中国で30年ぶりに誘拐された子供が発見 誘拐組織の解明には難しさも | 周来友 オフィシャルブログ

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中国出身のジャーナリスト、タレント。
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年間20万人の児童が誘拐されていると言われる中国。近年では、中国全体で約2億台の防犯監視カメラが設置されるなどし、児童誘拐の件数も減少していることが伝えられています。


中国では、今年1月から誘拐事件専門の部署『團圓(だんえん)』を立ち上げ、DNA照合技術を使い過去に発生した誘拐事件を含め大規模な捜査を行ってきました。その結果、今年に入りかつて誘拐された子供の身元が特定され、家族と再会を果たすというニュースが頻繁に報じられています。その一方で、誘拐事件を起こした犯罪組織の実態解明についての懸念も報じられています。

昨年5月、中国広西チワン族自治区桂林市では32年前に誘拐された子供が家族と再会を果たしたことが報じられました。1988年当時、生後5ヶ月だった乳児が路上で何者かに誘拐され、乳児は別の家族のもとで育てられていました。その後、乳児の実の両親は昨年、公安当局に自分たちのDNA情報を提供し、乳児の捜索が行われてきました。その結果、実の子供の行方が特定され再会を果たすこととなったのです。

実の両親たちは、誘拐された子供を誘拐組織から買った育ての家族について、厳罰に処分してほしいと警察当局に要望していましたが、地元検察はすでに時効が成立しているため逮捕することができないことを明らかにしてきました。さらに、誘拐された男性はメディアの取材に対し、「30年以上、大切に育ててくれた育ての親を罰することは望まない」と語っています。

こうした状況について中国のネット上では、「警察は誘拐組織から子供買った育ての親を任意でもいいから取り調べをするべきだ。組織が行った他の児童誘拐の手掛かりになるかもしれない」、「この子供は洗脳されている。誘拐組織から子供を買う人がいるから誘拐がなくならないのだ」などの意見が寄せられています。

まだ数十万件の誘拐事件が未解決となっている中国。事件解決の糸口となる誘拐組織の多くが今も野放しとなっている背景には、こうした事情もあるのです。