ああ、体感5分
みなとみらい駅前のイルミネーション。
光るブレスレット(あれなんて言うの?)を振ってみんなで曲をリクエストした時の光景に重なる。
ちなみに私は紫(レックレ)を振ったよ!
そして指差し食らったよ!
そう、正面だったんですよ・・
スタンド一列目真正面ど真ん中
大きくリンクが見渡せ、羽生結弦「選手」もモニターもプロジェクションマッピングも完璧に見え。
ああ、一生分のラッキー使い果たしたかも。
「6分間練習」
とアナウンスが聞こえた時は、「おおおおお」というどよめきが響きましたよ。
誰も叫びはしなかったし、声出し不可なのももちろん分かってたけど、漏れ出た声があまりにシンクロしてしまってw
歓声を思い出してなんだか懐かしかった。
実は隣近所のお客さんと、
「練習から見せるんじゃないか」
「なんなら練習着でも」
って話してたし、ジャージで登場したのがシルエットで分かったから、分かってはいたんですけどね、アナウンスを聞いたら、「6分間か、そうか6分間か・・」って。
それにしても、あの鼓動の速さ。
まずは、音響すごいな、なんて思いましたけど、あの早鐘のような鼓動に、次第にいたたまれない気持ちになったことを白状します。
そして、ああ、これは羽生結弦というアマチュアスケーターの心の歴史、栄光の内幕で人間・羽生結弦がどう生きたのか、その内面に迫るショーなのだ・・と了解しました。
舞台装置は完璧でしたよ。
名前がコールされて、ルーティーンが始まってしばらくすると、完全な静粛。
観戦経験のない人もたくさんいたでしょうに、誰一人空気を乱す人はいなくて、全観客が心を一つにして、この架空の「試合」を本物にしたことに私はけっこう感動しました。ええ。
SEIMEIも完璧でしたよ。
オリンピックのように・・いや、オリンピック以上に完璧で、微塵の綻びもなくて。
でも、不思議なことに人間に見えたんですよ。
いや、人間なんだから当たり前なんだけどさw
平昌の時って、もう人間と思えなかったじゃないですか。
4Tコンボがつかなくても、ルッツの着氷が乱れても、それも含めてこの世ならぬものの仕業で、人間の所業とは思えなかったし、オリンピックという舞台も含め、全て現実とは思えなかった。
でも今回のSEIMEIには、そこに人間がいるという感覚がハッキリあったんです。
ぶっちゃけ、現実ではないわけですよ。
これは試合ではなく、ショーの一コマ。架空の「試合」を、観客も含めた皆が創り上げている。
なのに、そこにひとりの人間がいて、おそらく人間というもののなしうる美と運動の限界を、今そこで私たちに見せているんだというリアリティが、一つ一つの筋肉を通して感覚として伝わって来まして、にわかにハッとしました。
私はこんなふうに羽生結弦を見たことはあったかな?頭ではわかっていたけど、本当には理解してなかったんじゃないか?って。
そしてSEIMEIのフィニッシュが正面にきたとき・・
これまでもアイスショーで「きゃー目が合った!」ってのは何度もありましたけど、あの目で見据えられたとき、なんだろう、畏怖?ちょっと言葉にできないんですけど、何かを見透かされたような気がして、体が固まって何もできなかったっす。
スタオベ?
そんなこと微塵も思い出さなかった。
金縛りにあったよう、と言うけども、これがまさにそれ。
演技後、挨拶がはじまり、アリーナ席が徐々に立ち上がるのを見て、「あ、ああ、スタオベだよね」って感じで立ち上がりました。
こんなの初めて。
これが羽生氏か、と今更知ったような気がする。
続きはまた。