中国テクノロジー企業大手、テンセントやアリバイなどはAIによる自動運転システムやガン診断など医療分野で大きな躍進を遂げています。さらに、DeepSeekの誕生は世界に大きな衝撃を与えました。
AI技術者の育成強化に向け、中国は国策として義務教育でAI技術を学ぶ授業を導入、さらにAI開発企業への支援などを推し進めています。米中間ではAI技術の覇権をめぐる競争がより激化していくことが予想されています。
香港メディア・東網(3月1日)は、中国政府がAI技術者の海外渡航などを制約する方針であると報じています。報道によると、中国政府は中国国内のAI開発企業の幹部や技術者などが、アメリカなどを訪問した際、中国が持つAI技術の機密情報が漏洩するリスクがあるとして、絶対的な必要がない場合、アメリカへの渡航を禁止する見通しだと伝えています。万が一、アメリカへ渡航する場合、事前に滞在中の計画表を提出し、滞在中の行動などについても細かく当局に報告する義務を負わせるというのです。
実際にDeep Seekの創業者・梁文峰(Liang Wenfeng)は、先月出席が予定されていたフランスでのAI技術に関するカンファレンスを欠席していた他、昨年の渡米予定も当局の指示により直前にキャンセルしていたことが報じられています。
AI技術者の育成に取り組む中国ですが、機密情報漏洩を恐れ、技術者の移動の自由が奪われる形となっています。このような環境でAI技術者になりたいと思う若者は増えるのでしょうか。むしろ海外への人材流出が加速することになるでしょう。