1月7日にチベット地方で発生した大規模地震。多くの死傷者も出ている中、この地震を利用しインプレッションを稼ごうとするネットユーザーの存在に批判の声が寄せられています。中国メディア・環球時報(1月10日)は、生成AIを使った被災者の偽写真が大量に出回っていることを報じています。
今回の地震発生直後から、中国のSNSでは瓦礫に埋もれた複数の乳児幼児の写真が拡散され、こうした子供の救出を要望するコメントも大量に寄せられていました。しかし、こうした被災した子供の写真について中国メディアはほとんどが生成AI技術を利用して作られた偽物だと伝えています。
中国メディアは今回、生成AIを利用し実際に拡散されている写真の一枚を作成した人物にインタビューを行っています。この人物によれば、写真は昨年11月に作成したもので、作成した経緯についてはガザ地区での紛争に巻き込まれ苦しむ子供たちの映像を見てイメージ写真を作ったと語っています。その後、作成した写真がネットユーザーたちに盗用され、今回の地震直後から被災した子供の写真として拡散されていったとしています。
メディアはこうした生成AIの偽写真を被災者の写真として拡散する行為について、「公序良俗」や「社会秩序の混乱」をもたらす行為に該当し懲役3年以上7年以下の刑事罰の対象となると厳しく批判しています。
こうした写真が拡散されることで、救助隊の活動にも悪影響を与えるばかりでなく、被災者が必要とする正確な情報の収集にも影響をもたらすことになり間接的に人命を危機に晒すことにもなるのです。政権批判のコメントばかりに目を光らせる政府。その労力をこうした悪質な写真の取り締まりにも注いでほしいものです。