羽生氏、フリーレンが好きとな?


そうだよね

絶対見てると思ってたし最高だからみんな見よう。

最近うちの姑(76)も、リビングに放置してあった単行本を読んでガチハマりしてるのよね。

これはマジで全年齢、どんな立場の人間にもそれぞれに感じ入るところのある超名作・・


↓5月に娘にせがまれて池袋のフリーレン展行ってきた時の写真。

めんどくさがりの私だけどめっちゃ並んで頑張ったよ・・グッズも並んだよ・・

ちなみに私はザイン推し。ラント(メガネくん)も良いな。

ヒンメルはいい男だが、現実味のあるキャラとしてよりも、なんかこう、諸行無常を体現する存在として尊いと思う。



まだアニメ化されていないけど、特に最新の12巻・13巻は涙なしには読めないよな・・


何よりこのマンガの素晴らしいと思うところは、ヒンメルたち3人の「その後」の人生が直接的には一切描かれていないところ。

あくまでもフリーレン自身が、彼女がかつて見聞きしたことや、今目の前で起きていることを通して理解していく。その当時は思いもよらなかったヒンメルたちの言動の意味や人間性を80年越しで理解して、過去の記憶を塗り替えていく。

そのさまを、我々は同時進行で体験するわけですよ。

ヒンメルはすでにこの世にいないしもう80年も経っているし、そこにどんな感情が芽生えようと、もはや「今更」でしかないんだけども、それでもフリーレン(と我々視聴者)は、錆びついたヒンメル像に新しい命が吹き込まれて、思いが届く、という幸福な感覚を体験する。

これは日々いろんな人を亡くしていく人生後半戦の我々にとっては案外リアルな話なんだけど、こうしてストーリーとして見せられると、ああ、歳を取っても、誰かともう二度と会えなくなっても、こういう幸せは残されてるんだな、って改めて思うし、自分は今からでもまだまだ幸せな人間になれるよね、って思える。


そして個人的に胸熱なのは、ヒンメルやハイターやアイゼンたちが、フリーレンがいつかそうやって自分たちを理解してくれると信じて残りの人生を賭けたのだ、ということが次第に明らかになっていくところ。

それがセリフでなく、状況や結果だけで静かに示されるという描写の仕方も心憎い。


うちの娘などはまだ若いし、シンプルにヒンメルとフリーレンの、「当時の」恋模様に感情を揺さぶられているだけかもしれないけども、別れ=悲しいではなく、その先にある諸行無常と永遠の慈しみを見据えたストーリーは、大人が見ても共感する。


羽生氏、アニメエンディングの「anytime anywhere」で滑ってくれぬかなあ・・


というわけでフリーレンでやたら語ってしまいましたが、昨日の能登のアイスショーももちろん見ました。

これもまた素晴らしかったです。

特にケセラセラ、良かったな・・

先日封切られたミセスの映画がめっちゃ良くて、改めてケセラセラの良さを噛み締めてたところだったので、そのへんも含めて、ちょっと感想書きたくなってます。

というわけで、またね。

ご無沙汰しています。

5月以降、空き時間を稽古に全振りしていました。

低レベルですけど、私なりに充実したシーズンを送ることができた、かな??


書きたいことはたくさんあるんですが、記事を書くのはものすごくエネルギーがいることなので、ちょっと事情もあり、今後も投稿はあまりできないかも。

↓近況はこんな感じです


大河ドラマ「光る君へ」が生きる力です。(今日はおやすみだけど!)

オリンピックめっちゃ楽しかった。

フェイスブックを乗っ取られていたことに半年前に気づいたものの、対処方法がわからないまま放置している・・

コメントを承認後公開に設定変更しました。



羽生氏が9月にアイスショーを配信すると聞いてとても楽しみにしています。

羽生氏への愛とスタンスは10年前と何一つ変わってなくて、でもそれが故に今のファンダムとだいぶ方向性がズレてきたのを自覚しています。

どんなに美しいビジュアルを繰り出されても、頑張ってるんだな、大きくなったな、凄いな、という感想しかないおばちゃんなど、なんの利益にも応援にもならないかもしれませんが、ファン面をするつもりはないので、今後も人知れずここから見続けさせてほしいなと思っています。


ではでは・・

ライビュ初見感想というか順不同メモ。

2回目見たら追加するかな、しなかったらごめんですけど。


スケ衣装、チラ衣装もここに極まってとうとう半裸(違う)なランビエール師弟。

そして今年は半裸っぽい衣装が多かった印象?


昨年酷評されたルンバが今年も活躍していたが、空飛ぶ絨毯に見立てたのは最高。

っていうか城田優のかっこ良さが反則レベル。


スリルがグレードアップしてたエアリアル


ジュニアの男子、15歳と思えん仕上がりっぷりだなあ。


ホットリミットはなかったが、フィナーレのあの衣装、手首に巻いてるのは絶対ガムテープ。

(だから違う)

そして羽生氏、一瞬ホットリミットのポーズをしたよね?


羽生氏ダニー・ボーイは珍しく人間・羽生結弦を感じるプロだと思っていたが、今回のは人外みが増し増して、白鳥やハク様ともまた違うこの世ならぬ美しさが匂い立っていた。

今いちばん生で見てみたいプロ。

現地で見る人は幸せだなあ。


羽生氏フィナーレの登場ステップ凄まじくかっこよかった。

オープニングのダンスは力の抜け感がめっちゃセクシー。


ギヨームの足浮いてるでしょ。

いや浮いてるって絶対。


パイポーがスライダーで倒れ込んで起き上がるのをピッタリシンクロさせるの好き。


サトコさん、背中だけじゃなく腕の筋肉も美しいわ、としみじみ思った。


私はJPOPを自分からは聴かないんだけど、今年はみんな歌が上手なアーティストだったので、聞いたことのない歌も満足度がめっちゃ高かったです。

本当にありがとう!


とりあえず寝ます。

練習映像も公開されて、いよいよですなあ。

私は土曜にライビュに行ってきます。


ホットリミットは誰が滑るのかw

やっぱりあれはオープニングかなあ。

あ、毎年ですけどこの時期は仕事が立て込んでいまして、感想は当分書けないかもしれませんけど、めっちゃ楽しみにしています。

特に西川貴教。


実は最近、娘が何やら戦国武将の音ゲーにハマってまして、その中で伊達政宗が「WHITE BREATH」をカバーしてるんですよね。

そんなわけで、我が家では最近毎日WHITE BREATH」が流れてます。

ゲーム知ってる人にしか伝わる気がしないけど。


ちなみに娘の最推しは片倉小十郎です。

(私の中では西郷輝彦ね。)


何の話だかわからなくなりましたが・・

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今日やっとジュエルズが届きまして、インタビュー読みました。

やってみたいスポーツ、弓道!


昔からそんなような事は言ってたけど、ほら、アーチェリーか弓道か・・みたいな感じで弓ならなんでも良さそうだったじゃない。

今回は弓道とはっきり答えてましたぜ?


いつかやってみてほしいですね・・

そのためにも体を大事にね。

もはや理由はわからないけどただただ泣けました。
 
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小学生、中学生の頃から宇野選手と共に戦ったり、共に歩んできた身としては、どれほどの覚悟で頑張ってきたのかを知っていますが、少し環境が変わるだけで、これからも頑張っていくのだろうから、僕からの「お疲れさま」は言わないでおこうと思います。

 どうかこれから先に、幸せをたくさん思い描けて、たくさん叶(かな)いますように。

 『宇野昌磨』の理想のスケートを、ずっと楽しんでいきます。

 普通の、年齢が3つ違いなだけの男性同士で、たわいもない会話をしましょう。そしてまたスケーターとして、リンクで、笑いながら本気出せる、熱くなれる、2人にしかできない時間を過ごせる機会がくることも、どちらも本当に楽しみに待ってます。

 「ゆづくん」として「昌磨」と世界で競技してこれたことが、本当に幸運なことで、楽しかったです。本当にありがとうございます。

 これからも“また”楽しみがたくさんありますように。

羽生結弦

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ほんとにほんとになんというか、この言葉が聞けて嬉しかった。

羽生氏の価値観と視点から2年前の昌磨のコメントを読み返し、再確認したような感覚。それぞれ価値観が違うことは理解した上で認めあう切れない絆というか、心からの抱擁がそこにあるのが見えるよな。

これは「礼儀」だとか「挨拶」だとかの言葉で軽く扱えるコメントじゃないよな。


昌磨の引退については、そうか、もうそんな時になったか、と、親戚の子の成長にびっくりするような感覚だった。思ったより早かったけども、たぶん彼の中の潮流みたいなものがそうさせたんだろうな、っていうのが伝わってきて清々しい。

これは昔から言ってることだけど、私は弓道をやっている上での感覚的なところで、昌磨の演技に共感することがけっこう多い。

彼の演技は、手先から出る糸で図形が描かれているような、禅僧の描く水墨画のようなイメージがあって、音楽をやや抽象化して骨組みを明確に、枝葉は描ききらないでおくようなところに趣味の良さを感じるんですよね。

私は自分とは違う驚異的な感性を持つ羽生氏の演技にいつも驚かされるし、最新の演目を常に見たいと思ってるけども、昌磨の演技にはいつもその感性に共感する。特に近年のショートやショーナンバーはますます趣味の良さが際立ってるし、ジャンルは違えど、羽生氏と高橋大輔さんを合わせた三人、間違いなく日本男子の三大スケーターだよね。

いつか三大テノール的な公演があったら素晴らしいなと思ってるんだけど、まあそれはその先の夢だとしても、こうして皆が競技を去った今、いがみあうそれぞれのファンのお気持ちに関わらず、また心置きなく彼らの芸術を語れたらいいなあと思います。

感動をどう書いていいかわからなくて時間が経ちましたが・・

ノッテステラータ最終日生配信と、初日のディレイ配信(仕事中だったのでカルミナのみ)を見ました。

なんか、羽生結弦の神髄見ちゃった気がする・・

なんて安っぽい感想しか出てこないけど、やっぱり凄い。クラッシックで滑る羽生結弦。

 

羽生氏自身は、クラッシックはあまり近しい存在じゃないと以前語ってたと思うけども、もしかしたら、近くないからこその良さ、なのかなあ。

彼の技能の生かされ方や、作品との距離感が絶妙だなっておもう。

 

ところで、羽生氏にぜひカルミナをやってほしい、っていうファンの意見は昔からあったけど、こういうのを想像した人はいたんだろうか?

私は漠然と運命の女神側を演じるとばかり思ってました。

人間の男の方だったとは。

(言ってることがちょっとバグってるw)

 

好きなのは、女神こと大地真央に誘惑される場面。

どのアクションも二人の動きがピッタリ合っているし、まさに紐で引っ張られて操られているみたいで何度も見ちゃう秀逸さ。

「進みたいのに進めない」という滑りの表現も面白い。こんなの初めて見た。

 

それにしても、鳥の声に「春」のフルートを繋いでからの「森は花咲き繁る」「この上なく美しい女」「終曲」ってのが神編曲ですよね!

春=震災のあった時期に、鳥のように跳ね回る10代の羽生氏のイメージを重ねつつ、原曲で描かれてる人間の生命力や猥雑さもちゃんとふまえてて最高。

 

あとね、冒頭の振り付けがいつもの「ルーティン」をちょっと崩したものだったのも面白かった!

なるほどその手があったか。

 

 なお、カルミナ・ブラーナの解釈については手っ取り早く解説動画をどうぞ。

白鳥の話も出てきて、なかなか良いです。

 

 

全曲聴くならはやはりこれかな。

小澤征爾 日本語字幕付き。

 

 

ダニー・ボーイ

カルミナの衝撃も凄かったけども、より心から震えたのはこちらかも。

 白鳥や春よこい、ハク様、それからレクイエムも、彼のこのようなプログラムは「人ならぬ何か」を表現していたことが多い気がするんですが、この曲は生身の人間・羽生結弦として逃げも守りもしない真心という感じで没入感がすごい。

きっと勇気のいることだと思うけど、叶うことならずっとずっと、ショーを続ける限りレパートリーにしてくださいお願いします。

 

この曲は、私の中では「ブラス」っていうイギリス映画の中で、入院した指揮者のためにバンドが病院の庭で演奏するシーンがとても印象的だった。

(最近日本のドラマでも似たようなのがあったな。)

 

そしてフィギュアではなんといってもハビちゃんのイメージ。

いかにもハビらしい北米ぽいヴォーカル入りで、あの高い音のところでイナバウアーを見せてくれるのが素敵だった。

当時羽生氏は21歳くらいだったかな?あの時は彼がこういうのを滑るなんて全然イメージできなかったけど、昨年の「サブスク堂」でこの曲が話題に上がった時は、

「今ならイケる!ダニー・ボーイ来い!来い!」

って思った。

月日の流れが感慨深い・・。

振り付けはデイヴィットですかね?

 

ジャンプのあとに足をちょちょいっとしてすぐにスピンに入るのが好き。(語彙力)

衣装も好き。真っ白で、キラキラしてて、でもボロボロなの。そして潔いオールバック。

これまで力強さ男っぽさを演じる時にやってたオールバック、この曲だとシンプルさの極みというか、もはや演じるためではなくて、羽生結弦の真心を見せるためのミニマムな姿って感じがする。

 

ステップのひとつひとつ、回転のひとつひとつが、音に合ってるとかそんな次元ではない音楽そのものと感情の重なりに見える。

この曲はいろんなバージョンがあるけども、このピアノの演奏の「間」が素晴らしく良いし、ほんとにこの曲と出会ってくれてありがとう。サブスク堂もありがとう。

 

もう火曜日だというのにまだ「光る君へ」の衝撃から立ち直れず。

昨日、職場で大河ドラマを見ていそうな人に話かけてみたけど、今年はあんまりいない・・(小声)

やっと見つけた一人も公任推しで、いまひとつ心が通い合わなかった。

 

しょうがないので今日になって、仕事もそこそこに「夕顔の巻」を改めて読みました。

第9回を見て夕顔の巻、特に後半を思い出したので。

 

学校や教材で扱う「夕顔の花」の歌のところが有名だけども、高校のときにたまたまこの巻を読んで、むしろその後の人間描写になんともいえないリアリティーとおぞましさを感じて印象に残ってます。

 

頓死した夕顔が次第に冷えて物質と化していくのをただ見ているしかできない無力感や焦りだとか。

なんでこんなところに連れてきてしまったんだろうという激しい後悔や自責の念だとか。

怖がって泣き伏す女房の右近を抱えて、大丈夫だよ、と一人で強がるものの、乳母子の惟光がやってきたとたんに力が抜けて激しく泣き出すだとか。

 

二人で協力しながらたどたどしく遺体を敷物でくるんで車にのせて、でも、もしかしたら、ワンチャン生き返るのでは、と思うとその場を去れないだとか。

心ここにあらずで仕事を休み、食事もできず、そのまま20日も休暇をとってしまっただとか。

 

もちろんシチュエーションは違うのだけども、まさにこのドラマの道長でありまひろであり、私たち視聴者の思いそのものだよな、と思いました。

 

本当に凄いもの見せていただいたな、って思いました。競技時代の感覚に近いものを感じる。


個人的には、特に椎名林檎プロが良かったんだけども、どの新プロも完全に音楽と一体化してて、彼自身のものになりきってたし、何より気迫がすごかった。

そして破滅への使者の冒頭4Sやばかった。


キュっとものすごい勢いで回りはじめ、緩めるように降りてきて、3回転かと見紛えた。

跳び方変わった?

そこから先のジャンプも凄まじくて、特に連続ジャンプ凄かったですねえ。単独ジャンプみたいに完璧で。

会場のボルテージがどんどん上がっていく感じも伝わったし、仕事を終わらせてリアタイして良かったなあ。


どっちかと言えば、彼は具体的なストーリーよりも音楽的感情を表現するタイプかなと私は思ってるんですけど、でもここまでいくと音楽だとかストーリーだとかいう次元ではなくて、その空間に現れた異世界を見る祭祀のような感覚があって、それはそれで羽生結弦にしかできないよなと言う納得感がある。

こうしていろんな人の好みにフィット・・というよりは好みも価値観も薙ぎ倒して圧倒させてしまうのが彼の凄さなんだろうな・・


さて、次のノッテ公演はどんな感じになるのかな。

スターズオンアイスには出るのかな?

今年もぜひ出て欲しいなと個人的には思ってます。


そうそう、個人的なことなんですが、某SNSがあまりにめんどくさいので、けっこうミュートしたらめっちゃ情報少なくなって、週一くらいしかチェックしないようになった・・らチケット情報とか逃しまくりましてw

どうしたら必要な情報を逃さないでいられるんだろうw


大河ドラマ、光る君へを楽しく楽しく見ていてどうしても書きたくなったこと。



◯緌(オイカケ)について

道長はじめ、武官が耳元につけてるモシャモシャしたやつw

お雛様の家来にもついてるけど、存在意義がずっとわからなくてですね・・

あれは「つけモミアゲ」または「つけ耳毛」だろうとずっと思ってました。なんか強そうに見えるじゃん。


でも今回ドラマ中で道長が弓を引くシーンを見て確信。

あれは弦で顔を打たないためのプロテクターだわ。(断言)


弓を引くとき、たまに顔に弦が当たるんですよ。

めちゃくちゃ痛いしメガネ飛ぶんですよ。

でも、あのモシャモシャがあれば安全。

痛くないし、メガネも飛ばない、はず。

顔を打つ弓道人は今日からオイカケをつけるべき。(嫌)


ちなみに知らなくていい補足をすると、現代の弓道で顔を打つのはミスでしかないので、あんなプロテクターつけてたらまあまあみっともないです。(いやそういうみっともなさじゃない)


でも昔の射法は、実戦で連射するために顔を打ちやすい方法を採用してたと聞くし、プロテクターは必須だったのかも。


どうでもいい情報でした。


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さて、光る君へ、けっこう楽しく見てます。

ストーリーは遅々として進まないけどw、その隙間隙間に古典文学小ネタと人間模様への考察がみっちり詰まってて、かつ、高校の教科書や受験問題集あたりに載ってたなくらいの知識でけっこう(あれかな)と見当がついたりするのがいい。(でなければ、私などにはわからないw)


しかし今回の道長の和歌!

あまりにド直球すぎてずるくないか。

技巧を凝らした、何言ってんだかわかんないような捻りまくった和歌がイケてた平安中期に、なんなんですかあの実も蓋もないレトリックはw

よくわからんけども、凝りまくった和歌よりこういうのが好き!って女子は実はけっこういたんじゃないかと思うぞ。


一方で彼の漢詩。

よくわからないけど、菊ってさ・・

「男同士で会うときに使うモチーフやんけ(いろんな意味で)」って思った私は中世文学に毒されてますかねw



そしてまひろ

かつて何でも正直に言葉にしていた彼女が社会に出て何度も炎上しながら、だんだんと言葉を失っていく感じ、なんかわかる。


一方で倫子はあらゆる状況において、息をするように洗練された言語化と振る舞いを見せられる。

まひろもそういう倫子をお手本にしようと頑張ってるんだけど、どうしてもそこに虚くささを感じとってしまう感性が邪魔をして、成りきれないんですよね。

なんかわかる。


しょせん人生とは虚構を生きることである、という理不尽な真実を、彼女は既にいくつも経験してるけども、なまじ経験してるが故に納得できない。

だからのちに、物語という虚構の中にのみ「真実」を見出せるという逆説に思い至るんだろうな。

すっげーわかる。



さいごに。

ドラマには散楽(猿楽)一座が登場しますよね。

源氏物語とほぼ同時期に、「新猿楽記」という作品がありまして、このドラマでは登場人物の私的な行動や庶民の様子を描くにあたって参考にしてるフシがあります。

「能」以前の「猿楽」を描いたものとして学生の時に読んだけど、あんまり面白かった記憶がないw

資料としては評価されても、文学としては・・どうなんだろ。今頃は再評価されてたりする?

猿楽や、そこに集うあらゆる職業や境遇の人間を皮肉っぽく類型化してこき下ろすあたり、アメリカンブラックジョークに近い味わい。

かつ、それを真面目ぶってわざわざ漢文で論評するの、インテリおやじの拗らせ臭が漂うんだよねw


書いたのは藤原明衡。当時の「役に立つ漢詩名作ベスト500」的なベストセラー実用書、「本朝文粋」の編者として真っ当に知られてるインテリ。

なぜ拗らせたかな・・w

光る君へ

初回、面白かったです。


かの有名な若紫の

「すずめの子を犬君が逃しつる!」

のオマージュもあったし、まひろが語る作り話が「桐壺」の話だったりとか、家の貧乏っぷりが「末摘花」だったりとか、いろいろありました。


でも個人的に面白いな、と思ったのは、まひろが三郎に「馬鹿」の故事を語ったくだりからの流れ。


まひろは、間違いを知っているのにへつらって指摘しない人を「馬鹿」というのだと言って三郎をなじるわけですが。

その一件のあと、彼は自分の兄が従者に暴力を振るったことを母に言っちゃうんですよね。

たぶん、彼は親に告げ口するタイプじゃないと思うんですけど、黙っていたらまひろの言う「馬鹿」になってしまうと思ったから、あえて言ったんだと思うわけです。


でも、それがきっかけで彼の兄は母への屈折した思いを拗らせまくって、結果としてまひろの母を殺しちゃう。


その因果応報っていうか言霊というか。

まひろが「馬鹿」となじった言葉がまわりまわって返ってくる。

兼家が晴明に呪いを発注するシーンもありましたが、これが「呪い」や「言霊」の本質ってことですよね、たぶん。


そもそもが平安時代という馴染みの薄い時代を扱っているわけなので、見る方も知らないことだらけなのをわかってるし、いっそ「呪いとはなんぞや」ってことをセリフで直接説明しちゃえば早いと思うんですけども、軽々しく言葉で説明しないで、あくまでもドラマ的表現で見せていこうというのが、なかなか腹筋の効いた仕様で面白いなと思いました。

こういうの、私は好きです。



葬送のフリーレン


アニメですけど、これがえらく面白くて最近ハマっております。

娘が金ローで初回を見ていたとき、「音楽 エバン・コール」ってのを見かけて、「えーー!鎌倉殿の13人の音楽を担当した作曲家じゃん!」と食いついたのがきっかけ。(そこ?)


一見、わりとのんびりしたアニメで、ゼルダの伝説とかドラクエとかに出てくるような、わりとありがちな、わかりやすいファンタジー設定。

でもストーリーはRPGにあるような冒険譚とか自己犠牲とか技を磨いて強くなるとかの少年ジャンプ的な内容じゃなくて・・っていうかそういう要素もないわけじゃないけど、人生における一つのエピソードとしてさらっと描かれるだけでことさらフォーカスしないんですよね。


このアニメ、10年かけて魔王を倒した勇者が故郷に戻ってきて、「さあ仕事を探さなきゃ」とボヤいてるところから始まるわけなんですけど、もはや魔王もヒーローもいない、栄光と後悔と恥に満ちた人生のその先をいかに生きるか、っていうことがおそらくメインテーマで、いろんな人間模様が角度を変えながら描かれている。


脇目もふらず何かのために生きてきたつもりなのに、人生折り返す頃になって、気づけば若い人や子供に教えられ助けられて生きていることに気づくのも、いつしか新しい視点を獲得し、内面が変わり、行動が変わっていくのも、何かをきっかけに過去の記憶が鮮明に塗り替えられるのも、自分は死んだ人々の記憶を抱えて今生きているという感覚も、数十年前が「最近のこと」みたいに思えるのも、歳をとるほど「あるある」と共感する話じゃないかと思うんです。

ストーリーよりも、些細な言葉のやり取りの中にリアルな人生を垣間見るというかなり渋い仕様で、50代が見ても普通に等身大に共感できる。

この先どうなるかは知らんけど。


もちろん恋愛要素もあったりするので若い人も面白いのだろうけど、どちらかというとその親世代、40代以上が見た方が色々感じるところがあるんじゃないかなあ。

とにかくどーでもいいところで不意に泣かされる。


素直じゃないひとつひとつの言葉に人生の実感がこもっていて、良い。

戦闘シーンで「あ、あの技は!」みたいに延々説明する的な、くっそ退屈な(くそ退屈いうな)シーンが、無いわけじゃないけど少ないのも大変よい。

そして音楽が良い!

エバン・コール最高かよ。

ミレイが歌うエンディングも好き。


第二シーズン、次回も楽しみにしてます。