台湾のタレント・蔡頤榛(さい・いしん)が、日本・奈良の薬師寺にある国宝「仏足石」に液体をかけた事件に関与した疑いがあるとして、台湾で波紋が広がっています。

日本の報道によりますと、今年4月、奈良市の薬師寺大講堂にある国宝「仏足石」に無色透明の液体がかけられ、表面に汚れが残りました。奈良県警は監視カメラなどから台湾籍の39歳の女性を特定し、8月22日に関西空港から再び日本へ入国したところを逮捕したとされています。液体からは化粧水や美容液などにも使われるグリセリンが検出されたとのことです。
逮捕された女性は蔡宜臻という名前で、職業について「司会の仕事をしている」と説明しています。取り調べに対して行為を否定せず、「自分は感動したものに油をかけて祈る習慣があり、仏足石にも油をかけたのだと思う」といった趣旨の供述をしたと報じられています。また、日本の別の場所でも同様の行為をした可能性があるとして、警察が関連を調べています。
台湾メディアはこの女性をめぐって、台湾のタレントである可能性が高いと報じています。本名や年齢が一致しておりさらに、本人が司会業に携わっていることや、今年4月に日本を訪れたことをSNSで公開していたことなど、複数の情報が一致していると台湾メディアが伝えています。
一方、台湾メディアが所属事務所に確認を求めていますが、記事掲載時点で回答は得られていないとされています。
さらにネット上では、この台湾タレントが過去にキリスト教への信仰を公言していたことから、今回の「油をかけて祈る」という供述と宗教的背景を結びつける憶測も広がっています。ただし、これは現段階ではネット上の推測にすぎず報道では、キリスト教における「油を用いた祈り」は存在するものの、他宗教の文化財に液体をかけることが一般的な宗教儀礼というわけではないとの指摘も出ています。
国宝「仏足石」は、釈迦の足跡を石に刻んだ仏教美術で、奈良時代の753年に制作されたとされる貴重な文化財です。今回の事件では、単なるいたずらではなく、文化財を汚損した疑いで捜査が進められています。