中国の日本旅行ガイドブック 靖国神社の写真掲載で販売中止に | 周来友 オフィシャルブログ

周来友 オフィシャルブログ

中国出身のジャーナリスト、タレント。
公式ホームページ:http://zhoulaiyou.jp

今年で戦後78年を迎えます。戦争経験者も少なくなる中、今も戦争の歴史を巡り韓国や中国、日本の間では様々な外交問題が報じられています。今回、中国では過去に発売された日本旅行のガイドブックに対し批判が殺到し販売が停止される事態となっています。

中国メディア・中国新聞網(3月14日)は、2014年から中国国内で発売されてきた日本旅行のガイドブックについて、その表紙に靖国神社の写真が掲載されていたことがネットユーザーに指摘され、販売停止となったことを報じています。



このガイドブックを販売していたのは大連理工大学出版社で表紙部分に靖国神社の屋根の写真が掲載されていました。中国では靖国神社を巡っては、戦犯が合祀されていることから靖国神社事態の存在について先の戦争を肯定的に捉えているとの指摘が寄せられており、度々外交問題も発展してきました。そのため、靖国神社の写真を表紙に採用した今回の旅行ガイドブックに批判の声が殺到したのです。

過去には、中国人俳優の張哲瀚(チャン・ジャーハン)が日本を訪れた際に靖国神社で撮影した写真がネット上で拡散され、張哲瀚がネットで炎上したり、日本の人気声優が靖国神社を訪れたことをSNSで投稿したところ、やはり中国で炎上し同声優の参加作品を中国で放映するべきではないという声も殺到していました。

とはいえ、実際に靖国神社や明治神宮、皇居周辺は中国人訪日客にとっては人気の観光スポットです。以前、こうした場所を訪れている中国人観光客に取材を行ったことがありますが、彼らの多くは歴史問題と歴史文化を理性的に分けて考えており、日本旅行を純粋に楽しんでいました。日本ではこうした報道があると中国全体が反日主義のように見えるかもしれませんが、80年代生まれ以降の若い世代を中心に日本に好感を持つ人が非常に多いのも事実なのです。