『恋』の話でもしてみよう……

生まれてこのかた、『恋』なんてしたこともなかった……

『初恋』……?

……ん~……ただ、漠然とあの娘のことが気になる……て現象には、陥った………

……小学生の時……

ただ、それが、『好き』だったのかどうだったのか……

今、考えても疑問だ……

異性を好きになる感覚とは、だいぶ、かけ離れていた気がする………

結局、中学でも仲のいい女子はいたが、『恋愛対象』という四字熟語に当てはまる女子は、存在しなかった……

かといって、俺は、同性愛者でもない……

好きなアイドルの女の子もいたし……

そのアイドルの娘を『オカズ』にしたこともある……

……健全な男子だった……

ただ、アイドルは当時、『偶像の産物』……

現実にどーこー出来る次元の存在ではなかった……

いわば、雲の上の存在……

パンピーが、どーこー出来るもんじゃなかったんだ……

そう『神の領域』……

当時、テレビ画面に映る人達は、この次元とは別次元に生きている人達なんだと信じていた……

……まてよ……

今時『パンピー』なんて、言うのか……?

……まあ、いいや……

とにかく、『あっち側の女の子』に『恋』してても『こっち側の女の子』には、なんの興味もなかった……

そして中学を卒業し、『男子校』へ………

………もっと、『女子』から遠ざかっていく……