中国では国内経済の悪化に加え、失業率の悪化、少子高齢化問題、さらに今回アメリカとの間で起こった関税合戦と社会の不安定感が増しています。こうした中、中国では来月10日から少子化対策に向けた新たな施策が開始されます。
中国で結婚する際には、日本の戸籍謄本とは異なる「居民戸口簿」が必要となります。居民戸口簿は一般的に家庭ごとに一部配布され、家族構成などが記載されており、世帯主である親が管理しています。婚姻届を提出する際、行政の窓口でこの居民戸口簿の原本を一度提出する必要があるのです。
中国ではこれまで若者が結婚する際、親が結婚を認めない場合にこの居民戸口簿を子供に渡さないという場面がよく見られてきました。若者世代の結婚を巡っては、相手の家庭の経済状況などを理由に子供の結婚に理解を示さないということが多々あるのです。事実上、親の同意がなければ結婚が出来ないということになります。
今回、中国政府は婚姻法の改正を行い今後、婚姻の際に居民戸口簿の提出を求めないこととし、結婚する2人の意思だけで婚姻を可能とすることとなったのです。中国では「代理お見合い」という言葉もあるように、親同士が子供の結婚相手を一方的に決めるということも珍しくありません。今回の法改正によって若者の婚姻率は上がるのでしょうか。