台湾花蓮県で今月2日、特急列車が脱線しこれまでに50名の死亡が確認された事故。現場では事故に遭った列車車両の移動作業が開始されており、復旧までに一週間前後かかる見通しとなっています。
事故の原因として、台湾メディアは現場付近の斜面に停車していた作業用トラックが線路内に侵入し列車と衝突したことを伝えています。この時、作業用トラックに人は乗っておらず、運転手がサイドブレーキを掛けていなかった疑惑がもたれてきました。
こうした中、台湾メディアはこの事故原因となったトラックの運転手について、これまでに数多くの交通違反を起こしてきた人物であると報じており、すでに台湾当局はこの運転手に取り調べを行なっています。
トラックの運転手だった男性は、この5年間で少なくとも20回以上の交通違反を繰り返していたことが分かっています。地元メディアは運転手を実名で報じており、これまでに複数回のスピード違反、信号無視、駐車違反、さらに二度に渡り車検切れの車両を運転していた記録が確認できたと伝えています。
運転手の男性が経営する会社について、メディアは資本金がわずか800万円ほどで、少なくとも15億円以上となる賠償金の支払い能力がない可能性が高いと伝えています。運転手には今後、過失致死罪が適用される見通しとなっており最大で懲役5年の有期刑が言い渡されることになると報じられています。
普段から危険な運転で交通違反を繰り返していた運転手。危険運転の常習者によって50名以上の命が犠牲になりました。台湾では今回の事件をきっかけに、こうした危険な運転手に対する罰則の在り方も大きく変わっていくかもしれません。