学歴社会となった中国では小学校では朝6時頃から登校し夕方6時頃に下校するという子供も少なくありません。私たちの時代と比べ勉強量や勉強時間は比較にならないほど厳しいものとなっています。
こうした中、子供の気持ちを理解するための試みが行われています。香港メディア・東網(11月27日)は、浙江省にある杭州師範大学の附属小学校で保護者による小学生生活の体験授業が行われたと報じています。
今回行われた体験授業はこの学校に子供を通わす保護者向けの授業で、保護者たちは小学5年生の授業を体験することになりました。授業は国語の読解能力を測るため10分以内に問題を解答していくという内容でした。今回、体験授業に参加した保護者からは「子供の授業がこんなに疲れるものだとは思わなかった」「普段から下校して帰ってきた子供に口うるさく勉強しろと言っていた自分を反省したい」などの感想が寄せられています。
中国では勉強を苦にした児童の飛び降り自殺も多く、社会問題となっています。こうした児童の遺書には「宿題が終わらず親に怒られるのが怖い」「宿題のない世界に行きたい」などの言葉が綴られています。
子供に過度に勉強を強要する保護者に多いのが、自身が子供時代に学校に通えなかったり満足な成績を残せなかった過去を持つ人が多く、子供時代に果たせなかった願望を自分の子供に託すそうとしているように思えます。現代の子供がどれだけ過酷な環境に置かれているか理解するためにも、こうした体験授業は非常に良い試みではないでしょうか。