広州市道路陥没事件、1名の遺体を収容 | 周来友 オフィシャルブログ

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中国出身のジャーナリスト、タレント。
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昨年12月1日、中国広東省広州市の道路で衝撃的な事件が発生しました。地盤沈下によって道路が38メートルに渡って陥没し、清掃車両1台と、電動スクーター1台が落下したのです。中国メディアは陥没の原因について、当時、事件現場付近で地下鉄工事が行われていたため、工事が原因ではないかと報じていました。

穴に転落した車両には男性3人が乗っており、当然ながら救出活動が行われると思われましたが、事故原因となった地下鉄工事を行っていた広州市鉄道当局がこの陥没した穴に大量のセメントを流し込み、3名を生き埋めにしてしまったからです。

《事件発生後、鉄道当局が手配したトラックによってセメントが流されている実際の様子》

当時、陥没した穴からは転落した男性の声も聞こえていましたが、鉄道当局は警察当局などが見守る中、セメントの注入を強行したのです。このときの映像は中国国内でもSNSを通じ拡散され、鉄道当局や警察当局の非人間的な行いに批判が高まり、地元政府の庁舎前では大規模デモが行われる事態となっていました。

こうした批判やデモを受け、鉄道当局は今月6日午後5時頃になり、ようやく3名の捜索活動を行うことを正式に発表。翌7日未明、地下21メートルの地点から電動スクーターに乗っていたとと見られる男性一人の遺体を発見しました。

亡くなった男性の弟によると、男性は妻と娘2人の4人家族で、下の娘は大学生、結婚した娘には子供が生まれ、孫が出来たばかりの幸せな生活を送っていたといいます。突然幸せな生活を奪われた男性の遺族は、今回の事件は人災であるとして鉄道当局や警察に責任を追求する構えを見せています。

2011年に温州市で起きた高速鉄道の衝突事故でも、鉄道当局が乗客の救助活動を行うことなく車両を地中に埋めるという信じられない対応を採り、40名が死亡。人命を軽視する当局のやり方に、国内だけでなく、世界中から大きな非難が寄せられました。




今回の鉄道当局の対応を見ていると、温州市での事件の教訓が全く生かされていないと言わざる得ません。現在も2名の遺体は陥没した穴の地下深くに取り残されたままです。誰も責任を取ることなく、同じ過ちを繰り返す鉄道当局に政府は黙認を貫くのでしょうか。