昭和再発見

今密かなブームとなっている「昭和」。古臭くもあり懐かしくもあるが、

まだまだ捨てたものではない。

ちょっとした「昭和」の再発見や記憶が蘇えったものを日記にしたいと思う。


テーマ:

SMBCコンサルティングの今年のヒット商品番付「小結」にランクされた棒アイス「ガリガリ君」。


猛暑で生産が追いつかず8月にはコンビニから姿を消した。
メーカーの「赤城乳業」は儲けに設けただろうが、この会社も苦難の時代があったという。
最初のヒット商品、カップアイス「赤城しぐれ」が石油ショックで低迷し原料仕入れ超過で倒産寸前。
余った原料を元にし、片手で食べられる棒アイスに転用された新商品「ガリガリ君」はちょうどその頃、アメリカから日本に上陸し始めた潮流に乗る事ができた。


コンビニである。


この商品はコンビニという新販路開拓で一気に大ヒット。今日に至っている。


ハード(アイス製造)×ソフト(スティックアイス)×時代(コンビニ)


この3つの要素が噛み合わないとヒット商品は生まれない。


話は変わるがすっかり色褪せてしまった日本レコード大賞。
本年の最優秀歌唱賞に昭和末期のアイドル近藤真彦が選ばれた。
その受賞を巡る賛否がやっと話題になる程度である。
大晦日には「レコ大」→「紅白」。
これが昭和のお茶の間の国民的チャンネル推移だったろう。
その意味では近藤真彦とレコード大賞は意外と「マッチ」する気がする。

ただ僕にとっての「昭和のレコ大」は何といっても昭和46年の尾崎紀世彦。

受賞した瞬間ピースサイン(Vサイン)を発したあれだ。


パッパッパラッパパー ドン
パッパッパラッパパー ドン
パッパーパーパーパーパー


♪明日が見える  今日の終わりに
 背伸びをしてみても  何も見えない
 何故か さみしいだけ 
 何故か むなしいだけ
 こうして 始まる
 ひとりの悲しみが♪


???


何か違う。


2番目?


いや違う。


上の歌詞は尾崎紀世彦「また逢う日まで」(曲/筒美京平 詞/阿久悠)の1年前に発表された同一作者による同じ曲である。


この曲は最初、町田義人のさわやかなサウンドが売り物であったグループサウンズ「ズー・ニー・ブー」の「ひとりの悲しみ」という曲で売りに出された。


阿久悠は70年安保で挫折した若者の気持ちを詞に投影したが全く売れる気配がない。

グループサウンズブームはとっくに終わっていた。


徹底した商業主義を貫く稀代のヒットメーカー。「昭和ポップスの帝王」筒美京平はメロディには自信があった。


「ひとりの悲しみ」のイントロは元々三洋電機ルームエアコンのCMソングとして作ったもの。リスナーへのアテンションが強く、1回聞けば印象に残る。
ところがCM自体がボツになり、筒美は失意ながらもチューンアップを重ね、満を持して公開のチャンス窺っていたものだった。


なのに売れない。


それを詞が悪いからだと結論づけた。

イントロの明るいブラス・セッションによるファンファーレと「明日が見える。今日の終わりに・・」で始まる暗いモノローグ基調の冒頭のフレーズがミスマッチしているのだ。


するとフィリップス・レコードから再びこの曲のレコーディングの話が舞い込んできた。

筒美は版元にライター変更を申し出た。
しかしフィリップスは当時新進気鋭の阿久に配慮し、リライトを条件に再び彼を起用した。阿久は渋々ながら了承。詞を書き直した。


パッパッパラッパパー ドン
パッパッパラッパパー ドン
パッパーパーパーパーパー


♪また逢う日まで  逢える時まで
 別れのその訳は  話したくない


「また逢う日まで」

またもやあのファンファーレとミスマッチしている詞。
結婚式の披露宴で歌ってしまいそうなほど明快なイントロが何と「別れの曲」なのだ。


もはや阿久の意地。だが彼もイントロのインパクトは認めざるを得ない。
ファンファーレに続く第一声をフランス映画のようなタイトルと同じフレーズに書き換え、出だしに力点を置いた。


一方、筒美は怒った。

「またかよ!またこんな詞を書きやがって!」
「先生、せめて歌手ぐらいはお好きなのをお選びください」

そうやってフィリップスは筒美に歌い手候補を何人か提示してなだめた。

彼はその中のひとりであった尾崎を実際に見て考えを改めた。


世界のポップスに精通していた筒美はビートルズが解散した後の洋楽の潮流を敏感に感じ取っていた。

当時、「マイ・ウエイ」によるフランク・シナトラの劇的なカムバックに触発され、欧米で売れているミュージシャンは歌唱力があり圧倒的な声量を武器する正統派歌手トム・ジョーンズやエンゲルベルト・フンパーデインクなどが主流になっていたのだ。


「尾崎は日本のフンパーディンクになれる!」


確かに詞はヘンだ。でも尾崎ならイケるかも知れない。
クオーターともアイヌ系とも噂される日本人離れした歌唱力とトレードマークのモミアゲを持つルックス。


かくして「ひとりの悲しみ」は「また逢う日まで」に姿を変えて世に出た。

尾崎の歌唱力とこの曲が合体し、新しいムーブメントに乗る。

そして爆発的なヒットとなったのであった。


①もし詞が「ひとりの悲しみ」のままだったら・・・・

②もし歌手が五木ひろしだったら・・・・

③もし1年世に出るのが遅れ、新・御三家(※)が登場した後だったら・・・・


もし、もし、もし・・・・・・・


ヒットしなかっただろう。


ハード(曲)×ソフト(尾崎)×時代(正統派歌手への回帰)


すべてが上手く行ったのだ。


ただし、ヒット商品は偶然生まれるのか?それとも必然なのか?


これだけはわからない。


※郷ひろみ、西城秀樹、野口五郎

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