動物虐待の事件が相次ぐ中国。中国には動物虐待を取り締まる法律が整備されていないことも大きな原因と言えるでしょう。こうした中、自治会や町内会にあたる「社区」と呼ばれる住民組織が突然、地域住民に対しペット飼育の禁止を言い渡し、これに違反した場合、ペットを捕殺することを発表したのです。
中国メディア・極目新聞(12月6日)は今月5日、山東省済南市天橋区内にある社区で突如、ペット禁止の通達が発布されたことを報じています。通達文には「地域の環境衛生、ペットが他の住民を怪我させる事故、騒音などの問題を防ぐため、犬・猫・鳥などのペットの飼育を禁止します。これ以降、住宅内でペットを飼育していることが発覚した場合、当局により捕殺処分を執行します」と掲示されていたのです。
現地メディアはこの通達を発表した担当者に事実確認をしたところ、社区では当初からペット禁止だったにも関わらず多くの住民がペットを飼育していたことを明かし、その一方で捕殺処分の文言については不適切だったと説明しています。
とは言え、新型コロナウイルスが猛威を振るっていた際には、ウイルスが動物由来である可能性が指摘されると、実際に一部の社区では住民が飼っていたペットを殺処分していた事実も報じられてきました。
中国のネット上では「規約に反してペットを買う人間、突然ペットの捕殺を発表する人間、ペットにはなんの罪もない」「人間の身勝手さのツケを最後は動物の命で払うなんておかしい」「これ以上の犠牲が出ないようにペット飼育は免許制にした方がいい」などの声が寄せられています。