完全予約制のデザートコースのレストラン「Johon」 | じきの食歴

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2月4日にオープンしたばかりの、金土日のみ2年間限定営業、完全予約制のデザートコースのレストラン「Johon」。
鶯谷の名居酒屋「鍵屋」の裏手にあり、その先は行きどまりとなる路地裏の民家を改装し営業している。
ここを目的としないとたどり着けない、そんなお店。
場所さえわかればたどり着けなくもないのだが、開始時間15分前に店に着いたら、店主が店の前で出迎えてくれていた。
外見はごく普通の民家。
内部の作りもそのままなので、玄関で靴を脱いであがる。
店内はコンセプトカラーであるグリーンを基調とした和の趣溢れるものとなっており、4人座れるテーブル席と、窓際に2名分のソファー席。もう一つの和室には、2名分の座椅子が置かれた席がある。
窓の向こうには石灯籠が置かれた日本庭園があり、植えられた木々で四季を感じ取ることができる。

メニューは味覚の旅をコンセプトに毎月変わる。
\ 3,800 (税込)のコースのみで、デザート3皿、食事2皿、お茶菓子の合計6品。
4月は「翠緑の旅」というタイトルでメイン食材は「抹茶」だった。
メニュー表はテーマである翠緑をいかに表現できるかを考え紙染めから自分達で行っているそうだ。
ちなみに飲み物別料金で、現時点ではソフトドリンクのみとなっている。

1. 新緑(抹茶、桜)
桜の香りただよう1品。パリリ、サラサラ、クニュリ、ムニュリ、甘すぎず、ほのかな塩味もあり、酸味もある。
色々な食感と味と香りが立体感のある味わいを演出する。

2. 物思い(抹茶、チョコレート)
緑色の同心円の描かれた白い皿が出され、そこに2つ岩を模したメレンゲ状のものが置かれた。
卓上には、ガラスケースに収まった苔玉がオブジェのように置かれていたのだが、そのガラスケースを取って苔玉を皿の中央にそっと置く。
枯山水をモチーフにしているのだろう。
苔玉の正体は抹茶チョコレートムースで、中にはライチのソースが入っている。
抹茶とライチの組み合わせがまた実によい。

3. 包(ほうれん草、卵)
にらで縛られた緑色の茶巾は、ほうれん草で色付けされた薄焼き卵。
その中には、キノコのリゾットが潜まれている。
手元の方に配置されているものは、人参をローストしたもの。
見た目も良いが、これが実に旨かった。

4. 春愁(抹茶、マンゴー)
和のテイストから、一気に洋の表情をまとった皿となった。
抹茶ムースとマンゴーの組み合わせが旨い。
2つ目の皿もだが、抹茶とフルーツ系の組み合わせが実に巧みだ。

5. 不変(アスパラガス)
グリーンアスパラによる翠緑。濃厚なソースに細いミニ春巻き。
上に乗せたタルタルソースと、様々な食材と味の組み合わせも実に面白い。

6. 花見(お茶菓子)
行楽弁当風にわっぱが出される。中には、フィナンシェとミニ三食団子風なものと緑色の球体。
三色団子はクッキーだった。
また、こちらのフィナンシェの出来が秀逸だ。
お土産で用意してもらいたいぐらい。

全体と通して、デザートコースでありながら甘すぎるものは無く、塩味や酸味、そして旨味を巧みに取り込み、食事らしいコースの内容となっていた。
小食の女性ならお腹いっぱいになるぐらいの量。男性なら物足りないぐらいだが、デザートとしてとらえると十分な量だ。

なお、なぜ2年間なんですかと聞いたら、2年以上続けられるかわからないからとの返答だった。
なんともはや、奥ゆかしいのだろう。

なお、5月のテーマは「liquidの旅」、メイン食材はメロンとのこと。
こちらも予約開始後、5分ほどで満席となっており、既に予約困難なお店となってしまった。
なんとか4席確保できたので、再訪するのが楽しみだ。

 

 

 

Johnカフェ / 鶯谷駅入谷駅日暮里駅
昼総合点★★★★★ 5.0