12月末(2022年)。


妻の臍帯血移植の説明を聞く為に、妻の入院している病院へ行きました。

その日は妻と1時間くらいですが特別に面会をしてもよいと許可をもらえたので、子供達も連れてきて大丈夫と担当医の方から言われました。


ですが、おねーちゃん(小学生の娘)は行かないと家でお留守番していると断られてしまいました。

そのため僕とちびちゃん(保育所の娘)の2人で病院に行きました。




病院の病棟に着き、妻の担当医の方と妻の担当の看護師の方。

妻と僕とちびちゃん。

5人で臍帯血移植の移植内容や治療内容の話をする事になりました。



説明を聞く場所は、病棟の無菌室エリアの面談室でした。

真っ白な部屋に真っ白なダイニングテーブルとイスがあるだけの部屋でした。

妻の入院時に使用していたクリーンルームと同じく外を見渡す事が出来る大きな窓がありました。



説明ではじめに言われたのがこの言葉でした。


「今回、もしも臍帯血移植をしない事になると奥さんは来年のクリスマスは迎えられないと思います。もっても夏くらいだと思います。そのくらい奥さんの体は危ない状態です。」

担当医の方はいつもと同じ口調で話しました。



この言葉を聞いたとき、なんだか余命宣告を言われているような感じになってしまいました。



ドラマや再現ドキュメントなどでは、余命宣告や命の時間に関するシーンだと凄く深刻そうに歯切れが悪そうな感じで伝えるイメージでした。


ですが現実はそうではありませんでした。

担当医の方は冷静にいつも通りに話していました。


担当医の方の話し方がいつも通り過ぎて、なんだか言われている事の実感がわきませんでした。



隣にいる妻が何もしないと半年くらい先にはいなくなってしまう。

今、ちゃんと触れたり話したり出来てるのにいなくなるなんて信じられない。



その時はこの言葉の現実から目を背けたくて、そんなふうに考えていたのかもしれません。