中国メディア「第一財経」によりますと、恋陪では暗い照明やロマンチックな音楽、美しく装飾された空間の中で、俳優が誕生日を祝ったり、好みに合わせた贈り物を渡したりしながら、プレイヤーを物語世界へ引き込みます。利用者は数時間だけ「理想的な恋愛感情」を味わえる一方、現実の恋愛のような責任やリスクを負わずに済むことが人気の理由とされています。
27歳の会社員女性は取材に対し、「仕事が忙しく恋愛する時間がない。恋陪なら短時間で癒やしを得られ、感情的な負担も少ない」と語りました。調査では、利用理由として「孤独感」「愛されたい願望」「実際の交際を避けたい」が上位に並び、現代の若者の心理を反映していると分析されています。
料金は1回400〜800元(約8000〜1万6000円)程度が一般的で、熱心な利用者の中には月に数千元、多い場合は1万元以上を使うケースもあるといいます。
こうした需要の拡大を受け、マーダーミステリーゲーム業界も「恋陪」へ活路を見いだしています。中国では2021年前後にマーダーミステリーブームが起きましたが、その後は店舗乱立による競争激化で大量閉店が相次ぎました。生き残りを図る店舗が、推理中心だった従来型から「感情体験重視」へ転換した結果、恋陪市場が形成されたとされています。
一方で、サービスの境界線を巡る懸念もあります。人気スタッフを指名するため高額課金する利用者や、店外で俳優と接触しようとするケースも出始めています。業界関係者は「感情価値を提供するビジネスとして需要は大きいが、過度な依存や金銭・恋愛トラブルを防ぐ管理が不可欠だ」と指摘しています。
AIによる映像制作拡大で俳優業界の就職難も続く中、「恋陪」は若手俳優の新たな雇用先にもなっています。しかし専門家は、仮想的な感情体験と現実を混同すれば、倫理や法律上の問題につながる恐れがあるとして警鐘を鳴らしています。
