中国経済学者が32兆円規模の子ども手当創設を提言  | 周来友 オフィシャルブログ

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中国出身のジャーナリスト、タレント。
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少子化対策が課題となる中国。これまで政府は解決に向け様々な施策を行なってきました。これまでに行われた施策には、「三人っ子政策の導入」「離婚への行政介入」「塾禁止令」「育休・産休の延長」などが挙げられます。さらに、地方政府による独自の施策として、北京市が行なっている子育て世帯への公共住宅提供なども挙げられます。

しかし、こうした施策の元でも少子化改善の兆しはまだ見えてこないのが現状です。若い世代が子供の出産を控える最大の理由は教育費の高騰で、学歴社会である中国では子供を大学まで送り出すには、約3000万円掛かるという試算も発表されており、教育費の捻出は若い世代にとって非常に厳しい問題となっているのです。



こうした中、中国では出産奨励に向けた新たな提言が注目を浴びています。中国の著名な経済学者・任澤平氏は今月10日、インタネット上で「少子化解決に向けた報告書」という論文を発表しました。この論文では、中国の実質的な出生率が1.1程度となっており、若い世代の産み控えが起こる背景にはやはり経済的理由が大きいと指摘しています。そこで同氏が提言したのが、日本の子ども手当にあたる32兆円規模の「生育基金」の創設です。



この「生育基金」とは、国家と地方政府が予算を出し合い子育て世帯に対し、子ども手当を現金で支給するというもので、さらに基金の予算から住宅手当支給や保育所の増設を実施していく内容となっています。今回の提言について、5000人のネットユーザーが支持・不支持の投票を行い3300人が支持、1700人が不支持という結果となり概ね支持する人が多かったのです。子育て世帯が経済的懸念を払拭出来た場合、10年で5000万人の子供が生まれるとも指摘していますが、 実際にこの試算では子供一人当たりに支給される金額はわずか約4万元(64万円)程で、現実的ではないという意見も多く寄せられています。

様々な少子化対策を行う中国。女性が安心して働ける社会の実現と極端な学歴社会の解消が大きな課題となっています。