標本展示9 最終回 ツヤ ホソアカ編  | zojurasのブログ

七飯町資料館の標本展示紹介最後は、ツヤクワガタ、ホソアカクワガタといったグループです。

 
ホソアカやツヤはミヤマクワガタの親戚になるクワガタムシなので、注目しちゃいます。
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インターメディアツヤクワガタから
 
外産ツヤクワガタで最も手に入れやすい為か、インターメディアはよく見ます。
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ツヤクワガタというと、こういう巨大種イメージがあるのですが、小型種もいます。
 
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ストリアータツヤクワガタ Calcodes  striata
節足動物門 昆虫網 鞘翅目 クワガタムシ科
ボルネオ島、マレー半島、スマトラ諸島に生息するツヤクワガタの一種で、大型種が多いツヤクワガタには珍しい小型種で、体長は最大でも50mm内外にしかならない。
茶色い縦縞模様が入ったような体色が特徴だが、茶色い部分やミヤマクワガタ類やサビクワガタ類のような微毛で、地肌は他の多くのツヤクワガタ同様に黒くて光沢がある。幼虫は倒木下の腐朽した土を食べ、成虫はロダンやアカシアの樹液を吸う。
ツヤクワガタとは思えない小型種であるにも関わらず、その他のツヤクワガタとは一線を画す姿と、独特の姿で人気種となっているが、比較的飼育が簡単なツヤクワガタの中では、幼虫作出や、成虫飼育でも難しいとされている。成虫は中歯型の大顎になるものが殆ど。
 
が左で
 
ケファロテスツヤクワガタ Calcodes cephalotes
節足動物門 昆虫網 鞘翅目 クワガタムシ科
ストリアータツヤクワガタの近似種で、分布域も重なっており、かつてはストリアータの小型個体か、長歯型、もしくは亜種とされていたが、最近の調査で別種に分けられた。
ストリアータとの違いは、ストリアータの大顎形状が中歯型がもっぱらなのに対し、本種は長歯型が殆どとなり、ストリアータより小型で、オスは最大でも50mm以下にしかならない。
生態面や分布域でも重なっているが、ストリアータと同様にツヤクワガタとは思えない姿から個性的な種となっているが、ストリアータ同様にツヤクワガタの中では飼育が難しい部類となる。
 
の二種のような小さいのもいます。
 
いつか生きているのを見てみたいツヤクワガタはこの種類
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インペリアリスツヤクワガタ Odontolabis imperialis
節足動物門 昆虫網 鞘翅目 クワガタムシ科
学名が示す通り、日本語で「皇帝ツヤクワガタ」と呼ばれる。
体長は最大70mmを越すものの、他の90mmや100mmに達するツヤクワガタ類に比べてそれほど大きくなる種ではないが、脚部第一節の鮮やかな赤い色合いと、全身のメタリックな光沢が特徴の美麗種で、その為に皇帝の名を持った種となった。大顎は、先端付近に斧状の内歯が付くが、小型個体となると、左右の大顎形状が全く異なるものとなる。
3亜種に分かれ、ボルネオ島の原名亜種の O.I imperialis と、やや前翅が茶色身を帯びるフィリピンパラワン島産の O.I. komorii 、スマトラ諸島産の O.I. Möllenkampi となる。
闘争性が強いツヤクワガタの中では比較的大人しい種類だが、湿気が多く、気温があまり高くない高地の密林に住んでいる事もあってか、ツヤクワガタの中では飼育が難しい方であり、人気種とはいえ、他のツヤクワガタに比べて多く得られない為に、日本への流通も少ない
 
というツヤクワガタ類です。
 
続いてホソアカクワガタ類。
 
昔は少々華奢な体型の為に、ノコの仲間かと思ったのですが、頭部形状と華奢な外観に似合わず、木にガッチリと掴まる脚力から、ミヤマの親戚という確認がとれたのでした。
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エラフスホソアカクワガタ Cycromatus elaphus
節足動物門 昆虫網 鞘翅目 クワガタムシ科
「オオサマホソアカクワガタ」とも呼ばれ、スマトラ島に生息するホソアカクワガタ類の最大種で、スマトラ島中央部に住む原名亜種の C.e.elaphus と、北部産の C.e.truncatus に南部産の C.e.kirchnei といった3亜種に分けられる。
体長は大きいもので100mmを超え、最大で110mm近くにも達し、金属光沢をもった緑色の体表と、大顎基部と腹部の鮮やかなオレンジ色で彩られており、色彩を持ったクワガタムシとしてはブルマイスターツヤクワガタと共に世界最大の種類であり、その色合いから、クワガタムシの中の最美種ともいわれるが、小型個体では体色が赤みがかった金属光沢になり、殆ど別種のようになってしまう。メスは身体がくすんだ紫色の金属光沢となり、これも同種とは思えないほど色合いが異なる。
飼育困難なクワガタムシで、大型個体を産み出すどころか、繁殖すら難しいとされていたが、低温飼育でかつ、その低温と、幼虫の餌として程良く腐朽したクヌギやナラの材によって大型成虫を作出できるようになった事で、飼育技術が確立しつつある。
優美な姿であり、闘争性もそれほど強く無いが、その華奢な外観に似合わず力が強く、大顎基部の内歯はオスが樹皮を囓って樹液を出す際に使用されるようで、挟まれると怪我をする程。ジャングルの樹液や花などに集まると云われるが、生態の多くは解明されていない。
 
という最美種(個人的にはニジイロクワガタより綺麗だと思う)のエラフスや、
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メタリフェルホソアカクワガタ Cycromatus metallifer
節足動物門 昆虫網 鞘翅目 クワガタムシ科
ホソアカクワガタ類の代表種ともいえる種類で、体長はスラウェシ島の原名亜種 C.m. metallifer で65~92mmに達し、最大種は100mmに達するペレン島産の C. m. finae で、ほぼ全身の2/3を占める長大な大顎に稼がれ、身体よりも長くて大きい大顎は一見すると不釣り合いで、ギラファノコギリクワガタのように挟む事に持て余して弱そうに見えるが、実際にはかなり強い。
色合いは金属光沢の赤色がメインだが、生息地域によって色合いに差が出て、ペレン島産のような青色や紫色といった個体も出てくる。6亜種に分かれ、前述2亜種の他、ザンギール諸島産の C. m. sangirensis 、 モロタイ島産の C. m.otanii  、スーラ諸島産の C. m. isogaii 、 ハルマヘラ島産の C.m. aenomicans といった系統に分かれる。
大型のホソアカクワガタ類の中で最も飼育がしやすい上に、低温管理さえ気をつければ大型の個体も作出できる事に加え、色彩の多彩さから、エラフスホソアカと人気を二分し、ホソアカクワガタ類の人気に火を点けた種だといえる。
 
んでもって、
 
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タランドゥスホソアカクワガタ Cyclommatus tarandus
節足動物門 昆虫網 鞘翅目 クワガタムシ科 
インドネシアに生息する中型のホソアカクワガタで、原名亜種の C.t. tarandus と、C.t.thunberg と C.t.stenosomus の3亜種に分かれ、原名亜種を除く2亜種は、更に二種に下位分類される。
中型種としては大型種に負けずに優美な姿をしており、特に大きな個体となると、大顎がほぼ身体位の長さになり、大型個体では70mm近くに達する。
飼育もメタリフェルよりもやや難易度が高いが、ほぼ同様の方法で飼育出き、メタリフェル以上に低温飼育に気をつけるようにした結果、大型個体も作出できている。
 
タランドゥスというと、こっちを思い浮かべるでしょうが、ホソアカにもタランドゥスはいるのです。
 
因みにホソアカには、ノコよりずっと小さい(ホソアカの中では大きいけど)ギラファなんて名前のもいます。
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クワガタ標本類で終わりです。