西安版「武漢日記」が閲覧制限へ  | 周来友 オフィシャルブログ
新型コロナウイルスに関する情報について

周来友 オフィシャルブログ

中国出身のジャーナリスト、タレント。
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新型コロナウイルスの感染拡大が深刻となる中国。現在も陝西省西安市では都市封鎖が行われ、妊婦が立て続けに流産したり、病人の治療が出来なくなるなど、重大な事件も起こっています。情報統制も行われているとみられ、政府や当局に不利な報道は規制され現地の詳しい状況は外部に伝わりにくくなっています。



こうした中、西安の状況を伝えてきたのが独立記者・江雪が、ネット上で公開してきた「長安十日」と呼ばれる日記です。これは、西安市の都市封鎖前から1月3日までの間、西安での市民生活などの状況を詳しく記載した日記で、今月4日に公開されると多くの人の共感を呼び、さらに西安の状況を知る上で貴重な情報源として海外でも大きな注目を集めていたのです。




《江雪》


ところが公開から4日経った今月8日、「長安十日」は中国国内のネット上で削除対象とされ、現在閲覧が出来ない状態となってしまったのです。一体、何が起こったのでしょうか。

「長安十日」には、2021年12月末に市民に向け大規模な核酸検査が実施されその後、都市封鎖の噂が市民の間に流れ、スーパーマーケットでは食料を買いだめするため訪れた市民による食料争奪戦が繰り広げられていたことや、突然都市封鎖が発表され、物流が停止となり、ネット上で購入した物が一切届かなくなってしまった状況など、西安市の混乱が書かれていました。

また、一人暮らしをする独居老人への行政の対応や、地域によって食料配給の待遇に大きな差が生まれたことで、飲まず食わず過ごす市民の存在、ゼロコロナを重視するあまり、病人への治療が遅れ死者が出ていることについても伝えており、こうした記載が反体制へと繋がるものであると政府によって判断された可能性が高いと考えられます。

政府に対して直接、意見を述べる内容も日記の最後に確認できます。日記の最後には、「政府は西安はコロナに勝利するしかなく、他に選択肢はない、決して後退しないと言っているがこれは単なる空論だ。反省もなく教訓を学ばなければ何の意味もない」と、書き記しています。

中国では以前、武漢日記が大きな注目を集めましたが、やはり閲覧制限の対象となり中国国内のネット上から削除されてきました。コロナ禍において政府が守るべきなのは国民の健康と安全であって自らの面子ではないはずです。市民からの意見や批判は、改善点として受け止めるべきなのではないでしょうか。