新しい生き方を見出す若者を政府が批判 一体なぜ | 周来友 オフィシャルブログ

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中国出身のジャーナリスト、タレント。
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“躺平(タンピン)”という新たな中国語が中国社会を騒がせています。タンピンとは「寝そべる・横たわる」という意味で、中国の若者の間に広がる消極的で内向的な生き方を表した単語です。日本では以前、物欲を持たない今どきの若者を表す言葉として「さとり世代」という言葉が話題になりましたが、それと同じような意味と言えるでしょう。

日本語では“寝そべり族・横たわり族”とも言われるタンピン族。今、中国ではこのタンピン族を巡り、政府が批判するなど今中国社会ではタンピン族が話題となっています。


中国ではタンピン族の大まかな定義として、「懸命に仕事をしお金を稼いだり、悩んだり疲れる生活を送ることを放棄し、物質的な欲を持たない若者」であると言われています。具体的には、「車や住宅を買わない・結婚をしない・子供をもうけない・消費しない」などの生活を送る若者を指しています。こうした新しい生き方を送る中国の若者に対し、中国国営メディアは「タンピン族に正義はなく、恥である」と、欲を持たない若者を厳しく批判する社説を配信しているのです。中国政府は、仕事やプライベートに対し消極的な若者が増えることで国内経済の停滞、さらには人口減少を招く結果となることを指摘しており、いずれは国家存続の危機となることに大きな警戒感を持っているのです。

こうした政府の指摘に対し中国国内のSNSには、「会社の奴隷となって懸命に働くより、給料は低くてもいいから家でゲームしていたい」、「住宅価格が高騰して一生働いても家なんて買えない。こうした結果を招いた政府にこそ責任がある」、「若者に結婚しろとか子供つくれとか言うなら、せめて教育費の経済的支援を政府がするべき」など、政府に厳しい声をあげるコメントが相次いで寄せられています。

新しい生き方を歩み出す若者と政府の間には大きな溝が出来ているのです。具体的な支援策を示さず、若者の生き方を一方的に批判する政府に対し、失望感や諦めの気持ちを持つ若者が今後さらに増えていくのかもしれません。