はじめて来られた方へ
冷茶猫のカフェは、ここに集まるぬいぐるみ動物たちが、いろいろなテーマを語り合うカフェです。いつでも覗いてみてください。
今日のゲスト
雪豹・・・雪豹も前回のゲスト、スパイダースモンキーと同じく、絶滅危惧種です。
カフェのオーナー 冷茶猫 カフェの常連 阿月猫 (私・ブログの作者)
スウィーツ担当 甘茶猫 バイトのウェイター イコカ・カモノハシ
閉店近くのカフェへ来たのは雪豹。
「スパイダースモンキーから店のこと聞いたので。いいお店だねえ」
「いらっしゃい。一度、会ったことがあるね。これからもご贔屓に」
雪豹も絶滅危惧種で、前回のスパイダースモンキーと同じく、オリジンズ経由で日本に住んでるそう。
「雪豹って、きれい…」
相変わらずカフェに陣取っていた阿月猫は思わずうっとり。
阿月猫は雪豹と初対面なのに、いそいそと雪豹を自分のテーブルへ案内、何くれと世話を焼きます。
「暑いのは苦手で…」
もちろん、注文はアイスコーヒー。
「夏になるとやっぱり、故郷の高山の気候や雪が懐かしくって…」
「最近の夏は異常に暑い。気候が狂いだしているんだ」
冷茶猫はレモン入りの冷たい水も、大ぶりのカップに入れて…
話が弾みます・・・
「スパイダースモンキーはネット攻撃とかされてるって。雪豹はそういう被害は?」
雪豹も同じくNPOで絶滅危惧種問題を訴えたりしているはず。
「少しはある。でもスパイダースモンキーほどじゃない。卑怯な奴が多いんだ」
「そう、スパイダースモンキーには雪豹のような爪や牙がない。弱い方へ攻撃が行くのよ」
その声はピンク蛇
「お久しぶり、雪豹。まだまだ暑いから体調、気をつけて」
「冷却シーツの差し入れ、ありがとう。助かるよ」
何?ピンク蛇は雪豹と知り合い?おまけに親しそう。
雪豹と仲良く話が弾んでいたのに、ピンク蛇に割り込まれて阿月猫は面白くない。ピンク蛇の尻尾のリボンを秘かに解く。
店を閉めたあと、冷茶猫と甘茶猫がスウィーツを持ってきて話に加わった。
内容(「BOOK」データベースより)
急死したはずの父親から送られてきた一通のメール。
薬化学を専攻する古賀研人は、その不可解な遺書を手掛かりに、隠されていた私設実験室に辿り着く。ウイルス学者だった父は、そこで何を研究しようとしていたのか。
同じ頃、特殊部隊出身の傭兵、ジョナサン・イエーガーは、難病に冒された息子の治療費を稼ぐため、ある極秘の依頼を引き受けた。暗殺任務と思しき詳細不明の作戦。イエーガーは暗殺チームの一員となり、戦争状態にあるコンゴのジャングル地帯に潜入するが…。
小説自体は文句なく面白い、SFミステリー。ハラハラドキドキ、内容はとても濃い。
アメリカのホワイトハウス、東京、内戦のアフリカ中部…ピグミー族に生まれた超人類の幼児を巡って…
人類滅亡の可能性…核兵器、新しい細菌、地殻変動、現生人類を超える人類の誕生。
同じ種に対するジェノサイド(大量殺戮)を行うのは人間だけ。狂気の独裁者の恐さ、内戦のおぞましさ。人間の傲慢…など、恐い話満載なのですが…
一番恐いのは、この小説に対する批評にこんなのがあるのです。
「登場人物の日本人の一人をなんで酷い奴にするのか(暗に、そういう奴は他国人にしろと言いたいらしい)。
主役の友人で活躍する人物がなぜ外国人なのか。関東大震災や南京大虐殺などの話は必要ない、自虐的な歴史をなぜ入れるのかか…」
愛国心とは自国の歴史も世界の歴史も、それぞれの国の過去の過ちも知ったうえで、他国の文化、人を認めることによって、より自国を愛し、どうすれば他国といい関係を築けるか、考える心ではないですか?
ドイツのワイツゼッカー元大統領は、「過去に目を閉ざす者は、現在にも盲目である」と言ってます。
排他性って恐いね。狂信にもつながるし。これが膨れあがるとジェノサイド(大量殺戮)まで行ってしまうんじゃないかな。
国の政治レベルと個人間の問題は違うのに、独裁者や政治センスのない為政者の行動によって、外国人や民族衣装を着ている人に、嫌がらせや脅しがいくのも恐い。自分が反対の立場にたったときのことを考える想像力がないのかな?
「こういう種類の人から、スパイダースモンキーや雪豹が、他所から来たのにとか、動物のくせにって、嫌がらせ受けたり、ネット攻撃されるのよ」
ピンク蛇は悔しそう。
「できるだけスパイダースモンキーと一緒に帰ることにしているんだ。嫌がらせとかあったら危険だから。スパイダースモンキーは小柄なモンキーだし」
「同じ種の仲間が減っていく、住むところがなくなってしまう、すごく不安で悲しいことなんだ。誰からも忘れられていくような。そういう想いをわかってくれる人間もいるんだ、頑張らないとと思うんだけど、そういう人、少数なんだよね。
状況はひどくなるいっぽうだし、そうなると追い詰められてテロに走る奴もでてきて、人間噛み殺したりする。するとその報復がきてもっとひどいことになる。こういう連鎖だけは防がないと」
雪豹って肉食系、猛獣なのに穏やかで、常識派・・・阿月猫は心の中で雪豹に二重丸の採点。
カフェの中は、前回に続き、溜息と怒り。とにかくまた近々の再会を約束してお開きに。
ピンク蛇は阿月猫の意地悪と、解けたリボンに気づかず、引きずって帰っていった。
予告
「やっと君の店へ行けそうだ。沖縄からもうすぐ帰る」・・・ウェルカムドッグから冷茶猫へのメール
(更新は1日、11日、21日の予定です)




