新型コロナウイルス、中華圏での政治バランスにも影響 | 周来友 オフィシャルブログ

周来友 オフィシャルブログ

中国出身のジャーナリスト、タレント。
公式ホームページ:http://zhoulaiyou.jp

新型コロナウイルスが中国で感染拡大を続ける中、中国と台湾の間では政治問題も噴出する事態となっています。

世界保健機関(WHO)は今月8日に開かれた会見で、新型コロナウイルスについて話し合う会議で非加盟の台湾を例外的に参加させることを明らかにしました。台湾はこれまでWHOへの加盟について、民進党成立後、中国の強い反対があり認められておらず、あくまでも中国の一部としての台湾省として、中国から情報を共有される形で間接的に情報を得てきました。

《先日開催された新型コロナウイルスに関するWHOの会議》

今回の新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化する中、台湾でも感染者の拡大が懸念されるようになり、日本やアメリカは感染拡大を食い止めるため、今月6日に開かれたWHOの会議で「地理的空間を生み出すべきではない」として、台湾をWHOの会議に参加させるべきであると強く主張したのです。

こうした主張に対し、中国は「民進党政府は新型コロナウイルスを利用し独立を企てている」として強い抗議を行いました。アメリカと日本の強い要望の結果、これまでWHOで「中国の台北及びその周辺」として定義されていた台湾が明日から始まるWHOの新型コロナウイルス対策会議に出席することが認められたのです。今回の例外的な措置を受け、台湾からもウイルス学の専門家が会議に参加し各国と情報交換を行うと見られています。

今回の新型コロナウイルスの発生で中国では様々な変化が起こっています。中国版Twitter・ウェイボーでは、中国政府や武漢市政府への間接的な不満のコメントが多く見られるようになっています。さらに今回ご紹介したように台湾の国際的な地位に変化も見られています。

昨年、香港では中国政府や香港政府に抗議する大規模デモが発生し、台湾では独立思考の強い民進党・蔡英文氏が再選を果たしたました。今年は香港大規模デモや台湾への中国からの政治的圧力がさらに強まると思われていた中、今回の新型コロナウイルスが発生したのです。今後、新型コロナウイルスの影響で中華圏での政治バランスにも大きな変化が見られるのかもしれません。