台湾から強制退去処分となった中国人インフルエンサー  | 周来友 オフィシャルブログ

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中国出身のジャーナリスト、タレント。
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台湾在住の複数の中国人動画配信者について、台湾移民局は次々と台湾からの強制退去を命じています。これまで3名の中国人女性が強制退去処分となり、いずれも配信した動画内で中国による台湾の武力統一を主張するなどしており、台湾当局は戦争を鼓舞する危険な言論と判断したのです。



台湾移民局により在留許可証を取り消され 、3月25日に中国に帰国した中国人インフルエンサー・劉振亞は、今回中国共産党機関紙「人民日報社」が発行する月刊誌「環球人物」の最新インタビューに応じ、「古来より、台湾は中国の不可分な一部であり、私は事実を述べている」と強硬な姿勢を示しました。劉振亞は、強制退去処分に従った理由について「台湾地区の規定を尊重するためであり、潔白な状態で出国し、将来堂々と台湾に戻ってきたい」と主張しています。

また、自身は中国にいる一方、子供や夫は台湾にいることを挙げ、「いつか再会できると信じている。その日が来たら、家族は私の胸に飛び込み、私たちは互いに抱き合い、二度と離れない」と述べ、「台湾は永遠に中国の台湾であり、『台湾独立』は行き止まりであり、祖国の統一は不可避である」と強調しました。

台湾では今回の一件から、社会の分断も進んでおり「武力統一を主張することは台湾人が殺害されることを意味する。殺人教唆である」として今回の移民局の判断を支持する人が多くいる一方、「台湾統一は言論の自由の範囲だ。子供も台湾にいる中国人配偶者を強制退去処分することは人権侵害である」という意見も寄せられています。民主主義であるからこそ、様々な世論が生まれ結果的に分断が進んでいるのです。