みぞれ混じりの雨が降る曇天の朝。
彼岸の小鳥殺しと言われるこの時期特有の冬戻り現象で、足元には薄っすらと白いものが。

ノロノロと起き出し、身支度を整えて妻と2人墓参りへ行く。
雨降りなので線香も何も持たず、手を合わせてはい、終了。


その後、うちの地所にある五輪塔のお参りにも行った。



約200基ある五輪塔は、この山の至る所に崩れて転がっていたものを曽祖父が供養のためにと、一箇所に集めて積み直したとのこと。


上から下まで一体何百往復したのだろうか。想像を絶する。


だがそんな話を聞けば子孫としては無碍にも出来ず、春が来ては積み直し、台風が過ぎては積み直し、いつの間にやらここの管理がオレの年間行事の一部に組み込まれてしまった。


もののけ姫のこだまが出てきそうな癒しの空間で、楽しい石積み体験をしたい方は是非ご一緒に。


オプションでヤブ蚊の大群も付いてきます。




さて、帰宅して今日は久しぶりのDIYごっこ。


といっても今回製作するのは三男が通っている医療系の専門学校から依頼されたお品なので、趣味というより仕事寄りのDIYなのだが。


(引用元 楽天市場)


これは立ち上がりテスト(ロコモ度テスト)を行うためのテスト用ボックスで、通称ロコモ台というシロモノ...らしい。


市販品は4段セットで10万円オーバーとかなり値が張るため、安価で何でも請け負ってしまうウチの工房(?)に依頼が舞い込んだ、という訳。


写真のような入れ子式も材料費さえ惜しまなければ製作は可能だが、ウッドショック以降木材価格が高止まりしたままなので、費用を抑えたい学校の意向に添うよう設計を考える。


調べたところロコモ台は、10cm、20cm、30cm、40cmの4段があればその他に明確な基準はないようで、依頼を受けてから1ヶ月に渡り様々な資料を比較、検討した結果、ついにこの跳び箱式ロコモ台を考案するに至った。



10cm刻みの4段組みで、これなら強度を確保しつつ高さ調節も容易なうえ、材料を大幅に節約できる

いかにも保育士的発想で、検索しても他に類を見ない新デザインのロコモ台を開発してしまった。


特許を取って治療費の足しにしようかしら。



最終的にかかった費用は6千円弱で、市販品と比べて価格を1/20程度に抑えることにも成功。


手刻み加工なので、縦ラインが少々怪しいのだが、そういうところは10万円と6千円の違いだと思っていただければ。




ペイントや持ち手部分の加工など仕上げ作業は残っているが、完成の目処がついたので工房は一旦終了して、午後は秘密のお仕事へ行く。


到着するとS園長とU先生も秘密のお仕事に来ていた。

分かっていれば何か差し入れを用意したのに。


聞けば、墓参りにも行かず2人とも午前中から籠っているとのこと。

それならオレも朝から来ればよかったと思った。


休日特有のゆったりとした空気感が好きなんだよね。

ほとんど無言でキーボードと戯れているだけなのだが、一緒にいて心地のよい先輩、後輩と時間を共有していることに幸せを感じる。




夜、明日から学校の始まる三男を送って岡山県へ。


県境あたりがみぞれどころではない本格的な圧雪になっている。

除雪車も出動し、高速道路はスノータイヤ装着規制。

ノーマルタイヤに戻していなくて助かった。




流れてゆく雪景色を横目に見ながら、


「小鳥は上手く難を逃れることができたのだろうか」


そんな思いがふと頭をよぎった。




完成版はこちら。