任天堂から発売された「Nintendo Switch2」は世界的な人気を博しています。今回、Switch2は中国国内での販売はなく、多くの中国人は香港などからグローバル版を購入しています。こうした中、中国ではSwitchのゲームソフトの密輸入が相次いで報じられています。
香港メディア・東網(6月26日)は、深圳皇崗税関で女性旅行客がSwitchゲームカード105枚を密輸しようとしたと報じています。広東省深圳市の皇崗税関は、福田口岸の旅客検査入国ルートで、日本人女性旅行客がNintendo Switchのゲームカード105枚を体に隠して持ち込もうとした事件を摘発したと発表しました。旅行客は、他者から依頼されてこれらの物品を持ち込み、報酬を受け取っていたと供述しています。左右のふくらはぎにそれぞれ透明なラップで巻き付けられたSwitchゲームカード60枚と45枚が発見されました。


こうした事件が起こった背景には、中国政府がこれまで海外ゲーム機やゲームソフトの流入を警戒してきたことがあります。
中国では、国内で販売されるすべてのゲームソフトに対し、政府機関(国家新聞出版署など)の厳格な審査を受け、「版号」と呼ばれる出版許可番号を取得することが義務付けられています。
この審査は非常に厳しく、政治的な内容、暴力表現、歴史の歪曲、ギャンブル、社会に悪影響を及ぼす可能性のある表現などが細かくチェックされます。このため、多くの海外ゲームは審査に通るのが難しかったり、大幅な修正を求められたりしてきました。
また、版号の取得プロセスは時間もかかり、毎年承認されるゲームのタイトル数も厳しく制限されています。2020年には輸入タイトルでわずか98タイトルしか承認されず、そのうちSwitch向けは16タイトルのみだったと報じられています。こうした背景から、自由に販売されている香港からゲームソフトなどを密輸入する事件が発生しているのです。