に感慨深かった。

筆者が参戦レポ執筆含め、アイドルに対してアイドルファンらしからぬ向き合い方をし始めたのはそれほど最近のことではなく、具体的には前回参戦の二年以上前は少なくとも分析を既に始めていた。そんな考察込みでアイドルを愛する、以前のライブが楽しいからとか、純粋にアイドルが好きだから、といった、原点を思い出させてくれる。彼女たちは、そんなアイドルグループの位置付けで、なんだか一気に少年時代に戻った感覚だった。

 

 

 

「21」ワンダーウィード天「不遇な出番順」19:00~19:20「05」NEW!!

自分でもびっくりしたが、「天」が付いてからで参戦したのは、どうやら今回が初めてらしい。沸いた記憶があった気がしたものの…、記憶違いか…。。。

セトリ4曲中、2曲が聴き覚え、というか沸き覚えあって、特に万事休すに関しては全力で沸きにいくスタイル。もはや専ヲタを超えるような狂気の沙汰レベルでの沸きっぷりだったので、ここで大幅に体力消費。まあ、久々の豊洲PITだったし、それに椅子無しで完全スタンディングだったし。はしゃいじゃっても特に後悔は無かった。

前述の放プリやChu-Zのように、今回の対バンの終盤、一部を除いて懐かしいライブアイドルが続いた。そして、全身で応えることで、純粋にアイドルのライブで楽しむという一つの原点回帰を得た。これに対する感謝の想いを伝えてもいいのではないか、という衝動から、メンバーが入れ替わっての物販開拓を行おうと思い立った。

のだが、結局、チェキ撮影には至らなかった。今回のライブでは、指名入場で集合写メがあったのだが、これを物販開始時に捌くといった感じで、想像以上に時間がかかっていた。まあ場内に戻ったところで、満身創痍だし、通夜的フロアを沸かすような体力も残っていないし、ということで突っ立って待ち続けていた。

しかし、トゥラブの出番も終わり、elsyの出番が来た。elsy、普段からライブ重ねているとはいえ、豊洲PITという巨大ライブハウス、果たしてどんなステージングを魅せてくるのだろうか、そして彼女たちの現状は、と気になってしまった。

フロアに戻って感動に浸り、物販ブースに戻って暫し。見知った若者に満面の笑み。これを超える表情は引き出せないと思い、静かに会場を後にしたのであった。

 

 

 

「22」2o Love to Sweet Bullet「論外な現場活気」19:25~19:45「04」

最終参戦:2020/2/11:『輝々聖舞:表現者というアイドルの原義

あれから既に一年半経ってしまった。ちょうどコロナの期間といった感じだが、振り返れば、このコロナというのは、ライブアイドルに大きな影響を与えた。

まずはライブハウスが全面的に休業し、各アイドルの活動の軸関係無く、享楽自粛とまでの過度な制限ムードも合わさって、アイドルは窮地に立たされた。

しかし、アイドルとファンという、人間対人間の特別な関係性、この魅力を喪わせまいと各方面強く尽力し、どうにか配信ライブを始められるぐらいには、ライブハウスを開けたり捨て身でアイドルがステージに立ったりなどと改善に向かい始めた。

そして、コロナウイルスに関して様々なことが解り始めてから、集客ライブも徐々に再開し、ちょうど一年前あたりから大きめのアイドル対バンに関しても粛々と再開に至った。

ただ、ライブ本数としては依然少ない状況が続き、アイドルを辞める者も後を絶たなかった。しかし、ここで逆に、アイドル界に勝機を見出し、コロナ禍でもエンターテインメントの魅力を発信する、人々に元気や笑顔を与える存在として、アイドルを始める者が、まだ当時は少数ではあったが確かに存在していた。では、こうしたアイドル界の変化に対して、私ができることは何だろうか、そう考えた結果、変わらずにアイドル界と向き合い続け、情報を一ファンとして発信し続ける。これを真面目に続けようと考え、今日に至っている。

気付けば、座っていながらでも楽しめるライブ、特に応援無くしても堪能できるライブを目指すアイドルが増え、新しいアイドルはその方面でのコンセプト展開、そうでない古参アイドルは実力志向の楽曲も加えての展開、といった感じで、各アイドル、そして各事務所、必死に生きて、やっと夜明けが見え始めて、ライブ本数が増え始めて、そして今年10月頭、緊急事態宣言、蔓延防止等重点措置、共に全面解除に至り、かつてのイベント本数にまでアイドル界は活動面でも、どうにか復活したのではと、この一年半を振り返るところだ。

今回の対バンは、そんな「兆し」を象徴させるようなイベントの位置付けなのであって、長らく息を潜めていたライブハウスでの久々の対バンライブ、ということで、コロナ禍で活動を始めたアイドルはさておき、そうではないアイドルに関しては、この豊洲PITでライブをするということの意味を理解している。そう期待してしまっていた。

実際には、新規か専ヲタか関係無く、フロアを十分には盛り上げられていない実力を目の当たりにしてしまった。Twitterでは頑張っているアピールできっと大丈夫だろうと安心していたのも、ただの夢物語だったのだと、深く自責の念に駆られるのであった。

 

 

 

「23」elsy「満を持して巨箱出演」19:45~20:05「04」

最終参戦:2021/9/12:『蒼録室町:活力を送り返してこそ現場たる所以

旧体制含めれば、本当に毛色の違うアイドルグループになったものだと、ここ最近、そして旧体制を思い返して、しみじみ感じるところだ。とはいえ、まさか今日ほどの実力を有することになるとは思ってもいなかった。あくまで、実力志向もどき、で終わると思っていた。

しかし、現体制の四名、総じて実力面でも魅力的であって、圧倒的な歌唱力の高さ、そしてそこにそれぞれで個性がプラスされて、プロデュース側としては、どの歌割りで誰を起用するのかという手腕が問われるものだ。さらには、観客が増えていって、緊張などのステージング影響も勘案して、とまで考えると、現時点での采配というのが、一つの答えなのではないかと、筆者はつい深く考えてしまうのである。それほどに、豊洲PITという会場と全力で向き合い、惜しみ無くパフォーマンスを発揮したアイドルであった。

本対バン振り返れば、他22組、様々な理由で対バン出演していたものだ。特に多かったのが、主催故に出演、といった感じで、レッスンなどは積んでいるだろうが、場数の観点からすれば、と一昔前の筆者なら頭ごなしに決めつけてしまうものだが、実際は各グループ、努力の差なのかなんなのか、明暗が分かれたといった感じであった。

本アイドルに関しては、少なくとも言えるのは、本イベントの主催事務所所属ではない。だからこそ、出演に至ったのはどこか奇跡のように感じるが、しかし一方で、実力志向で今日までライブを重ねて、やっとの巨大ライブハウスでのライブ、という、地道な積み重ねだと思えてならない。それにしても、なぜこれほどにelsyに想い入れが強くなったのかは、正直筆者自身、よくわからない。ただ、回数が多いかはさておき、なんだかんだで長く見ているアイドルグループ、そして最近特にステージング改善が目覚ましいということで、その純粋な成長、飛躍というものが、どう豊洲PITの会場に映るのか。その興味であった。

特に感慨深かったのは二曲目だった。比較的、落ち着いた楽曲で、どう仕上げてくるのか、ちゃんと高音は問題無いか、歌詞が詰まりはしないか、フォーメーション間違えてしまわないか、など、大きなステージだからこそ、観ている人も多い、ミスはできない、などと、筆者もまた一種のプレッシャーを感じ乍ら、一つ一つ、祈るようにライブを観ていた。

気付けば既にトリ楽曲で、最後には昔と変わらず明るく突破する。なんて贅沢なライブだったんだろうと深く感謝しつつ、一層と今後への期待感が強まるライブであった。(19889字)

 

 

 

 

 

 

日時:2021年10月9日(土)、11時45分~20時05分(実参戦のみ)

会場:豊洲PIT

タイトル:Girl’s Bomb!! 〜秋の収穫祭 後編〜

出演組数:23組(実参戦のみ)

出演者数:124名(実参戦のみ)