中国の出生数が減少を続けています。中国国家衛生健康委員会の公表データによると、2025年に中国で生まれた人は792万人となり、1949年の新中国成立以降で過去最低を記録しました。一方、出生時の男女比はわずかながら改善しており、人口減少の中で新たな変化もみられています。
2025年の出生数は、前年の954万人から約17%減少しました。出生率は5.63‰(千人当たり5.63人)で、同年の死亡者数は1131万人に上りました。死亡者数が出生数を大きく上回ったことで、人口の自然増加率はマイナス2.41‰となり、中国の総人口は4年連続で減少しています。
出生数は近年、急速に落ち込んでいます。2021年は1062万人、2022年は956万人、2023年は902万人、2024年は954万人でした。2024年には辰年(龍年)にあたることから一時的な出生増加がみられましたが、2025年にはその反動もあり、再び大幅な減少に転じました。
一方、出生時の男女比には改善がみられました。2025年は女性100人に対して男性111.5人となり、2024年の111.7人から0.2ポイント低下しました。
国連が示す出生時の男女比の正常な範囲は男性103~107人程度とされており、中国では依然として男性が多い状態が続いています。ただ、2010年の118.1人、2015年の113.5人と比較すると、長期的には低下傾向にあります。男性を優先する伝統的な価値観の変化や、女性の教育水準の向上、胎児の性別を理由とした違法な性別鑑定への取り締まりなどが改善の背景として指摘されています。
また、中国では少子化と同時に高齢化も進行しています。2025年時点で0~15歳の人口は全体の16.4%であるのに対し、65歳以上は15.9%となっており、その差はわずか0.5ポイントです。
高騰する子育て費用や仕事と育児の両立への負担、生活の質を重視する若者の価値観などを背景に、結婚・出産を「人生で当然選ぶもの」ではなく、「自ら選択するもの」と考える人も増えています。
中国政府は少子化対策を強化していますが、出生数の減少と高齢化が同時に進む人口構造の変化は、今後の経済成長や社会保障制度、労働力確保にも大きな影響を及ぼすとみられます。
