中国都市部でサッカーファンが暴徒化 社会不安を反映? | 周来友 オフィシャルブログ

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中国出身のジャーナリスト、タレント。
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今月5日に行われた「FIFAワールドカップ・アジア予選」で日本と戦った中国。結果は0:7と惨敗する結果となりました。その後も中国は、サウジアラビアに1:2で敗れています。

この数年、中国国内でのサッカー人気は非常に大きな盛り上がりを見せており、潤沢な資金力を活かし多くのクラブチームが国外から数多くのスター選手を獲得して、ファンを沸かせてきました。中国国内リーグであるスーパーリーグには連日多くのサッカーファンが駆け付けるなど、代表戦以上の盛り上がりです。

一方で、近年問題となっているのが熱狂的なサッカーファンが暴徒と化すフーリガン行為です。中国メディア・閩南網(9月22日)は、21日15時頃、河南省鄭州市にあるホテル周辺やサッカースタジオ周辺の路上で、河南省を本拠地とするチームと、成都を本拠地とするチームのサポート同士数百人が殴り合いのケンカに発展したと報じています。







この日の夜に試合が予定されていた河南チームと成都チームでしたが、試合前に両チームのサポート同士が殴り合い、瓶や爆竹を投げ合ったりする事態となっていました。鄭州市の公安部は、現場に警察官を派遣し騒動は3時間後にようやく収束したのです。

中国では街中での集団によるこうした騒動は、政府が罰則を厳格化している「治安管理処罰法」に該当し摘発の対象となる行為です。それにも関わらず、数百人が集団で乱闘騒ぎを起こしたのです。

コロナ禍を発端に加速する不景気、不動産市場の混乱、就職率・失業率の悪化など、中国社会の不安要素は一般市民の間にも広がりつつあります。ヨーロッパのフーリガンの事例を見ると、こうした社会不安のストレス発散の手段として暴徒化する側面も指摘されています。数百人規模のフーリガン行為が発生した中国。こうした社会情勢が反映されているのでしょうか。