中国メディアは5月31日、北京市に住む大学3年生の女性が、両親にだまされて河南省三門峡市のいわゆる「ネット依存専門の矯正施設」に送られ、自由を奪われたとして社会的な関心を集めていると報じました。
報道によりますと、北京の音楽系大学に通う女子大生は今年3月15日、いとこが警察の捜査を受けていると家族から説明され車に乗せられました。しかし実際には、両親が交際中の男性との関係に反対しており、河南省三門峡市にある「励萱教育」という更生施設へ送り込むための口実だったとされています。
施設内では外出の自由が制限され、教官から足で蹴られるなどの暴力を受けたほか、入浴には特別な許可が必要で、一人でトイレに行くことも認められなかったといいます。また、心理的な圧力や洗脳的な教育も行われたと主張しています。
女性と連絡が取れなくなったことを不審に思った交際相手の男性は警察に通報しましたが、警察は本人の安全を確認したとして対応を終了しました。その後、素伶さんは施設から出ることを許可されたものの、今度は山西省に住む親族宅で事実上の軟禁状態に置かれたといいます。彼女はトイレに行く機会を利用して恋人へ救助を求め、最終的に再会を果たしました。
しかし、北京の警察は「犯罪事実が認められない」として違法監禁容疑での立件を見送りました。女性は今後も法的責任を追及する考えを示しています。
問題となった「励萱教育」は2022年設立の施設で、ネット依存、早恋(未成年者の恋愛)、反抗的な態度、不登校などを矯正対象として掲げています。利用料金は半年で2万6800元(約56万円)、1年で3万6800元(約77万円)とされ、保護者の面会は3か月に1回に制限されているといいます。
さらに、過去には入所した少年が教師から乱暴な扱いを受け、病院で肋骨の古い骨折が確認されたとの証言も報じられています。三門峡市の教育当局は5月30日、この施設の運営資格が正式に認可されたことはないと明らかにし、現在は公安当局など関係部門が調査を進めているということです。
中国では2000年代以降、若者の「ネット依存」や「問題行動」の矯正を掲げる民間施設で暴力や虐待が発覚する事例が相次いでおり、過去には虐待死亡事件も発生しています。こうした施設の多くは教育機関として登記せずに、「心理カウンセリングセンター」「教育コンサル」などの名目で登記することで当局の監視を目をかいくぐるケースが多く、その結果虐待が横行する事態となっています。
