中国で度々話題になる「精日(精神日本人)」という言葉。中国人でありながら、過去の日本の軍国主義などに親近感を持つ若者を指す言葉で、中国では逮捕者まで出ているのです。今回、海南省海口市では旧日本軍の軍服を着ていた女性が「公共の秩序を乱した罪」という罪状で勾留されていることが報じられています。
中国海口市公安局(3月17日)は今月15日、海口市内の夜市で食事をしながら談笑する若者たちの動画がネットに投稿されたと言います。この映像からは、若者グループの女性が旧日本軍の軍服を着用し楽しそうに喋っている様子が確認出来ます。公安の取り調べによると、女性はネット上で旧日本軍の軍服を購入したことが分かっています。
今回の事件がきっかけで、中国のウェイボ(中国版Twitter)では、女性を非難する声が多数寄せられている他、「公共の秩序を乱した罪」の定義についても疑問の声を寄せるネットユーザーも多くいました。
昨年8月、江蘇省蘇州市では浴衣を着用し歩いていた若い女性が突然、警察当局に連行される事件が起こっていました。この際も警察は、「公共の秩序を乱した罪」の罪状で女性を拘留し、「お前は中国人だろう!」と激しく罵倒する様子がネットで拡散されていました。
警察当局によって極めて恣意的に解釈される「公共の秩序を乱した罪」や「騒動挑発の罪」に対して、中国のネット上では「旧日本軍の軍服と浴衣はアウト。日本の多くの自動車会社は戦争中に戦車や戦闘機を作ってたけど日本車に乗るのは良いのか?基準が全く理解できない」「中国の人民服の由来は日本の学生服だ。浴衣を取り締まるなら人民服を着ている中国人は逮捕されないといけないことになる」「こうした罪状の根拠に国民感情を傷付けたという理由が挙げられているが、具体的に誰がどのように傷付いたか説明してほしい」などの声が寄せられています。