2024年4月、中国の名門大学・ 湖南省湘潭市の湘潭大学では当時大学院生だった男が同じ宿舎の部屋で暮らすルームメイトを殺害する事件が発生しました。被告は、日頃の些細な生活習慣(衛生、換気、就寝時間など)を巡り、ルームメイトとの間でトラブルとなっており恨みを募らせ、劇薬であるコルヒチンを使い、殺害したのです。
2025年4月7日、湘潭市中級人民法院(裁判所)は被告に対し、故意殺人罪で死刑、政治的権利の永久剥奪の一審判決を言い渡しました。被告は上訴しましたが、同年8月14日に湖南省高級人民法院は上訴を棄却し、一審判決を支持する二審裁定を下しました。 法廷審理では、被告が私憤を晴らすために猛毒を投入したこと、自身の専攻知識(大学で生物工学を学び、コルヒチン について知識があった)を利用したこと、被害者が中毒で苦しむ間、故意に事実を隠蔽して治療を遅らせたこと、事件後に証拠隠滅を図ったことなどが認定され、「犯罪の動機は卑劣で、主観的な悪性が極めて深く、罪行は極めて重大である」とされました。
中国の名門大学では過去にも複数、劇薬を使用し同級生を殺害する事件も発生しています。1994年、清華大学の学生だった女子学生・朱令さんが重金属「タリウム」で中毒症状をきたした事件では未解決のまま2023年12月、朱令さんは50歳で亡くなりました。 この事件では、重要参考人だった同級生の女性が海外に出国したため今も犯人は逮捕されていません。
