このところ、小西洋之 参院議員の 言動が 波乱を 呼んでいる。

 

本日の 読売 朝刊 「 編集手帳 」 も、この 問題を 取り上げていた。

 

以下は その引用。

 

 

街路の 柳が 薄い 緑に 色づいてきた。

 

江戸時代 の 俳人、大島 蓼太 ( おおしま りょうた ) に 異色の 一句 が ある。

 

< むっ として 戻れば 庭に 柳かな >。

 

春風に そよぐ 柳を 見て、腹を 立てたことを 後悔 したのだろう。

 

 

腹立ちを 鎮められる 柳の木は、国会の庭には ないのだろうか。

 

立憲民主党の 小西洋之 参院議員が 怒りを 含んだ言動で 騒がせている。

 

憲法審査会の 毎週開催に ついて 「 サルが やること 」 と 発言し、これを 報じた テレビ局を ツイッター で やり玉に あげた。

 

「 ( 総務省 ) 元 放送政策課 課長補佐に 喧嘩 ( けんか )  を 売るとは いい度胸だ 」。 

小西氏は 元総務官僚である。

 

自身のキャリアを 高々と示す このタンカの あとが、より 耳を 疑う。

 

「 NHK と フジテレビ に 対し、放送法など あらゆる手段を 講じて、報道姿勢の 改善を 求めたい 」。

 

総務省の 行政文書を もとに 政府の 放送法解釈を 追及していた人が、あろうことか 圧力を かける側に 回ってしまった。

 

 

芭蕉文学を 継ぐ者として、江戸俳壇の 刷新を 訴えた という 蓼太の 評伝を 思い出す。

 

主流派に 論争を 挑み、最盛期には 3000人 の 門人を 抱えたそうである。

 

リーダー たる 者の しなやかな 素養が 柳の句 に のぞく。

 

 

コラムは、柔らかだが 毅然たる筆致で、小西議員の 言動を 糾 ( ただ ) している。

 

そして、柳の 句の 作者である 蓼太氏の評伝を 元に、このような 一文で  締め くくる。

 

「 リーダー たる者の しなやかな 素養が 柳の 句に のぞく 」。

 

簡潔に まとめられた コラムは、ただ、ただ、感嘆して 拝読するに 越したことは ない。

 

しかし、何事に対しても 目立ちたがり屋の 筆者は、野暮を 承知で、次の 句を 継ぎ足すのである ――

 

「 それに 比べて…… 」。

 

〔 了 〕