報道によりますと、問題となったのは、山梨県の富士山周辺にある人気撮影スポット「ローソン河口湖駅前店」の前で撮影されたダンス動画です。中国人カップルは、日本のアニメのオープニング動作を模倣しながら踊る様子を動画に収め、SNSに投稿しました。
その後、この動画が日本のSNS「X」で拡散され、大きな論争に発展しました。閲覧数は600万回を超えたとされています。特に一部の日本の右派系アカウントが動画の一部を切り取り、「営業妨害」や「迷惑行為」だとして批判を展開し、多くの日本人ユーザーによる非難コメントが相次いだということです。「愚かな行為だ」「典型的な中国人のやり方だ」といった厳しい声も見られました。
これに対し、当事者のインフルエンサーは、「撮影は午前5時ごろで、現場にはほとんど観光客も客もいなかった」と説明しました。また、「通行や営業を妨げる状況ではなかった」と反論し、現場には撮影禁止の表示もなく、店員から制止を受けることもなかったと主張しています。さらに、通行人同士で譲り合いながら撮影に協力してくれた場面もあったとして、「ネット上の批判は実際の状況と異なる」と訴えました。
一方、日本在住の中国人や一部ネットユーザーからは、「この場所は以前から観光客やインフルエンサーの定番撮影スポットであり、同様の撮影は珍しくない」として、日本側の反応には“ダブルスタンダード”があるのではないかとの声も上がっています。
今回の騒動について、インフルエンサー側は「日本に対するこれまでの印象が揺らいだ」とコメントし、大量のネット攻撃を受けたことへの戸惑いを示しました。
また、報道では、日本側で強い反発が起きた背景として、富士山周辺で長年問題となっている「観光公害」の存在を指摘しています。ローソン河口湖駅前店は、店舗看板と富士山を同時に撮影できることで海外SNSを中心に有名となり、多数の観光客が押し寄せる状況が続いています。
その結果、一部観光客による車道への飛び出しや交通妨害、ごみのポイ捨てなどが問題化し、地元住民の不満が蓄積していました。現地自治体は過去に、富士山を見えなくするための大型幕を設置して観光客の集中を防ごうとしましたが、それでも幕に穴を開けて撮影を続ける人が現れるなど、対策は難航しているとされています。
中国メディアは、今回の中国人カップルによるダンス動画騒動について、こうした長年の観光公害問題への不満が一気に噴出する「引き金」となった可能性があると分析しています。
