青空イーザッカマニア
webとリアルで店舗を構える私たちがずっとやりたかったことがある。
それが『移動販売』。
最初はとっても小さな妄想だった。
社用車のハイエースにハンガーラックを数本つめて、
小さなキャンプ用のテーブルや椅子やタープをつめて、
そしてもちろん私たちの商品をつめて。
北は北海道から南は沖縄までキャンプしながら行く先々でお店を開いて行脚する。
私は運転免許はもっていないので、運転は浅野がして、私は歌をうたったり浅野をたまに励ましたりしながらわいわいと移動していく店舗。
いつだったか、お酒を飲んだときだったのかコーラを飲みながらだったのか覚えていないが、ふたりして妄想がとまらなくなったのを覚えている。
私たちの妄想はとてもとても楽しく、そしてとてもとても細かなものだった。
妄想だったそれは、
想像もできなかった形で
考えもしなかったくらい遠い場所で
今日
妄想から現実になるのだ。
波照間島でテンション高めの女子をつくる
青空イーザッカマニアが開店する。
どこからが海でどこからが空なのかがわからなくなるくらいに青い海と空が広がる真っ白な砂浜で。
お店を一緒にやってくれるマヤちゃんには、青い海に映える綺麗な小花柄のワンピースをスタイリング。
『マヤ』と名前がはいった名札を胸につけて。
イーザッカマニアのお客様だったマヤちゃんは青空イーザッカマニアのスタッフになった。
島の公民館で借りてきた運動会で使うようなテントの下に、公民館で借りてきたテーブルを並べて、その上に商品を並べ石垣島のホームセンターで買ってきたラックに商品をかけた。
テントの梁に商品をディスプレイして、スタッフたちが作ってくれたガーランドをテントの軒下に飾る。
まぁ、綺麗にかわいくディスプレイしたハンギングした商品は全部海からの風でぎゅっとなってしまったわけなのだが(笑)
私たちのやりたかった『移動販売』の記念すべき第一回目はこんな感じで幕をあけた。
▼マヤちゃんが作ってくれたチラシ
期待やら不安やらをたくさん背負ってここにたどりついたわけなのだから、アツいものがこみ上げてくるかしらとおもっていたのだが、いざ開店してみるとちょっと違っていて。
「さあ、いらっしゃい」
という気持ちと、
「きてくださってありがとうございます!」
という気持ちでいっぱいで、なんていうか、普段お店や催事なんかでお客様とお話するのとそんなに変わらんもんだな、なんていう風に思っていた。
だからここが波照間島なんだっていうことを時々忘れてしまいそうになるんだけど、お会計のために砂浜からちょっと登ったところにある東屋にいって海の方を眺めると、そこにはとっても不思議な空間がひろがっていた。
目の前には真っ青な海と空が広がっていて、真っ白な砂浜は当たり前だけれども海の底にずっとつながっている。ただ、海の水が透きとおりすぎているから、その境目がわからないくらいな感じだった。
だからからか、公民館で借りてきたテントはなんだか海の上にあるみたいに見えていた。
そしてそのテントの下には色とりどりの洋服たちが風になびいていて、テントの中からは楽しそうな笑い声と話す声がひっきりなしにしていて、東屋で休んでいるおじさん達もみんな笑っていた。
みんな笑っていた。
それはもう、とても楽しそうに。
4時間限定の青空イーザッカマニアはそれこそ『あっ』という間に閉店になった。
お客様の中には、うちの商品を身につけてきてくださったかたが何人もいらっしゃった。
日本の最南端の有人島である波照間島で、イーザッカマニアについての話をお客様とできるなんて、来る前までは想像だにしていなかった。
日差しの強さや、陽の長さ、気温や湿度も東京とも神戸とも違う。
例えば黒いTシャツなんかを洗濯して外に干しておくと、紫外線ですぐに変色してカーキみたいな色になってしまうんだそう。
だからこそ、涼しくて、洗濯に強くて、着やすくて、そしてなにより買いやすい価格帯のものが必要。
『イーザッカの商品は長持ちするんだよね。』
『ガンガン洗濯しても平気なんだよね。』
『お店がないからネットでよく買い物するけど、イーザッカさんのはすぐ届く。』
お客さまからそんなお話もしていただいたりした。
普段の生活の環境も、神戸や東京のそれとは全然違う。
波照間島と北海道ではまた全然生活するうえでの環境が違うのだ。
それはそこに暮らしている人とそれこそ洋服の話だけにとどまらずコミュニケーションをしていかないとわからない。
しつこいけれども、私たちは『女子たちの毎日のテンションをちょっとあげる』ということをしていきたい。
毎日着るものだからこそできることなのだ。
もっともっと、世の中の女子に寄り添わないとならない。
それが、私が感じた課題だった。
私にとって『青空イーザッカマニア』は青空の下でやる座談会みたいなものだった。
お店を開いてモノを売るということが目的ではなく、そこに暮らす色々なお客さまと色々な話をすることこそが目的だったのだ。
波照間島の皆様へ
波照間島の皆様、素敵な場所でお店を開くことができました。
おかげでとても幸せな時間を過ごすことができました。
ありがとうございました。
帰り際、道ですれ違う皆さんに
『またくる?』
『明日もやるんでしょ?』
そんな言葉をかけていただきました。
またくるよ!
それまでは、またwebでお会いしましょう。
青空イーザッカマニアで見ていただいたのと同じように商品を見ていただけますから。
必要だったら私をすぐに呼んでくださいね。
メールでのやり取りになりますがあの時と同じ感じでお話できますから。
洋服、楽しんでくださいね!
青空イーザッカマニア計画
それは私たちの夢ややりたいことが
たくさん詰まった、
ちょっと無謀で壮大な、
当たり前のことがたくさん詰まった
普通ではないチャレンジのお話。
次回:冒険者たち