こうした中、中国の名門大学では貧困世帯向けの奨学金を支給されていた学生が旅行をしていたという理由で奨学金を取り消される事件が起こっています。中国メディア・九派新聞(11月23日付)は、中国浙江大学に通う男子学生が自身のSNSに旅行した際の写真を投稿していたところ、これを見た同級生などが「貧困世帯向けの奨学金を受給しているのに旅行に行っているのはおかしい。不正受給の可能性があるため調査するべき」との通報を学校側に寄せていたのです。
学校側は男子学生に対して聞き取り調査を行い、当該学生が今年に入り合わせて3回の国内・国外旅行をしていたとして、これを「過度な消費行動」だとして、奨学金の取消を行い学生に教育指導を行ったことを発表しています。学校側の調査では、学生の家庭では実際に父親が事業に失敗し多額の負債を抱えており、受給資格に該当していたことも公表されています。
人生に一度の大学生活。今の時代、学生の貧乏旅行であれば国内外問わず数万円でも可能の時代になりました。経済悪化の影響から、中国では社会全体に閉塞感や不公平感が蔓延する雰囲気が漂っています。奨学金をもらっていることを理由に旅行にさえ行けなくなる社会は正常と言えるのでしょうか。