災害予知パニックで山に避難する香港人も  | 周来友 オフィシャルブログ

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中国出身のジャーナリスト、タレント。
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中華圏の多くの国家や地域では風水や占いが当たり前のように社会の中に存在しています。住宅購入や建築物を建造する際も風水で方角や位置を決めることも少なくありません。香港メディア・東網(7月5日)は、香港で大きな注目を集めてきた7月5日の「大災難」について現地香港市民の動静について報じています。

7月に災害が起こるという内容の日本の予知漫画が香港や台湾で中国語に翻訳されたものが発売されていました。元々、風水や占い文化が社会に根付く中華圏ではこうした予知についても比較的真面目に受け止める人も多くいたのです。さらに香港・台湾の有名占い師たちもこの予知漫画に便乗し、災害の可能性があると言及していたこともこれに拍車をかけてきました。



香港では「予言パニック」のような状況も広がっています。5月以降、香港の人々は日本への渡航を自粛する動きが見られ航空便も便数を減らすなど経済活動にも影響が見られています。ある香港人は先月21日にSNSに避難生活をしていることを投稿し、「山で過ごしている。近くに水源があり、広々としていて誰もいない。7月5日に津波が山の下の都市を飲み込むのを見る準備ができている。この数日はまだ新鮮な食べ物を調理できているが、備蓄は少なく、冷蔵もできないため、今後はMRE(保存食)を食べて命をつながなければならない」と災害予言を恐れ山で生活していることを告白しています。

中華圏では防災グッズの売り上げが急激に上昇していることも伝えられています。防災意識が高まることは良いと思いますが、これに便乗した詐欺などの犯罪も今後予想されます。こういうときこそ、冷静な判断力を持ってほしいものです。