2024年の中国を表す言葉は何かと考えていたら「安全」という2文字が思い浮かびました。愛国主義教育こそが「国家の安全」にとって重要だとされ、小学校にも本格的に愛国主義教育が導入されました。また、「国家の安全」を理由に日本人や外国人が逮捕される事件も報じられてきました。
一方で、「世界で最も安全な国家」と強調している中国では今年、多くの無差別テロ事件が相次いで発生。日本人男児が殺害される凄惨な殺人事件も発生しています。
また、今年印象的だったのが「食の安全」に関する事件です。子供たちにとって安全であるはずの学校で複数の無差別テロ事件が発生した他、子供たちが食べていた学校給食でも期限切れ食品が使用され食中毒事件が相次いでいたり、中には生ゴミを使用していたというケースも報告されています。
実際に今月、遼寧省本渓市内の小学校では食材の量が不足していたことを理由に、食堂の担当者が厨房の生ゴミの中から使用出来そうなゴミを集め、これを実際に給食として提供していたことが明らかとなり現地の教育部が調査に乗り出す事態となっています。政府にとっての安全は強化される一方、市民にとっての安全はむしろ失われつつあるように感じます。