告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)
湊 かなえ
双葉社
売り上げランキング: 60

松たか子主演の映画で話題になった小説。


女教師が愛娘を担任を持つクラスの生徒に殺され、そのことをクラスの生徒全員の前で話し始めるところから1章が始まる。

全6章からなり、各章毎に登場人物1人が語りかけるような構成になっている。

特に、女教師が生徒の前で、自分の娘が殺されたことを淡々と告白する1章は秀逸である。

最初の数行で引き込まれ一気に読んでしまった。


この「告白」という作品は賛否両論で、批判的な意見が多く見られる。

HIVの扱い方などである。

これは読み手側の問題である。私は医療従事者なのである程度知識があるつもりだが、とくに問題はないと思った。

「HIV患者のことを考えていない」などと声を上げて言う人のほうがHIVに偏見があるのではないだろうか。


著者はこの小説を通じて何か世間に訴えたいもの(少年法など)があるということではないと思う。

単に読んでいる最中のゾクゾク感、読後感の悪さや救いようのなささえも楽しむ作品である。


小説として面白い。一読の価値あり。


枕女優 (河出文庫)
枕女優 (河出文庫)
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新堂 冬樹
河出書房新社
売り上げランキング: 33958

タイトルと帯を見て購入。


タイトルは水商売で使われる「枕営業」と「女優」を合わせた造語。つまり、枕営業をする女優の話ということである。

著者は芸能プロダクションの社長で、帯には「芸能界騒然の問題作」などと書かれていたため、かなりの暴露が書かれていると思ったが…


特に衝撃を受けるような内容ではなく、物足りなさを感じた。

芸能ゴシップ記事にあるようなレベルの話であり、著者ならではの芸能界のリアルをもっと描いて欲しかった。


所々出てくる様々な登場人物の話をどうまとめてくるかは気になっていたので、そこは納得。


ゴシップ記事を普段読まない人には多少刺激があるかもしれない。

週間芸能雑誌を読む感覚くらいで読むといいだろう。

拝金
拝金
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堀江 貴文
徳間書店
売り上げランキング: 59

元ライブドア社長、ホリエモンこと堀江貴文の小説デビュー作。

ネットで何かと話題になっていたので購入。

表紙は「ブラックジャックによろしく」シリーズなどの佐藤秀峰によるもの。

サイズといい、デザインといい、漫画と一緒に置きたくなる。


タイトルの「拝金」は、ホリエモンに対する世間のイメージと合っているのではないだろうか。

堀江貴文といえば、かの有名なライブドア事件の当事者である。


小説の内容は、フリーターの「優作」が「おっさん」という実業家に出会うことで、実業家の道を歩みITの世界で成功を収める。しかし…


という話である。

ライブドア事件を彷彿させるような内容になっており、フィクションとノンフィクションの狭間を行き来する感じが面白い。そして、そのバランスが秀逸である。

「欲」に対する描写が細かく、著者の体験を追体験できるようになっている。


まわりくどい表現が一切なく、一気に読まされた作品。

自分も何か始めたくなるような感覚にさせられた小説である。




7日間で人生を変える旅
7日間で人生を変える旅
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A-Works
A-Works
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誕生日に友人から頂いた本。

海外旅行はそんなに行ったことがないが、海外はとても興味があるのでワクワクしながら読んだ。


内容は、自由人、高橋歩をはじめとした、世界中を飛び回っている旅人たちや、旅行会社、現地ガイドなどに「人生を変える旅と聞いて思いつく旅は何?ただし7日間で行ける旅ね!」と聞きまくって、集まった旅の中から26箇所に厳選した旅ガイド本である。


なので、基本的に刺激的な旅が多かった。


最も印象に残った旅は、バーニングマンというアメリカ・ネバダ州の砂漠で行われるフェスだ。

どのようなフェスかというと、簡単に言うと超巨大ファンキー芸術祭である。そこにいるすべての人が表現者であり、巨大オブジェや奇抜なアート作品、音楽、パフォーマンス、コスプレ(亀甲縛りで佇む日本人女性なんかもいるらしい…)など、とにかくなんでもありなのである。

フェスの写真が数枚あるのだが、ホントにファンキーだ…しかし美しい!

期間中の参加者は5万人で、砂漠のど真ん中に1週間限定で突如街が現れたような状態になるらしい。

1週間ぶっ通しで行われ砂漠でなにもないため、各自テントやキャンピングカーなどで寝所を作り、水や食料も自分たちで用意しなければならない。

しかも、エリア内では貨幣経済が存在してなく、お金での売買が一切禁じられているということ。

かなり過酷な旅になりそうだが、既成概念は吹っ飛びそうである。

ちなみに旅の金額は5泊7日で14万円~。

気になる方は行ってみてはどうだろう?感想を伺ってみたい。


このように、行けば人生が変わりそうな旅があと25箇所掲載してある。

読めば2~3箇所くらいは行きたいことが見つかると思う。私も行きたいところが見つかった。

しかも7日間で行けるので、会社勤めでも頑張れば可能である。


単純に読むだけでも楽しめる本。刺激が欲しい人にオススメ。


みなさんは人生が変わる旅をしたことあるでしょうか?



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