こんな日はつい思い出す

 

平日なのに渋滞している道路

なにか事故でもあったのかしら

いつもはすいてる道なのに・・・・

 

 

 

 

そう数十年前

 

 

 

ある日の給料日 ちょっとはりこんで

最近人気のイタリアンにランチに出かけた日のこと

 

 

 

いつもの3人組ではなく

ひとり彼女だけ「今日はよしとくわ」と

 

 

おかしいなぁ イタリアンには目がないはずなのに

もう一人の子とそんな話をして会計へと席を立った

 

 

 

 

すると窓際には彼が座ってた

 

 

 

 

声をかけようと近づくと

テーブルの上には赤いバラとビロードの箱に入った指輪が見えた

向かいの席には「今日はよしとくわ」と言ってた彼女が座っている

 

彼女は嬉しそうに笑いうっすらと涙を浮かべていた

 

 

 

え? なぜ? どうして?

 

立ち尽くす私に 早く会計をと促す店員

 

 

 

 

私はその後しばらく 引きこもって泣いて過ごしていた

 

 

 

 

気が付くと彼と彼女は事故で帰らぬ人となってしまっていた

 

 

 

 

 

迂回のつもりで通った道は

あの時のレストランのある通り

 

あのレストランはすでに閉店してしまい

別のお店になっていた