深刻化する中台関係、影響は文化面にも | 周来友 オフィシャルブログ

周来友 オフィシャルブログ

中国出身のジャーナリスト、タレント。
公式ホームページ:http://zhoulaiyou.jp

台湾に“台北金馬映画祭”と呼ばれる台湾最大の映画祭があります。台湾版アカデミー賞とも言われるこの映画祭。台湾・中国・香港の中華圏で制作された優れた映画作品やスタッフを表彰するイベントで、1962年から続く、歴史と由緒のある映画祭として世界的に知られています。



中国やと台湾は政治的な対立が長く続いてきましたが、近年では中国人俳優が台湾映画や香港映画に出演したり、台湾俳優が中国のドラマや映画、テレビ番組に出演するなど文化交流は比較的、穏やかに行われてきました。しかし、こうした文化交流も今後、目にする機会がなくなってしまうかもしれません。

中国国家電影局(映画作品などを管轄する当局)が本日付で、今年11月に台北で開催される金馬映画祭に、中国が参加しないことを表明したのです。背景にあるのはやはり“一つの中国”を巡る両者の対立でしょう。

これまで平和的に行われてきた金馬映画祭ですが、昨年頃から映画祭で政治的発言をすることが問題視されるようになったのです。昨年11月の授与式では、ドキュメンタリー映画の監督・李安氏が、映画祭の授与式舞台上で台湾独立に言及、中国の怒りに触れたと伝えられています。中国は映画祭への参加拒否を表明することで台湾への圧力を高めているのです。

中国政府は先日、中国から台湾への個人旅行を全面禁止とする措置を発表したばかりでした。それが、観光など人的交流や映画祭へのボイコットなど文化交流への影響を引き起こしているのです。中国では数年前から、中国の意にそぐわない政治的思想を持つ、香港・台湾出身の芸能人数人について、中国国内での芸能活動を認めない方針を打つ出しています。政治問題に揺れる中台、その影響はすでに一般市民の生活にも及んでいるのです。