蔡英文再選で台湾の観光業界からは不安の声も | 周来友 オフィシャルブログ

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中国出身のジャーナリスト、タレント。
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総統選挙から一夜明けた台湾で、観光業界に懸念の声が広がっています。対中強硬路線を採る民進党の蔡英文が再選したことで、今後中国から台湾への観光客の激減が現実のものとなるからです。台湾メディアは、すでに一部旅行会社がコスト削減のため、中国人旅行者の受け入れを担当する部署や支社の営業を停止したと報じました。

《過去最高の投票数を獲得した蔡英文だが、今後の経済対策が課題だ》

台湾の大手旅行会社・創新旅行社の関係者によると、蔡英文政権が初めて成立した4年前は1日当たり数万人だった中国人観光客の数が、蔡英文政権成立直後から急速に減少し、現在1日わずか数千人にまで落ち込んでいると言います。実際、創新旅行社は昨年11月に行った社内会議で、蔡英文が再選した場合、コスト削減のため台中支社の営業を停止すると決めていました。

台湾全土の旅行会社で組織される旅行商業公会は、蔡英文再選の結果を受け、「中国は地理的にも台湾に最も近く、台湾と中国の間で観光交流がなくなっていいはずがない。台湾は日本や韓国と同じように中国との関係強化を模索するべきである。政治の力を発揮し、知恵を持って関係改善を実現してほしい」との見解を発表しました。

一方、台湾の名門・静宜大学観光学部の黄正聡教授は、今後の台湾の観光業について「今後中国政府が中国人の台湾への個人旅行を解禁するかしないかに関わらず、台湾には魅力的な観光分野が多くある。医療ツーリズムや、親族訪問、ビジネス視察などの分野をしっかりアピールし、情報発信していくことで、毎月10万人前後の団体客は見込める」と分析しています。

2015年には350万人もの中国人観光客が台湾を訪れていましたが、2018年には200万人まで激減しました。中国の旅行業者の中には、訪台旅行者を専門的に扱う旅行会社なども少なくありませんでしたが、蔡英文再選により台湾の観光産業は今後、脱中国が課題となるはずです。果たして蔡英文政権は今後、中国との観光交流をどのように進めていくのでしょうか。