「試験にでる英単語」

試験にでる英単語―耳から覚える

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森 一郎
青春出版社
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今回は書評といより本の紹介という感じ。

「試験にでる英単語」は１９６７年に発売された大学受験向けの英単語集である。

「しけ単」や「でる単」と呼ばれ、ベストセラーの本だ。

これを受験のときに使ったという人や今使っているという人も多いのではないだろうか。

著者は英語教師で、当時受験に必要な英単語は１万語と言われていたが、多すぎるということで１２７４語に絞り込んだのである。

１つの単語に１つの和訳で、覚えやすく、効率的に覚えられる。

また、単語をＡＢＣ順ではなく出る順にした初めての本でもある。

ちなみに最初の単語は「intellect」（知性）

１９６７年以降ほぼ変わっていなくて、１９７５年に時事的な単語が６語追加されただけである。

この本は有名なので、試験問題を作るときに、わざと載っていない単語で問題を作るのでは？と思うのだが、この本に載っている単語以外で作ろうとしても英文が作れないということ。

最近では受験生だけではなく、サラリーマンの購入が増えている。

仕事で英語の文章を読むときに絶対に使う単語が載っており、効率よく覚えられるということかららしい。

４０年以上前に作られた本が、ほとんど変わることなく現在でも売れ続けているということに驚くとともに、この本のできの良さを物語っている。

「夜明けの街で」

夜明けの街で (角川文庫)

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東野 圭吾
角川書店(角川グループパブリッシング) (2010-07-24)
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建設会社に勤める渡部は、不倫をする奴なんて馬鹿だと思っていた。

しかし、派遣社員の中西秋葉と不倫の恋に墜ちてしまう。

2人の仲が深まっていく中、秋葉は複雑な事情を抱えていた。

それは15年前、父の愛人が殺される事件が起こり、秋葉はその容疑者とされているのだ。

彼女は犯人なのか？その事件はまもなく時効を迎えようとしていた…

読み終わった感想としては、「怖い」その一言に尽きる。

わかる人には、身に染みてわかるハズ。

不倫をする人の心情をリアルに描写している。

結末も東野圭吾っぽい終わり方で面白かった。

ミステリーというよりも渡部の心理描写が秀逸である。

「東京島」

東京島 (新潮文庫)

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桐野 夏生
新潮社
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「アナタハン島事件」を題材にし、現代風にアレンジした桐野夏生の小説である。

「アナタハン島事件」とは、1945年から1950年にかけて太平洋の孤島アナタハン島で発生した、多くの謎が残る大量死事件である。

主人公の清子は夫との世界一周クルーズの最中に嵐にあって数日間漂流し無人島に流れ着く。

それから三ヵ月後、23人もの日本人の若者が流れ着いた。その後中国人も流れ着き、無人島に合計32人（男31人、女1人）という状況になる。

日本人たちは無人島をトウキョウと呼び、ブクロ、ジュク、シブヤなどと名付けた集落でそれぞれ生活し始める。

また、主人公に引けをとらない登場人物として挙げられるのが「ワタナベ」だろう。ワタナベは、放射性廃棄物と噂されているドラム缶が多数あるトーカイムラと呼ばれる浜に一人で生活している。

無人島に女性一人という状況から、女をめぐる争いや性描写が期待されるが、性描写というより生描写。つまり極限状態に置かれた人間の心理や行動を描写している作品である。

また、日本人とホンコンと呼ばれる中国人との対比から、現在の日本と中国の構図が見てとれる。

まぁ何と言ってもやはり「清子」と「ワタナベ」の変化を楽しんで欲しい。

「アマルフィ」

アマルフィ 女神の報酬 スタンダード・エディション [DVD]

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ポニーキャニオン (2010-01-01)
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初の映画感想。第１作目は「アマルフィ」

舞台はイタリア。

イタリアは旅行で行ったことがあり、私の思い出の地でもある。

アマルフィはイタリア南西にある美しい港町だ。

キャストは、織田裕二、天海祐希、戸田恵梨香、佐藤浩市、福山雅治とかなり豪華。

外交官の織田裕二がテロから日本人を守るためにローマに派遣される。

時を同じくしてイタリアを訪れていた天海祐希とその娘。

天海祐希が目を放した隙に娘が誘拐され、織田裕二がその事件に巻き込まれ犯人を追うことになる。

犯人になかなか辿り着けないという状況が続くが、犯人には他に目的があることを知ることとなる…

全体としてはわかり易いサスペンスに仕上がっている。中盤まで犯人が全くつかめないところはハラハラし楽しめた。

映画の内容もさることながら、ローマやアマルフィの風景は非常に美しい。

また、サラブライトマンの「タイムトゥセイグッバイ」の歌声もすばらしく、

それだけでも見る価値のある映画である。

「その科学が成功を決める」

その科学が成功を決める

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リチャード・ワイズマン
文藝春秋
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タイトルを見ると、またありがちな自己啓発本かと一見思ってしまうが、これはそれらと一線を画するものであった。

いままで読んだ自己啓発本の中ではNo.1の本だ。

自己啓発や人間心理で広く信じられているものを科学的実験でその真偽を実証しているのである。

原題は「59 Seconds」で、科学的裏づけがあってしかも一分以内にできることとして書かれている。

目次を見ただけでもすぐに読みたくなるものばかりだ。

いくつか挙げてみると、

・「自己啓発」はあなたを不幸にする！

・「面接マニュアル」は役立たずだった！

・イメージトレーニングは逆効果

・婚活サイトに騙されるな

・ストレス解消法のウソ

・離婚の危機に瀕しているあなたに

・「ほめる教育」の落とし穴

などである。

面接マニュアルの章は、現在就活中の方などこれから面接を受ける人は必見である。

少し頭に入れておくだけでもかなり違ってくるだろう。

婚活サイトの章は、いま彼氏彼女が欲しい方は実践してみることをオススメする。

ほめる教育の章では、子供のほめ方や教育においてTVでよく見るあの方法（ある音楽を聴かせると知能が向上する）についても実験しており、もはや神話だと言い切っている。

そのほかにも各章で様々な検証がしてあり、読んだらすぐ友人に話したくなるようなネタが満載なのである。

（財布をなくしたときもどってくる割合を三割増やす方法、指で性格を見分ける、などなど）

これまで自己啓発本を多数読んできて、あまり効果が得られなかった方には特にオススメである。