「宝生能楽堂」バックステージ見学と能面をつけての能舞台への登壇 | じきの食歴

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水道橋駅近くにある「宝生能楽堂」が、来年建て替えのため取り壊されるとのことで、その前に女性能楽師で食べ友達の関直美さんが、バックステージの見学と実際に能面をつけて神聖で歴史ある能舞台へ上がらさせていただくという特別な機会を作っていただき参加。
こちらの宝生能楽堂は、大正2年(1913年)に神田猿楽町にて創建。
その後関東大震災や東京大空襲にて2度の焼失等を経て、昭和53年(1978年)に現在の建物が再建されたとのこと。
それから44年経過し、来年建て替えのため一旦取り壊しとなるそうです。
宝生流の拠点として、数々の能舞台が上演された歴史ある空間は、やはり厳かでした。

当日は、11時に能楽堂に集合し、簡単な説明後、バックステージに。
全員、白足袋を履いたことを確認してから写真公開NGな空間を経て、普段能楽師が舞台へ出るための控えの間にて能面をつけていただき、いざ舞台へ。
能面の目の部分にある小さな穴から見える世界は、ごく限られたもので、近くで声をかけられても、すぐに相手がどこにいるのか分からない状態。
また、足元も当然見えにくく、事前に伺った、床板の継ぎ目を足袋の下に感じながら移動するなど、能楽師の大変さなども感じ取ることができた。
そして、舞台中央へと移動し、観客席を見やる。
映画や観劇とは違って、客席も比較的明るいため、座っている人達の表情まで見えるぐらい。
こうして、実際に舞台側から見やると、演者の方達の動きにもまた意味を見いだせる。
とても貴重な経験をさせていただいた。

その後は、客席側から当日の演目の「枕慈童」を観覧。
長寿にまつわるもので、とても縁起が良い内容となっている。
あの、能のそろりそろりと動く様、すり足、微妙な顔の傾け方等、ああ、なるほどなと、今マンで観ていた能とは、また違った見方をすることができた。

そして、14時ぐらいから、関さんを交え、東京ドームホテル内にある京料理の店「熊魚菴たん熊」にて会食。

当日は、久しぶりに着物で出かけたということもあり、とても充実した時間を過ごさせていただいた。