中国で児童虐待が厳罰化へ | 周来友 オフィシャルブログ

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中国出身のジャーナリスト、タレント。
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新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛のストレスは、社会生活に様々な悪影響をもたらしています。自粛警察の出現、殺人・傷害事件、詐欺事件など様々な事件が日に日に増えているのです。

子を持つ親として特に懸念しているのが児童虐待の増加です。厚生労働省の発表によると、1~3月に児童相談所が虐待として対応した件数を調査した結果、前年同月比で1~2割増加していたことが分かりました。新型コロナウイルスと直接の因果関係があるのかは不明ですが、その可能性は大いにあるでしょう。

一方、中国でも児童虐待は深刻な社会問題となっています。中国政府はこうした児童虐待の増加を受け、厳罰化に向け法案の修正に入りました。

21日に開幕した“中国人民政治協商会議”では、新型コロナウイルスに勝利したことを全面的にアピールする会議が進めらる一方、国内の社会問題についても話し合われましたが、ここで特に大きく扱われたのが、《未成年人保護法》の強化でした。《未成年人保護法》とは、中国において未成年者の権利や尊厳を尊重し、虐待から守ることが定められた法律です。

近年、インターネットの発達により、動画配信産業が大きな成長を見せている中国。このため、自分の子供をネットアイドルや子役などにして、多額のギャラや広告費を稼ごうという親も急増しています。中には、子供に下着のみを着せウォーキングさせるようなファッションショーも存在しており、児童ポルノ犯罪の観点からも懸念の声が高まっていました。





今回、中国政府は、現行の法律ではこうした商業利用から児童らを守ることが出来ないとして、法律の修正を話し合うこととしたのです。今後は、児童が商業活動を行う際は、その内容や児童の身体への影響、義務教育機関での成績などについて基準を設け、順守することが義務付けられる見通しとなっています。今後、中国では、行き過ぎたステージママ的行為が虐待と見なされることになるかもしれません。