中国山西省は伝統的に農村人口比率が高く、保守的な家族観・婚姻観が根強い地域の一つとして知られています。一方、山西省はここ数年、中央の政策実験・制度改革の「パイロット省」(試験地域)として位置づけられることが増えています。
山西省人民代表大会常務委員会は女性の地位向上を掲げ、〈中華人民共和国婦女権益保障法〉の改正を承認し、12月1日から施行すると発表しています。
改正後の法律では、「高齢の未婚女性を中傷・侮辱することを明確に禁止する」と定めたほか、女子や障がいを持つ乳児を出産した女性、または不妊の女性に対する差別・虐待も禁じています。
さらに、ネット上でも女性の合法的権益を侵害する行為も禁止。文章、画像、音声などあらゆる形式で女性を中傷・差別する情報を制作、複製、発信、拡散してはならないとしています。また、遺産相続において女性の権利がないがしろにされる状況も少なくなく、今回の法律では「女性には男性と平等な相続権があり、いかなる組織・個人も風習や婚姻状況を理由にその権利を奪ってはならない」と定められることとなりました。
