もう少し後に入るシーンだと思うが、一旦単独で。これだけならネタバレにはならなさそうだし。
次回からは最後のネタバレに突入するので、可能であればここまでで本番に臨むのをお勧めしたい。
ルナ)パパ、寝ないで何してるの?
ロビン)寝てなかったのか?眠れなくてな。
ルナ)夜寝ないとメラトニンが出ないよ。
ロビン)子供のくせに偉そうに。
ルナ)こんなに大きな子供なんていないよ。
ロビン)どうかな。それじゃもう、家に帰るって泣かないだろうな。
ルナ)なによそれ。「ルナ、宇宙へ行くよ」って言ったかと思ったら、もう宇宙で。私が泣かずに済むと思う?私の人形は?友だちは?私の気持ちなんて全然分かってない。
ロビン)知らなかったから、今までそうだった...。ルナ、心配するな。すべてそのままさ。
ルナ)きっと全部変わってる。
ロビン)ルナ、世界が変わっても、変わらないものがあるんだ。
ルナ)何?
ロビン)パパの心。
ルナ)嘘ばっかり。
ロビン)本当だ...。
ルナ)ねえ、パパ。
ロビン)うん。
ルナ)パパは私を産んで幸せだった?
ロビン)産んだのはママだ。育てたのがパパで。
ルナ)幸せじゃなかったってことね。
ロビン)お前、わざわざ言わなきゃ分からないのか?
ルナ)そうよ。
ロビン)ルナ、パパはだな、ただの一瞬もパパでない時は無かった。
ルナ)パパって本当に、分かるようで分からない。本当に分からないけど、気の毒な人だわ。
ロビン)お前はどうなんだ?
ルナ)そうだね。
ロビン)ここで暮らすのは大変だったろう?
ルナ)パパ。宇宙に来て間もない頃、熱が38度まで上がるくらい、具合の悪い時があったじゃん?ある晩、パパが電気の消えた私の部屋にノックして入って来たの。パパの背中の後の光が私の部屋をさーっと照らしたんだけど、眩しくて目が離せなかった。パパは私が寝てると思って、私のおでこに手を置いて言った。「痛いの痛いの飛んでいけ!」その記憶のおかげで、ここで暮らすのもそう悪くなかったよ。覚えてる?
ロビン)ああ、当然覚えてるさ。パパは天才だぞ。
ルナ)もう、寝る。疲れた。
ロビン)ルナ、あと二日で地球に戻るんだな。
ルナ)一日が過ぎるのはすごく長いのに、10年はあっという間だった。
ロビン) これからの時間はもっと早く過ぎると思う。...おやすみ。
